瀬戸内海の魚が集まる広島には、多くの水産加工品が作られて来ました。その中には、日本で初めて生まれた製品や世界に輸出する製品もあります。
かまぼこ製造が盛んな草津にある「大崎水産」。創業は1928年。1974年に「フィッシュスチック」と呼ばれる棒状のかに風味のかまぼこを日本で初めて開発し、4年後には自動製造ラインを完成。いち早く、世界へ輸出を開始しました。
工場も全国に先駆けて、HACCPと呼ばれるNASAの宇宙食用に開発された食品安全基準を導入し、品質にこだわった商品づくりを行っています。現在、約20カ国に輸出し、去年「モンドセレクション」で金賞を受賞し、世界に品質を認められています。
商品は「フィッシュスチック」の他にも、チーズ入りかまぼこ「さざれ石」や松茸風味の「浜の松茸」など知る人ぞ知るかまぼこの名品を作ってきた会社を紹介します。
呉市広にある「三宅水産」。創業1950年のかまぼこ店です。手作りの蒲鉾や天ぷらなどを作る中、日本で初めて「辛いがんす」を作った会社です。「がんす」は魚の練り物をパン粉で揚げたものです。
低迷する加工業界の中、三宅水産社長の娘、結花さんがいろいろなアイデアを出し、このがんすを売り込みに力を入れています。広島市内のスーパーで自らが行うの店頭販売や、イタリアンレストランとコラボした商品の開発など、新たながんすの可能性を模索しています。
「三宅のがんす」の口コミで人気が広がり、販売数は低迷期の約2倍!現在は呉市の老舗冷麺店などともメニューを共同開発しています。