从轻之国度搬过来的。
2010年04月30日 11時47分41秒
「涼宮ハルヒの驚愕」が3年越しでザ・スニーカー6月号に登場、2010年内に文庫を発売予定
[凉宫春日的惊愕]跨越3年时光在6月号The Sneaker上刊登,预定(整篇)在2010年内文库上发表

アニメ化・映画化もされた人気ライトノベル「涼宮ハルヒ」シリーズ。その最新作である「涼宮ハルヒの驚愕」は2007年の刊行予定が延期になって音沙汰がなくなり、2010年2月に「4月30日発売のザ・スニーカー6月号に一部が先行掲載される」ということが明らかになりました。
TV话·映画化的超人气轻小说[凉宫春日]系列。其最新作[凉宫春日的惊愕]本预定在2007年刊行但拖延后杳无音信,直到2010年2月[4月30日在The Sneaker6月号上先行刊载一部分]位置才有所明朗。
そして本日、ザ・スニーカー6月号が発売され、「涼宮ハルヒの驚愕」が3年越しで姿を見せました。
今日,The Sneaker6月号发售,[凉宫春日的惊愕]跨越三年后再见其麟角。
詳細は以下から。
以下是详细信息。
ザ・スニーカー | 角川書店・角川グループ
The Sneaker |角川书店·角川Group|
表紙を飾ったのはいとうのいぢによる「涼宮ハルヒ」。
封面是由いとうのいぢ绘制的[凉宫春日]

二大巻頭特集は「涼宮ハルヒの驚愕」と「R-15」。このほか、アニメ第2期の放送が近い「ストライクウィッチーズ」、コミック化が決定した「東京皇帝☆北条恋歌」が特集されています。
除了包含[凉宫春日的惊愕]和[R-15]两卷特辑,第二季动漫「ストライクウィッチーズ」接近放映、「東京皇帝☆北条恋歌」决定漫画化的特辑也在其中。

ハルヒ情報としては、作者・谷川流さんによるコメント。
除了春日情报还有作者谷川流先生的评论。

「涼宮ハルヒの驚愕」本編は68Pから70枚分が先行掲載されています。
[凉宫春日的惊愕]部分从68页开始占70页先行揭载。(好期待啊O(>_<)O~)
今回掲載されたのはあくまで先行分ということで、続きは2010年内発売予定の文庫を待てとのこと。
这次揭载是完全的先行出版,接下来就是等2010年内文库预定出版了。
これまでのお話
前情提要
才色兼備でスポーツ万能の涼宮ハルヒだが、その言動は奇妙奇天烈で傍若無人。勝手に「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」通称SOS団を結成してしまう。
虽然凉宫春日才貌双全、体育万能,但她的言行离奇古怪而且通常旁若无人。自己还擅自组织了[让世界变得更热闹的凉宫春日团],俗称SOS团。
そんなハルヒに振り回されるSOS団には、宇宙人に未来人に超能力者と、普通じゃないメンバーが集まった。実は彼らは、世界を変えてしまう可能性を持つハルヒを秘密裏に観察しているらしい。そんな事とは一切知らず、ハルヒの唯我独尊な日々が過ぎていく。
这样的被春日随意摆弄的SOS团却聚集着宇宙人、未来人和超能力者这些不普通的成员。事实上他们是来暗中监视拥有改变世界能力的凉宫春日。不过春日本人对此一无所知,每天唯我独尊般地度过每一天。
そして学年がひとつ繰り上がった春休み最終日、SOS団の面々はキョンの旧知である佐々木と出会う。佐々木はキョンと旧交を温めるが如く連絡をしてくるようになるが、なぜか彼女の周囲には、偽SOS団とも呼べる謎多き人物が集まっていた。
之后在那个学年提前到来的春假最后一天,SOS团的每个人都和阿虚的旧交佐佐木见了一面。但佐佐木和阿虚叙旧的样子好像经常联系似的,还有为什么在她的身旁会有一个叫做伪SOS团的社团,而且还聚集了如此之多的谜之人物呢?
一方の学校ではハルヒは入部希望者の存在にテンションがあがりまくり。ため息が尽きないそんなある日、長門が学校休んでいることが発覚する。
一方面在校的春日一个劲儿地期待着希望入部的成员出现;同时在这叹气不断的某天里,大家发觉长门向学校请了病假。
あの長門が病気だって!?不測の事態に慌てるSOS団は、ハルヒを先頭に長門のマンションに急いで向かうのだった——————
长门生病了吗!?不明事态而慌张的SOS团在春日的带领下急忙向长门的住所赶去————————
月曜日という平日の第一日目に節目も何もあったものではなく、怠惰な休日を過ごしていた日曜の弛緩した状態が身体に残っているためか、学校から自宅へと至る道がやけに長く、歩行時間もまた永いように感じる。
说到星期一是平日开始的第一天,那不是什么节点也不是啥都有的时候,由于刚过了懒散的休假,周日弛缓的状态还残留在身体里不出来,所以又感到从学校向自己家的路非常长,步行时间也要很久。
ハルヒたちと歩いていた下校の途中まではまだ気が紛れてよかったが、別れて一人になると途端にうら寂しいような心持ちになるのは、どうやらSOS団の面々と一緒にいるのが俺にとってオーソドックスモードになってしまっているからのようだ。とりたてて気を付けていたわけではないものの、すっかり朱に交わってしまった現在の自分を何と表現すべきだろう。藪をつついていたつもりが自分が棒だったとても言うべきか。
走在(平时)和春日一行走的放学的途中(我的)心情还没调整好,(却想到)和大家告别后变成一个人的我难免会感到寂寞,好歹和SOS团的各位在一起的时候我得拿出一副正经的模样,虽然也不是特别担心这些,但日暮时分的现在我总得做点什么表现下吧。就像我是那要戳草丛的那根很想说点儿什么的棍子。
「まあ」
[那个]
俺は足を止め、意味もなく振り返ってみた。春の登下校路がいつもより明るく見える。それは放課後にやってきた入団希望者の一年生たちがやけに初々しく目に映えていたからかもしれないし、単に日照的な気象条件のせいであったからかもしれない。
我停了下来,没什么意义地回头看了看。春天里这条必经之路比平时看上去明亮些;也许就像下课时希望入团的新生们满怀期望的眼神反射出的模样,或者就只是单纯的今天天气不错造成的吧。
「どうだっていいことさ」
[到底怎么才好啊]
この独り言もまったく無意味だ。たまに思うのだが、独り言ってのは誰かに聞かせて何ぼのものじゃないのかね。誰にも伝われなかった言葉は発声練習以上のものではないだろうからな。そして俺には独り言を呟くクセなどないつもりだ。だから、今のセリフは自分に言い聞かせているものなのである、実際、ハルヒが朱色なんだとしたら俺はとっくの昔に赤く染まっちまっているわけで、今さら別の色のペンキを頭からかぶろうとは、たとえそんなことが可能だったとしてもゴルジ体の直径ほども思わんね。
这种呓语当然一点儿意义都没有。偶尔想想的话,这种话说给谁又要说多少遍才好呢?谁会再把这种发声练习之类话再说出去呢?都不会去做吧。这不过是我个人嘟囔的呓语罢了。所以啊,这次又有了自己说给自己听的台词;事实上,春日要是朱红色的话,我就是老早以前被彻底给染红过了,如今再从头蒙上其他颜色的油漆,估计这类事情现在考虑的话可能性也没有高尔基体的直径那样大了吧。
ハルヒの後ろ姿から伸びる見えない網に引っ張られれがごとく、俺と古泉、朝比奈さんも下校路を下り続け、ようやくの平地である光陽園駅前にたどり着いた時点ですっかり息が上がっていた。常にデオドラント状態の古泉でさえ、額の汗を拭っているくらいだから程度がしれるだろう。朝比奈さんなんか膝に手を当ててふうふう言ってる。
在放学的路上,春日的背后似乎有根看不到绳索紧紧地拉着我、古泉和朝比奈。等差不多好容易走到坐落在平地上光阳园车站前的时候,我们已经累的上气不接下气了。就算平时总是在爽朗状态的(直译:带除臭剂状态的古泉)古泉,现在也到了不断地擦额头上冒出的汗珠的程度了。朝比奈学姐也在双手扶膝呼呼地喘气。
しかし、この女だけは放射性物質を体内で飼っているかのような疲れ知らずで、
但是,只有这个女人好像在消耗体内放射性物质似的,一点儿都不累。
「なに休んでんのよ!ここまで来たんだから、後は走るわよ!」
[怎么休息了啊!才只是到这里来哦,之后用跑的!]
長門のマンションめがけて徒競走を始めた。
朝向长门公寓的赛跑就这样开始了。
これまた五輪級のスピードで、ハルヒについていけるのは現役生活全盛期の実業団アスリートくらいだ。古泉を先行させ、俺は遅れがちな朝比奈さんの鞄を持って可能な限り全力の早足で後を追う。
这又是奥林匹克级别的速度了吧,能跟上春日估计也估计只能是现役处于巅峰状态的实力派运动员了。古泉先走一步,我拿着总是在最后的朝比奈学姐的包力所能及地全力从后面追上去。
「ひぃ、はふ」
[呼、咳]
足を縺れさせる朝比奈さんを気遣いつつ、遅れて到着した俺を、ハルヒはマンションのエントランスで待っていたが、全員が揃ったのを確認した瞬間にインターホンのボ
タンを押した。7·0·8、呼び出し。
我一面担心着脚都不听使唤的朝比奈学姐,一面发现赶到目的地时,春日已经在公寓门口等着了,全员集合后确认无误的刹那间可视门铃的按钮被(暴力地)按了下去,大喊道7·0·8
応答は即だった。待っていたようなタイミングで、
立刻就有了应答。貌似时机刚刚好。
「…………」
「有希、あたし、みんなでお見舞いに来たわ」
[有希、是我,大家来看望你了~]
「…………」
ふつっとインターホン通話が切れ、オートロックのマンションドアがゆっくりと開く。
嗵的一声对讲机挂了,大楼的自动门缓缓打开。
一階で停止していたエレベーダに乗り込み、ハルヒは7Fを示すボタンを連打した。あまり広いとは言えないエレベータは四人も乗ればかなり手狭であり、朝比奈さんの息づかいがすぐ耳元で聞こえるほどだ。後は微かな機械の音。
大家拥入停在一楼的电梯,春日连续猛按标着7楼的按钮。老实说电梯里一点儿也不宽敞,准确地说四个人一起乘坐就太窄了,而且马上耳边就听到了朝比奈学姐的呼吸声,还有身后机械运行的微弱声音。
まるで人力かと思うほどノロノロと上昇する箱の中で、ハルヒはずっと口元をひん曲げていた。機嫌を損ねているわけではない。どんな表情をしていいのか迷ったとき、とりあえずこいつは怒ったような顔を作るのだ。
本来正在想这慢吞吞上升的箱子是不是人力驱动时,发现春日一直都在瘪嘴。不会是什么又惹了她吧。在这不知所措的时候摆出什么表情应对好呢,不管怎么说这家伙就是要摆出一副要发怒的样子了吧。
エレベータの扉が七階で開くのを待ちかねたように、ハルヒは肩で風切り音を発生させつつ通路を進軍し、708号室のドアホンを連続プッシュした。
焦急地等待着电梯电梯门在七楼打开后,春日以迅雷不及掩耳之势向过道前进并且连续猛按708的门铃。
室内の人物が内側で待機していたような速やかさで施錠が外され、ゆるゆると鉄の扉が開かれていく。暖色系の室内灯を逆光して、人影が玄関先に伸びている。
屋内的那位像在里面待机一般迅速地取下门锁,铁门缓缓打开。室内柔和的灯光涣散迷离,把人的影子照射到了门口。
「…………」
ドアの隙間が形作った矩形の中に、ぽつねん、という感じでたっていたのはパジャマ姿の長門有希だった。
在门缝中间形成的矩形里,看到了穿着睡衣给人感觉十分孤独的长门有希。
「起きてていいの?」
[起来没问题吗?]
ハルヒの問いに、長門は茫洋とした瞳でうなずき、戸棚から人数分のスリッパを取り出そうとして、
面对春日询问,长门像深邃的眼眸般微微颔首,从柜橱中拿拖鞋分给大家。
「そんなのいいから」
[没关系的]
足だけで靴を脱いだハルヒに止められ、肩を押されて速やかに寝室へと運ばれた。長門の部屋には俺や朝比奈さんだけでなく、全員が何度も来ているのでハルヒの額にも間取りは当然入っている。俺は寝室に脚を入れたことはなく、せいぜいリビングと客間の和室くらいだが、そんなこともどうでもよかった。
她拦住了只脱了鞋就准备进屋的春日,但又被她按着肩膀迅速带回到卧室。不仅是我和朝比奈学姐,我们都来过许多次长门的家里了所以春日甚为了解房间布局,自然地进到屋里。我从没踏进过卧室,充其量也就去过客厅、日本房间等地方,这种事情怎么样都好啦。
本当にベッドしか置いてない寝室にお邪魔した俺は未踏の地に足を踏み入れた感動を味わう前に、ハルヒに寝かしつけられている長門の様子をひたすらかがった。
真的是只有一张床的卧室,来添麻烦的我能够进入这片未涉足的领域实在是倍感激动(……),春日让长门睡觉时长门露出的样子很是茫然。(ひたすらかがった不知什么意思 = =)
「…………」
天井を凝視する白い顔は揺るぎなく無表情で、熱を帯びているようには見えない。いつもと違うところを探せば、髪が寝癖にまみれているくらいだ。常態より二ミリほど目蓋が閉じていると俺の観察眼が告げていたが、少なくとも苦しげではなさそうである。しかし色気のないパジャマだな。
凝视着天花板的白色脸庞没有动摇也没有任何表情,也看不出有任何发热的迹象。如果寻找与平时不同的地方,就是到处都有躺在床上弄乱的头发吧。我的观察力告诉我她和常态相比眼皮多合上了2毫米,至少看上去她没感到太难受。但那睡衣也太单调了点吧。
俺は少しばかり平静を取り戻し、そうして初めて冷静さを欠いていたことに気づいた。
我稍稍平静了下来,而后刚注意到自己缺乏冷静。
ハルヒは長門の額に手を置いて、
春日把手贴在长门额头上。
「有希、ご飯食べた?頭痛い?」
[有希,想吃东西吗?头痛么?]
長門の頭が枕の上で微細に左右に動く。
躺在枕头上的有希微微左右摇头。
「食べなきゃダメよ。一人暮らしなんだし、そんなことだと思ったわ。ん――」
[不吃东西可不行哦。一个人独居的话,可不能这样想,恩——]
余っている手を自分の額にも当て、
另一只手摸着自己的额头。
「ちょっと、熱あるわね、氷枕、あったっけ?」
[有点微烧呀,有冰袋吗?]
長門の答えは否定の仕草だった。
长门做了个否定的动作。
「まぁいいわ。後で冷却シート買ってきてあげる。それよりご飯ね。有希、冷蔵庫の中身と台所借りるわよ」
[也好,等下买来些冷却布条。然后就是吃饭了,有希,冰箱里的食材和厨房借我用下。]
ハルヒは長門の許可を待たず、立ち上がるのと歩き出すのと朝比奈さんの腕をつかむ行為を同時におこない、
春日没等长门答应,马上就站起来同时一把抓着朝比奈学姐的胳膊走了出去。
「あたし特製おかゆを作ってあげるわ。それともスペシャル鍋焼きうどんがいい?どっちを食べても風邪なんか一発よ。みくるちゃん、手伝えって」
[我会把特制的热水拿来。还有,做特制的砂锅怎么样?保证感冒什么的一吃就好。十九六酱,来帮忙。]
「はい……はいっ」
[好……好的]
心配そうに長門を見ていた朝比奈さんは何を動転したのか大量のスリッパを抱きしめていたが、何度もうなずきながらハルヒに伴われ、しかしハルヒは部屋を出る寸前で立ち止まってバカみたいに立ちつくしている俺と古泉に、
朝比奈看着令人担心的长门好像是被什么吓到了一般,她虽不用干抱着一大堆拖鞋的活儿,但也总是一边点头一边被春日给拉着。当春日将要出这间卧室的时候突然停了下来,看着跟傻瓜一般站着的古泉和我。
「二人とも寝室から出てなさい。女の子が寝てるところを眺めてていいもんじゃないわ」
[两个人都从这里出去!女孩子就寝的地方可不是什么看风景的好地方。]
「それでしたら」と古泉が、「僕が買い物を担当しましょう。冷却シートと風邪薬でいいでしょうか」
[那样的话]古泉说[我就负责去买些东西吧,冷却布条和感冒药行么?]
「ちょい待って。晩ご飯の用意もあるから、冷蔵庫の中身次第ね。ネギあるかしらネギ。うん、お買い物メモ作るわ。来てちょうだい、古泉くん」
[等一下。把晚饭的食材也加进去,然后是冰箱里面的东西。有葱的话买点葱。来列个要买的东西的便条吧,跟我来,古泉君。]
「かしこまりました」
[我明白了]
出際に古泉は俺の肩を即スレスレの仕草で触れ、妙な目配せとともに退室した。
正要出去的时候古泉拍了拍我的肩膀,微妙地使了个眼色之后就走出了房间。
何をすることもなく突っ立つ俺と、ベッドで綺麗に仰向ける体勢を作っている長門が残される。
还站在这儿的我在做什么,身边只留下了卧床的长门,身体缓慢优美地朝这边仰了过来。
キッチンの方からハルヒが朝比奈さんと古泉に何やら指示を飛ばしている声が切れ切れに聞こえていた。「缶詰ばっかじゃないの。これじゃ栄養が偏るわ。おいしい野菜をどっさり食べないから体調がおかしくなるのよ。みくるちゃん、お米をといで炊飯器、ついでにそっちの土鍋用意して、それから古泉くん、卵とほうれん草と長ネギと……」
厨房那边传来了春日对朝比奈和古泉指示,就像在听巴拉巴拉急速飞奔的声音。[只吃罐头可不行哦,这样会营养不均衡的。大量美味的野菜不吃的话对身体可不好哦;十九六酱,准备好煮米的电饭锅;关于砂锅的准备工作嘛,古泉君,要买鸡蛋、菠菜、大葱……]
こういう時のハルヒは役に立つ。団長だからと言いつつ、SOS団とは関わりのない作業になるとあいつは一級品なんだ。料理の腕前が確かなのは俺の舌がよく知らされている。
这时候春日还是蛮可靠的。一面是作为团长而言,另一方面所谓SOS团就在做这类没关联的活儿时她是最积极的。她的料理手艺我还是很了解的。
しかし、今は雑音に気を取られている場合ではなかった。
但现在不是注意其它杂音的时候。
まず、問おうか。
先问问看。
「長門」
[长门]
「…………」
「具合はどうだ。俺の見たまんま、感じたまんまで合ってるか?」
[到底什么情况?是我看到的这样吗,感觉怎样?]
「…………」
「声が出ないのか?」
[说不出话吗?]
「出る」
[可以说。]
長門は漠然と天井を眺め続けていたが、ゆるゆると掛け布団ごと上半身を起こした。起き上がりこぼしでもこれよりは左右に動くだろうと感じさせる、まるでアンダーティカー。
长门又恍惚地继续望着天花板,被子盖着的上半身慢慢地挺了起来,不,与其是挺起来不如感觉到是左右晃动吧,就像Undertaker(*好像是一个电影里的角色*)
「お前がそんなことになってるのは、九曜とやらのせいか」
[你才不会发生这种事,这是九曜干的好事吗]
長門の石英を研磨したような目が、静かに俺を見据える。
[长门用好似研磨石英的认真眼神,静静地盯着我。]
「でも、そうとも言える」
[但是,就算这么说]
「九曜ってやつがやってんじゃないのか?その―――」
[九曜那家伙可以做得到这种程度的事吗?那个————]
冬の一件、幻の館で長門が倒れたとき、あれはどういう仕組みだった?吹雪の山中を何時間も彷徨い、ようやく見つけた灯りの元は脱出不能の洋館で、そこで長門はいつもの冴えを失っていた。あれは……。
冬天里发生的那件事,长门在虚幻的邸宅倒下的一刻,那是怎样的组织办到的?在飘洒着鹅毛大雪的山中徘徊了不知多久,终于好不容易发现灯光的那里,在无法逃脱的邸宅里,长门失去过往日的平静。那是……
「負荷」
[负荷]
長門が囁くように呟き、ぼんやりした目を布団に落とした。
长门低声细语地嘟囔着,在被褥里呆呆地合上了双眸。
こいつ、こんなに小さな身体をしていたっけ。一日目を離していただけなのに、ずいぶんと薄っぺらくなっているような印象を受ける。
她如此娇小的身躯,要是哪一天没关注到她,还真是让人觉得她的存在感很稀薄。
天啓が走り抜け、俺は気づく。
我感到上天的启示一闪而过。
「いつからだ」
[从什么时候成这样的]
俺は昨日の出来事を思い出しつつ、
我开始考虑前些日子发生的事情。
「お前が熱で寝てなきゃならなかったのは、いつが始まりだ」
[从什么时候你开始发热卧床的?]
「土曜の夜」
[星期六的晚上。]
新年度第一回不思議探索パトロールのあった日だ。あの日中の長門は平熱に違いなかった。
那是新年第一次寻找“不可思议的事件”的时候。但那天长门还一切正常。
まさか、俺が佐々木から風呂中に電話を受けとったあたりじゃないだろうな。
难道是从我洗澡时接到佐佐木打来的电话时开始这一切的吗?
「…………」
長門は答えず、黄砂のような漠とじた目で俺の胸あたりを見つめている。
长门没有回答,只是用黄沙般漠然的目光看着我的胸前。
考えてみればおかしかったんだ、昨日、日曜。俺は佐々木に呼ばれて橘、京子、周防九曜。藤原と会席したわけだが、そこに意外な闖入者いた。
想来也有点怪,昨天,也就是星期日。我被佐佐木叫了出去,和橘、京子、周防九曜、藤原碰面时,遇到个意外的闯入者。
喜緑江美里さん。俺たちの一コ上で、長門とも朝倉とも違う情報統合思念体のインターフェイス。これまで長門や生徒会長の陰に隠れ、表に出てこなかった宇宙人作製による有機ヒューマノイド。あの日に限って喫茶店でアルバイトしていたというなど、そんな偶然があるわけはなかったんだ。喜緑さんは九曜の監視を請け負っていたに違いない。何のために?九曜が俺になんか宇宙的なイタズラを仕掛けないようにだろ。だが、本来ならそれは長門の役目だったはずだ。そして長門はあの場にいなかった。
喜緑江美里同学,不仅是我们的上级,还是不同于长门和朝仓的另一个情报统合思念体接口。目前看来长门和以学生会长隐藏身份(的她),看上去都不像是制造出来的宇宙人,而更像是有机人形体。说来那天(事情)恰恰在咖啡店打工时(发生),未免也太巧了吧。喜緑同学肯定是来承担九曜的监视任务。但又是为什么呢?九曜对我而言不已经是宇宙级的恶作剧了吗。而且,本来这应该是由长门负责去做的吧,长门本该在那里。
突発的な怒りが渦巻き、俺は自分のテンプルを一人クロスカウンターで撃ち抜きたくなった。
突然一阵怒气涌上心头,我要迅速地闪开这打向我的太阳穴的重击。(比喻)
とんだボンクラだ。あん時に解っておけよな、俺よ。
我真是蠢货,那时居然一点都没察觉到。
長門が動けなくなっていたから、喜緑さんが出てきたんだ。長門のバックアップ、朝倉涼子はもういない。唯一、俺たちの周りに存在するのは派閥は違えど喜緑さんだけじゃないか。だから喫茶店に喜緑さんがいたんだ。つかず離れず、ウェイトレスに扮装してまで。
因为长门无法行动,喜緑同学就行动了。作为长门备用的接口,朝仓凉子也不存在。在我身边唯一存在的就只有派系不同的喜緑同学了。所以那时候喜緑同学在那家咖啡店里,打扮成女服务员时刻监视着我们的举动。
長門の目は今までになく鈍い色をしていた。古い地層から掘り出した和同開珎みたいな輝きで、まるで新鮮さを欠いている。削ったばかりの鉛筆のようだった、あの光沢
のある黒い瞳が失われていた。
长门的眼眸失去了往日的光泽渐渐黯淡。如同从古老的地下挖出的货币,虽然曾经光彩四射如今却已古旧风化。又像被猛削过的铅笔般;眼眸曾经散发出乌黑的光泽已经不复存在。
エアコンのないこの寝室はほとんど常温だ。なのに俺は精神的肌寒さを感じる。俺の身体ではなく、心が寒さを主張していた。
这件卧室没有空调温度近于常温。但我的心情却倍感凉意。不是身体发冷,而是心在瑟瑟发抖。
「どうすればお前を治すしてやれる」
[怎样才能让你康复]
市販の風邪薬やハルヒ特製料理で収まるほど、一筋縄でいくものじゃない。いわば宇宙病原体だ。そんなもののワクチンや特効薬を精製できるのは長門くらいで、そして
倒れているのは長門有希本人だった。
不管是大街上卖的感冒药,还是春日特制的料理,普通的办法肯定不行的。如果说是宇宙病原体的话,能制作出那东西的疫苗或者精制特效药的肯定是长门,那样的话能打倒病魔的也只有长门有希本人了啊。
「…………」
色の薄くなった唇を閉ざして十数秒、長門はようやく唇を動かし、
发青的嘴唇静止了数十秒后微微颤抖着,长门的终于要说些什么了。
「わたしの状態回復はわたしの意思では決定されない。情報統合思念体が判断する」
[我无法按照自己的意愿使自身状态回复,情报统合思念体是这样判断的。]
あの薄らバカげたお前の親玉か。一度俺の前に出てきやがれ。腹蔵なく話し合おうじゃないか。
又是那个笨蛋薄情佬在作祟?赶紧给老子出来,你就不能把话说明白点儿?
「不可能。情報統合思念体は、」
[不可以。情报统合思念体是……]
長門は目蓋をさらに一ミリほど下げ、
长门的眼皮又下垂了一毫米之多。
「有機生命体と直接てきに接触できない……だから、わたしを作り出した……」
[…不能和有机生命体直接接触……正因此故,我才被制造的……]
くらり、と揺れた寝癖頭がぽすんと枕に舞い戻った。
说着,她的头摇晃着又再次倒在枕头上。
「おい」
[喂]
「平気」
[没事的]
改めて確信する。これはただの熱じゃない。長門を襲っているのは、地球上のどんな名医がドリームチームを結成しても解析することができないたぐいのものなのだ。
再次确认这不是发热而是长门受到袭击的话,就算是地球上的名医组成的梦之队来分析病情,也不会搞出个所以然来。
天蓋領域なるコズミックホラーどもからの情報攻撃。長門に負荷を掛けることで万能の宇宙パワーを封じている。
就算是来自天盖领域的宇宙级恐怖情报攻击,长门所承受的负荷也可以把万能的宇宙之力给封印吧。
「九曜に話をつけたら何とかなるのか」
[如果此事和九曜有关的话会发生什么]
それ以外に考えられない。長門が統合思念体の代表者なら、九曜は天蓋領域とやらのエージェントだ。長門ほどではないが言葉が通じる相手であるのは佐々木や橘京子たちから教わった。かなりの低次元だが、それでもあいつは日本語を喋っていた。だったら、俺の話す言葉だって理解しやがるだろう。
除此之外再也想不到什么了。长门是情报统合思念体的代理人,而九曜是天盖领域的代理者。要对佐佐木和橘京子说下长门是个无需用言语沟通的对手。尽管身处低次元,那家伙喋喋不休地说着日语,对我说的话也只理解个只言片语吧。
「言葉は……」
[语言……]
長門が薄っぺらいセリフのような吐息のようなものを漏らし、
长门用细弱的声线低语道,
「言語は難しい。今のわたしは対有機生命体インターフェイスとの対話に向かいていない。わたしには言語的コミュニケーション能力が欠如している」
[言语十分复杂。如今的我对有机生命体的对话接口尚不成熟。我存在交际能力缺陷。]
それは最初から解ってた。だがお前の無口さはいまやなくてはならないものだぜ。俺にもハルヒにも。
我第一次知道此事。正因为如此直到今日你不得不面无表情,是吧。对我如此,对春日也是如此。
「わたしは…………」
[我……]
しかし長門自身は透明な苦渋を噛みしめるような無表情で、
然而长门自己面无表情,仿佛在紧紧遏制住这份单纯的痛苦,
「わたしという個体に社交性機能が付与していたら、」
[如果我这个个体被赋予了社交性机能的话…]
白皙の表情はどこを切り取っても無限小に限りなく近い無でしかなかった。
白皙的表情好像哪里改变了一点儿,虽然那个地方是接近无限的微小。
「朝倉涼子のようなツールを持ち得た可能性はゼロではなかった。そのように作られなかった。確定されたインデックスに抗えない。わたしは活動を停止するまで……このままで……いる……」
[获得和朝仓凉子一样的工具可能性不为零。那无法被制作。(像)确定下来的目录(对其表示的内容)无能为力。直到我停止活动前……就这样…在……]
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