産婦人科医らでつくる日本産科婦人科学会(理事長、吉村泰典慶応大教授)は26日、胎児の状態を調べる「出生前検査・診断」についての見解案を発表した。技術の進歩などにより、ほぼすべての妊婦が医療施設で受ける超音波検査や「母体血清マーカー検査」で異常の可能性が分かるようになった。結果を知った妊婦が不安を感じないよう、妊婦に対する十分な説明を会員に求めている。6月に正式決定する。
超音波検査は奇形や染色体異常の可能性も分かる。母体血清マーカー検査はダウン症など染色体異常を持っている可能性を調べる。
両検査とも分かるのは可能性の有無に過ぎず、健康な子が生まれることも多い。しかし医師の説明が十分でない場合、妊婦が動揺したり不安を感じてしまう。特に妊娠22週未満の妊婦は中絶手術を選択する可能性もある。【藤野基文】
毎日新聞 2011年2月27日 東京朝刊