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振り込め詐欺:初めて100件割る 「なりすまし」は頻発--昨年 /広島

 10年中に県内で発生した振り込め詐欺の発生件数は、04年の統計開始以来、初めて100件を下回る81件だったことが、県警のまとめで分かった。ピークだった05年の1割強で、被害額約4800万円も同年(約7億5700万円)から大幅に減った。一方、警官などを名乗る「なりすまし詐欺」の頻発や、足取りをつかみにくい国際電話の利用など手口は複雑化。県警は一層の警戒をしている。

 県警によると、昨年の被害の内訳は、なりすまし詐欺21件▽架空請求詐欺53件▽融資保証金詐欺7件だった。

 被害が減少した要因には、銀行や携帯電話会社との連携がある。過去に振り込め詐欺に使用された口座と携帯電話の使用を凍結し、被害の拡大を抑えた。振り込め詐欺への認知度が世間で高まったことも要因とみられる。

 とはいえ、警察官をかたる訪問型のなりすまし詐欺の被害は大きく、昨年は県内で12件発生。キャッシュカードや通帳をだまし取ったあと、ATM(現金自動受払機)で現金を引き出すため統計上は窃盗に含まれ、詐欺の被害に算入されないが、県警によると、昨年は約1840万円の被害があった。海外からの国際電話で高齢女性宅に電話をする手口もあった。犯行の様態は巧妙化している。

 金融機関も対策に躍起だ。広島銀行は、ポスターや各支店で注意を呼びかけるディスプレーを表示。挙動不審者やATMで振り込もうとしている人などに積極的に声をかけるなどして、09年4月~10年12月に17件の振り込め詐欺を防止した。三井住友銀行は警察と連携して口座を即時凍結したり、ATMディスプレーでの注意呼びかけなどを続けている。

 県警は「まずは手口を知り、不審な電話があったら周りに相談するかすぐに110番してほしい」と話している。【中里顕】

毎日新聞 2011年2月26日 地方版

 
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