李韓永氏暗殺から14年、墓を移転へ

以北五道民統一東山共同墓地に移葬

 金正日(キム・ジョンイル)総書記の妻のおい、李韓永(イ・ハンヨン)氏が韓国国内で北朝鮮の工作員により殺害された事件(1997年2月25日)から、今月25日で14周年となった。この日、李氏の遺族や都希侖(ド・ヒユン)北朝鮮拉致被害者・脱北者人権連帯代表は「現在京畿道広州の共同墓地にある李氏の墓を、同道坡州にある以北五道民統一東山共同墓地に移し、故・李韓永氏による統一の願いを広く知らせることとした」と発表した。都代表は「李氏が亡くなった当時、家族は経済的に極めて苦しく、墓を斎場に近い場所に建てた」と語った。

 李氏は金総書記の前妻で02年に亡くなった成恵琳(ソン・ヘリム)氏の妹の息子だ。金総書記の長男・正男(ジョンナム)氏とはいとこ同士になる。1961年に平壌で生まれ、モスクワ大学に留学した後、スイスに渡り、82年に韓国の公館経由で亡命した。その後、韓国で整形手術を受け、平凡なサラリーマンとして暮らしてきたが、96年に『金正日のロイヤルファミリー』というタイトルの本を出版し、金総書記一家の豪華な生活を暴露したことで、北朝鮮の標的になった。97年、京畿道城南にある自宅エレベーター前で、北朝鮮の工作員に銃撃され死亡した。

 02年に李氏の遺族は「国家が保護の義務をおろそかにしたため(李氏が)殺害された」として国を相手に訴訟を起こし、大法院(最高裁判所に相当)は国に対し、遺族に9600万ウォン(現在のレートで約698万円)の賠償を命じる判決を下した。

アン・ヨンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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