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昨年の地震でビルにひび、市当局は「安全」 NZ地震(1/2ページ)

2011年2月27日5時12分

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写真:行方不明者の捜索が続くCTVビル=26日午後、クライストチャーチ、西畑志朗撮影拡大行方不明者の捜索が続くCTVビル=26日午後、クライストチャーチ、西畑志朗撮影

 ニュージーランド南部の地震で倒壊したカンタベリーテレビ(CTV)ビルが、昨年9月の地震で大きな損傷を受けていた。現地の複数の証言で分かった。建築技術者が耐震補強工事が必要と指摘したが、工事はなされなかった可能性が高い。一方、クライストチャーチ市当局は前回地震後に点検し、ビルは安全と判断したという。

 倒壊したCTVビルは1975年に建てられた。ビル内にあったキングスエデュケーションで学んでいた多くの日本人留学生が生き埋めになっているとみられる。

 CTVのアナウンサー、ロブ・コープウィリアムズさん(61)によると、昨年9月のマグニチュード(M)7.0の地震で、長いもので数メートルに及ぶひびが、室内の壁に何カ所もできた。

 この地震ではCTVビルの裏側に隣接する3階建てビルも大きく損壊。昨年末から取り壊しが始まった。CTVビルと壁が接触するような位置にあるビルを破壊するため、鉄球がぶつかるたびにCTVビルにも衝撃が伝わり、室内のひびが広がったという。CTV社員はみな「次に地震が来たらCTVビルが壊れるのではないか」と心配していたという。3階建てビルの取り壊しが終わったのは今回の地震の前日だったという。

 キングスエデュケーションの留学生に部屋を貸している現地住民も「窓枠がゆがんでいて、みな不安がっている」などと聞かされた。「建物の基礎がずれたのではないか」と心配していたという。

 CTVビル近くの建築関連企業の関係者によると、同社の建築技術者がビル管理者側の許可を得てビルを調査。次の地震に備えて一部で補強工事が必要だと判断し、報告書を提出した。だが管理者側は、工事を実施するために必要な詳細情報の提供を求めてこなかったという。

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