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国民年金:3号被保険者切り替え漏れ 救済策一時停止 厚労相方針、総務省と対応協議

 国民年金第3号被保険者の切り替え漏れ問題について、細川律夫厚生労働相は24日の予算委員会で、1月から始めた救済を一時停止する方針を示した。今後の対応は総務省と協議して結論を出す。同日午前の衆院予算委員会で鴨下一郎議員(自民)の質問に答えた。

 この問題は、会社員の専業主婦の妻らが、配偶者の脱サラなどで3号被保険者の資格を失う場合、国民年金1号への切り替えが必要だが、切り替えないままの人が数十万人以上いるとみられる問題。厚労省が1月から、過去2年分の保険料を払えば、さかのぼってそれ以前の未納分を納めたとみなす救済策を始めた。総務省年金業務監視委員会が「まじめに切り替え払ってきた人に不公平」と異を唱え、厚労相への是正勧告を総務相に促すことを検討している。

 「この議論を聞いた国民が今日にも窓口に押しかける。政府内で統一見解を出すべきだ」と鴨下議員がただしたのに対し、細川厚労相は「年金支給について手続きを留保させていただく」と述べた。窓口での申請は受け付けるが、救済策による年金の支給は止める。

 厚労省によると1月以後の請求者で救済されるのは少なくとも2331人。その中で2月に支給開始年齢に達するなどで年金支給に至った人数は不明。この救済策は受給前の加入者のみ対象で、受給者は混乱回避のため、実際は未納であっても年金記録を訂正しない。【野倉恵、山田夢留】

毎日新聞 2011年2月25日 東京朝刊

 

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