31日 | (毎日6月1日) 違法添加物が続々 食品衛生法で使用が認められていない添加物を使っているケースが31日、相次いで明らかになった。 ◆総菜3品 食品加工大手の「米久」(本社・静岡県紹津市)の総菜「鍋つみれ」「鶏五目揚げ」「大焼売」の3品は、ミスタードーナツの肉まんと同じ酸化防止剤TBHQ(t−プチルヒドロキノン)が含まれていた。いずれも中国・江蘇省の2工場で製造された。首都圏や近畿のスーパーなどに計約40万個出荷されていた。流通している全品を回収する。 ◆業務用ソース 東京都台東区の食品輸入販売会社「ハインツ日本」は、北米から輸入している業務用ソース「ハインツB・B・Qソース ハニー&ガーリック」「ハインツUSピザソース」の2種類に、日本で無認可の食品添加物ポリソルベートなどが使われていた、と発表した。販売したBBQソース1万2840本、ピザソース1万6452缶の回収を始めた。 ◆香料 茨城県生活衛生課によると、食品添加物製造会社「協和香料化学」(本社・東京都品川区)の茨城工場(茨城県十王町)は、アセトアルデヒドなどを使って香料を製造・出荷していた。違法香料は448品目、出荷先は秋田、高知両県を除く45都道府県の食品メーカーなど約600社。日立保健所は工場の営業を禁じ、違反香料の回収を命じた。 ◆コチュジャン 一方、神奈川県によると、徳山物産(本社・大阪市生野区)が韓国から輸入した瓶詰「大阪鶴橋班家コチュジャン」(唐辛子味噌100g)から食品添加物ポリソルベートが検出され、販売を禁じた。同製品は今年3月、7800本を輸入しており、徳山物産は自主回収を進めている。 | |
31日 | (朝日5月31日) 京都議定書 参院も承認 閣議で批准決定へ 参院は31日午前の本会議で、地球温暖化防止のための京都議定書批准を承認した。議定書の目標達成のための国内制度を定めた地球温暖化対策推進法改正案も可決、成立した。国会の承認を受けて政府は6月4日の閣議で批准を決定し、国連に批准書を寄託する。 寄託から90日後に批准は効力を持ち、政府が目標にしてきた8月末からの「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(環境開発サミット)期間中の批准完了が実現する。欧州連合(EU)も31日までに加盟国すべての批准手続きを済ませるが、ロシアの批准が遅れているため、年内の議定書発効は難しい情勢だ。 改正法は、首相を本部長とする地球温暖化対策推進本部の設置、同本部による京都議定書目標達成計画の策定、地域対策を進めるための市町村レベルの温暖化対策地域協議会の設置、などが柱。 | |
30日 | (日経5月30日) 大湿地帯保護 2億ドルを拠出 フロリダ州で米大統領 再選へ布石との見方 ブッシュ米大統領は29日、フロリダ州南部に広がる大湿地帯(エバーグレーズ)と海岸の保護のために2億3500万jの資金を投じると発表した。同地域で油田開発を計画していた企業から採掘権を買い取り、世界的にも有名な美しい自然環境が破壊されるのを防ぐ。 フロリダ州は2000年秋の大統領選挙でブッシュ氏と民主党のゴア候補が大激戦を繰り広げた選挙区。今回の自然保護策は2004年の再選に向けた布石との見方が出ている。大統領の実弟、ジェブ・ブッシュ同州知事が今秋の知事選で再選を目指しており、公約に湿地帯の保譲を掲げていることも大統領の決定に影響したとみられる。 エバーグレーズは約4万平方`bの面積を持つ大湿地帯で、ワニなど多くのユニークな動植物が生息することでも有名。 ブッシュ大統領はエネルギー政策の柱として、アラスカ自然保護区での油田開発解禁を目指している。フロリダで正反対の政策を示したことについて、環境保護団体などから「アラスカでも同じ政策をとるべきだ」と批判の声が出ている。 | |
28日 | (朝日5月28日) ダイオキシン 排出基準強化 ごみ焼却、509 施設廃止 市町村 解体進まず 市町村が運営する一般廃棄物焼却施設の排ガスに含まれるダイオキシン基準が12月から厳しくなるのに伴い、新基準に適合できないなどの理由で廃止が決まった施設が、4年間で 509 施設にのぼることが朝日新聞社の調査で分かった。全体の約3割を占める。一方、解体作業の安全強化が義務づけられたため解体費用が高騰、廃止施設が野ざらしになるケースが相次いでいる。 4、5月に全国の47都道府県ヘアンケートし、回答を基に集計した。 主に家庭ごみを処理する一般廃棄物焼却族設は97年5月末現在、全国で1641(旧厚生省調べ)あったが、98年12月以降、今年5月までに170施設が廃止された。今後、新基準が適用されるまでの半年間で339族設が廃止され、合わせると509施設にのぼる。 このうち「解体ずみ、解体中」の施設は47。廃止施設の75%に当たる384施設は、まだ解体計画が立っていない。 「解体が進まない理由」を選択方式で尋ねたところ、42都道府県が「解体費用が高額で、自治体の厳しい財政事情の中で予算化することは難しい」を選んだ。 解体費高騰の背景には、国内最悪のダイオキシン汚染を起こした大阪府能勢町の焼却施設解体で、作業員が高濃度のダイオキシンを浴びたことがある。 自治体や業者に厳しい暴露防止対策が義務づけられ、業界では「費用が5倍から10倍になった」といわれる。 | |
28日 | (毎日5月28日) 食を問う/カドミウム汚染 食糧庁 全国データ公表せず 米濃度 97、98年に詳細調査 米のカドミウム濃度の国際的な安全基準が検討されているのを受け、食慢庁は97〜98年、国産米のカドミ濃度を探る大規模な全国調査を行ったが、詳細な結果の公表を拒んでいる。同庁は「公表を前提にした調査でない」と説明するが、カドミ濃度が0.4ppm以上の「準汚染米」が自治体の検査でたびたび発見されており、同庁が毎年実施している小規模な調査で、汚染を十分チェックできないことは明らか。基本的な情報を公開しない同庁の姿勢が問われそうだ。 | |
28日 | (日経5月28日) 京都議定書 EU 31日批准 インドネシアで開催中の環境開発サミット第四回準備会合に参加している欧州連合(EU)議長国スペインの代表団が日本政府代表団に語ったところによると、EUは地球温暖化防止条約・京都議定書を三十一日に批准する。EU代表が同日、アナン国連事務総長に批准の寄託書を手渡すという。 | |
28日 | (朝日5月28日) プラスチックくず 対中輸出急増 リサイクル産業も空洞化? リサイクル原料となるプラスチックくずの日本から中国への輸出が、92〜01年の10年間で40倍以上に増えていることが、このはど閣議決定された02年度版「循環型社会白書」でわかった。 日本が01年に輸出したプラスチックくずは39万2千トン。有効利用されているくずの1割程度で、このうち中国向けはほぼ半分の18万4千トンにのぼる。92年は輸出量が6万8千トン、中国向けが4千トンだった。 プラスチックくずは再生しやすい原材料として国際的に流通している。 リサイクルは成長産業とされ、中国では03年までに天津、上海など、沿岸部5カ所に工場を集積させる計画がある。日本からの機械輸出も試験的に始まっている。 日本でも、97年に約12兆円、雇用規模32.5万人だったリサイクル市場は、10年には18兆円、40万人になるとの推計がある。しかし、このまま中国への移行が進めば、製造業と同様、空洞化が生じる懸念があると環境省はみている。 | |
28日 | (日経5月28日) オゾン層が40年後復活 国立環境研など予測 紫外線から生物を守るオゾン層に南極上空で穴が開く「オゾンホール」は、フロンガス規制の効果で2040年ごろには発生しなくなる−−。こんな予測を国立環境研究所の永島達也研究員、東大気候システム研究センターの高橋正明教授らがまとめ、近く論文を米地球物理学連合の学会誌に発表する。 オゾン層は、フロンガスなどに含まれる塩素によって壊される。フロンガスの普及につれオゾン層破壊が深刻化、1980年代から南極上空でオゾンホールが発生するようになった。地球温暖化が進行すると、成層圏のオゾン層では地表付近と逆に気温が下がるため、オゾン層の破壊は長引くとの見方もあった。 永島さんらは、現在のフロンガス規制と並行して温暖化が進むという条件で、オゾン層がどう変化するかをコンピューターで詳細に予測した。南極のオゾン量は今後15年はど横ばいを続けた後、2030年代後半に急増。40年ごろにはオゾンホールは発生しなくなるという結果が出た。 今回の結果は、温暖化による大きな影響は否定する内容。永島さんは「オゾン層を左石するのはフロンガス」としている。 | |
27日 | (日経5月28日) 「温暖化に関心」76% 「環境状況悪化」53% 環境省調査 環境省は27日、持続可能な社会への取り組みを自主的、積極的に推進することを求めた「環境基本計画」の一環として、全国3000人を対象に実施したアンケートの結果をまとめた。 環境問題の関心は「地球温暖化」が76%と最も高く、日本の環境が悪化していると感じる人が53%に上るなど危機感が表れる一方、「緑化運動」「美化運動」など、環境保全活動の参加経験者は5人に1人にとどまった。 アンケートは今年2月から3月、全国20歳以上の男女3000人を対象に行われ、有効回答は1248人(回答率41.6%)。同様の調査は1998年以来。 「関心のある環境問題」(選択式)を聞いたところ、「二酸化炭素増加による地球温暖化」が76.2%でトップ。98年調査と比べ11.4ポイント増加した。「オゾン層の破壊」(60.4%)、「廃棄物の不適正な処理」(543%)と続いている。 環境保全行動を見ると、「環境保護団体への寄付」や「地域の美化活動」など、積極的な参加は約2割にとどまった。 | |
27日 | (朝日5月28日) 有機飼料に除草剤 ドイツ 【フランクフルト 27日=共同】ドイツ政府は27日、鶏などの有機農産品の肥育農家向けに出荷された飼料用の有機小麦に、発がん性物質が混入されていた疑いの強いことを明らかにした。有機生産農家は卵や鶏肉などの自主回収を開始、検察当局は詐欺容疑などで飼料業者への捜査を始めた。 これまでの政府などの調査では、鶏や七面鳥を肥育する農家向けの有機小麦の栽培過程で、欧州連合(EU)が禁止する除草剤が使用されていた疑いが強いことが判明した。 | |
27日 | (日経5月28日) ダイオキシン 4〜5日で分析 川鉄、抽出簡素化で期間短縮 川崎製鉄は27日、ダイオキシン類を従来の半分の期間で分析する技術を開発したと発表した。サンプル中のダイオキシン類を抽出する方法を簡素化したのが特徴で、他社にも販売する。 新技術はサンプルから毒性のある物質を取り出す工程で使う。複数の薬剤を入れた一本のガラス管にサンプルを流し込み、管内にダイオキシン以外の物質を固定。毒性のあるダイオキシン類だけを連続的に分離することができる。 日本工業規格(JIS)に基づく従来の分離抽出方法では、サンプルを溶かす工程が複数あった。この工程だけでクロマトグラフ(分離・分析装置)で2回処理する必要があり時間がかかった。新技術では分析作業全体で10日ほどかかった期間が4〜5日に短縮する。 | |
27日 | (毎日5月27日) 30年後、哺乳類の1/4が絶滅? 国連環境計画が白書公表し警告 【ワシントン共同】各国が環境と開発に関する政策を大転換しない限り、30年後には地上の土地の70%が乱開発の影響を受け、ほ乳類の種の4分の1が絶滅する可能性があるなどとした「地球環境白書」を、国連環境計画(UNEP)が22日、発表した。 白書は、水資源不足や貧富の差の拡大、感染症のまん延などによって世界が不安定になると警告。「地球は今、環境と両立する持続可能な開発を実現できるかどうかの岐路に立っている」と指摘した。 白書の発表はこれが3回目だが、今回はコンピューターで、30年後の地球環境を予測したのが特徴で、予測には日本の国立環境研究所が参加した。 白書によると、道路や橋などのインフラ建設が、現在のように計画性なく進み続けると、30年後には世界の土地の70%が、乱開発や無秩序な都市の拡大によって劣化。 既に鳥類は全体の12%に当たる約1200種、ほ乳類は4分の1に当たる1130種が絶滅の危機にひんしているが、乱開発が原因の森林破壊や環境汚染によって、30年後これらの多くが絶滅する危険が高まる。 | |
27日 | (日経5月27日) クローン動物 短命の一因 性染色体に異常 国際グループ 遺伝子を研究 クローン動物は生まれても大半がすぐに死んでしまうが、この一因が性染色体にある遺伝子の働きの異常にあることを、米コネティカット大学や鹿児島県肉用牛改良研究所(同県大隅町)などの国際研究グループがクローン牛の調査で突き止め、27日付の米科学誌ネイチャー・ジェネテイクスで発表した。 動物の通常の生殖では、卵子にX、精子にXまたはYの性染色体があり、受精によってXXの組み合わせになると雌、XYになると雄が生まれる。X染色体が2本の場合は、含まれる遺伝子が片方の分だけ働く。 これに対し、クローンは末受精卵から染色体の入った核を取り除いた上で、性染色体が既に2本そろった皮膚などの細胞核を移植し、母胎に戻すことで生まれる。 研究グループが出生直後に死んだ5頭の雌クローン牛から心臓、肝臓、脾臓.(ひぞう)、血液の細胞を採取し、X染色体にある10種類の遺伝子の働きを調べたところ、9種類の遺伝子が臓器によっては全く働いていないなど異常を起こしていた。 これは、胚(はい)からいったん皮膚などに分化した後の細胞核を未受精卵に移植したため、遺伝子が通常の発生初期の状態に完全には戻っていないのが原因と考えられ一るという。 | |
27日 | (日経5月27日) 環境開発サミット準備会合 「地球」や「貧困」合意目指す 地球環境や貧困問題について話し合う「持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境開発サミット)」の第4回準備会合が5月27日〜6月7日、インドネシアのバリ島で開かれる。 8〜9月に南アフリカで開かれるサミット本番に向けた最後の準備会議となる。 同サミットは約190カ国から首脳級が集まる。1992年にブラジルでの地球サミットで作成した環境行動計画「アジェンダ21」の実施状況を検証する。準備会合は、サミットに向けて環境や貧困への取り組みを示した「世界実施文書」をまとめる予定だ。 同文書は3月末の第3回準備会合(ニューヨーク)で合意するはずだったが、森林保全や地球温暖化などで各国の意見が一致せず、持ち越された。終盤の6月5〜7日には各国の環境相らが集まって議論するが、先進国と途上国が対立しており合意は容易でない。 世界実施文書草案の主要テーマ ・貧困の撲滅 ・持続的でない消費形態の変更 ・天然資源の保全と管理 ・グローバル化した世界での持続可能な開発 ・健康と持続可能な開発 ・小島しょ国での持続可能な開発 ・アフリカでの持続可能な開発 | |
27日 | (毎日5月27日) 農薬等残留”検査命令”急増 特定国食品輸入禁止へ 厚労省 法改正の方針 国の基準を超える農薬や抗生物質が残留している疑いの強い食品の輸入元に対し、厚生労働省が厳重チェックを義務付ける「検査命令」が急増している。今年既に10件(自主検査2件を含む)にのぼり、昨年1年間の11件に並ぶペース。このうち8件が中国産食品だ。厚生労働省は「水際で防ぐのは、もう限界」と判断し、特定国の食品を輸入禁止にできるよう、食品衛生法を改正する方針だ。 厚労省によると、2月と4月に中国産養殖ウナギから、国内で使用が禁止されている合成抗菌剤のスルファジミジンが検出されたのをはじめ、今年になって中国産野菜5品(大葉・パクチョイ・ケール・ニラ・ホウレンソウ)、フィリピン産オクラと台湾産のセロリに基準違反が見つかり、各輸入元に検査命令が出された。命令を受けると、輸入元は自費で厚労省指定の検査を受け、違反がないことを証明するまで食品を販売できない。 さらに、食品衛生法施行令で検査命令の対象とされていない中国産の2食品(ハチミツと下ゆでホウレンソウ)からも、抗生物質のストレプトマイシンなどが検出され、同省は輸入元に自主検査をするよう指導している。 中国側の調査によると、同国で昨年流通した野菜の50%近くで残留農薬が安全基準を超え、多数の中毒患者が発生している。 | |
26日 | (毎日5月26日) 食を問う/カドミウム汚染 「準汚染米」一部市場に 国チェック体制甘く 食用に流通しないよう国が買い上げている米と同程度のカドミウムを含む米が、東京都内の卸業者などの倉庫でたびたび発見されている。これらの米は出荷を停止されるが、一部は調査結果が判明する前に流通しているという。調査対象外の米に含まれるカドミ米もそのまま流通し、消費者の口に入っているとみられる。国が米のカドミウム濃度の安全基準の強化を打ち出したことで、カドミ米の検査体制が改めて問われそうだ。 米に含まれるカドミウム濃度の安全基準は、食品衛生法で「1ppm未満」と定められ、基準を超える「汚染米」は自治体が全量買い上げて焼却している。0.4ppm以上の米も「準汚染米」として国が買い上げ、工業用ののりの原料などに回している。00年産米では汚染米はなかったが、準汚染米は2167トンを約5億円で買い上げた。 しかし、国の検査は、約170万戸の稲作農家がつくる米から、過去にカドミ汚染が確認された地域を中心に約500サンプルを抜き取るだけで、全量をチェックする体制にはない。 | |
25日 | (日経5月26日) 建設廃棄物 18年後に1億トン 国交省2002年度予測 東京ドーム60杯分 再資源化の徹底急務 ビルやマンションなどの解体や土木工事から出る建設廃棄物は、2020年度には東京ドームの60杯分に上る約1億300万トンにもなることが25日までに、国土交通省の予測で分かった。 コンクリートや木材など建設廃材の分別解体と再資源化が義務付けられる建設リサイクル法が30日に本格施行されるが、解体工事に伴う排出が大きく増えることから、建設業界でどれだけ再資源化が徹底されるかが、ごみ減量に向けた課題となる。 | |
25日 | (毎日5月25日) ユーゴ 環境汚染 浄化進まず NATO空爆 悪性物質拡散 経済再建を優先 【ウィーン】コソボ紛争時の北大西洋条約機構(NATO)による化学工場空爆で環境汚染被害を受けたユーゴスラビアが、今も汚染浄化のめどを立てられないでいる。経済復興が進まない中、環境対策の優先順位は低く、汚染状況は悪化している。 ユーゴの環境汚染は、社会主義政権時代の産業振興優先策と、ミロシェビツチ政権時代の西側による経済制裁の影響からすでに悪化していた。これに加え99年春の空爆で首都ベオグラード北30`のパンチェポ、北部ノビサド、中部クラグエバツ、東部ボルの化学コンビナートや石油精製施設が爆撃され、パンチェボからは悪性化学物質2000トンを含んだ黒煙が首都一帯に押し寄せるなど、大規模汚染が一挙に進んだ。 00年11月に発足した新政権は、将来の欧州連合(EU)加盟を見据えて、環境浄化を重視。しかし環境保護基準を厳格に適用すれば、多くの工場が操業停止に追い込まれかねない。失業率30%で経済再建が優先され、環境保護は後回しにされがちなのが現状だ。 西側の環境調査機関が、世界各地の大気汚染の浄化水準や廃棄物・下水の処理レベルを総合的に数値化したデータによると、最高のカナダ・カルガリーの166ポイントに対し、ベオグラードは53ポイント。この数値は他の東欧諸都市に比べても低く、世界で最も汚染対策の遅れた都市となっている。 | |
日 | (朝日5月24日) 環境・経済、両立を模索 環境白書閣議決定 循環型社会へ3案示す 政府は24日の閣議で、02年度版「環境白書」と「循環型社会白書」を決めた。環境白書は、初めて経済と環境の問題に正面から取り組み、「環境対策は長期的には経済にプラス」と強調。昨年創刊された「循環型社会白書」は、将来の社会像を3通り示し、それについて国民の意見を求める「双方向性」を打ち出した。 地球温暖化防止のための京都議定書への産業界の抵抗や、8、9月に聞かれる環境開発サミットを意識した「環境白書」は、環境と経済の両立を模索。環境対策を重荷とみる企業が多い中、環境ビジネスの発展により、雇用創出や市場拡大が可能なことを示そうとしている。 「循環型社会白書」は、資源やエネルギーを効率よく使い、ごみを減らしてリサイクルをする社会にするために、三つのシナリオを作り、どれを選ぶべきか国民に問いかける。広く議論してもらうのが狙いだ。 シナリオは、A=技術開発を進め大量生産、大量リサイクル▽B=ライフスタイルを変えて消費を減らす▽C=環境への負荷が少ないIT(情報技術)産業などを社会の中心にして経済成長を目指す。 | |
23日 | (毎日5月24日) ダイオキシン数値公表を要請 神奈川県など 神奈川県と相模原、座間の両市は23日、在日米陸軍司令部キャンプ座間のごみ焼却炉排煙に含まれるダイオキシン検出問題で、外務、環境両省や防衛施設庁と、同軍に対し要請を行った。 要請では、環境関連法令などに準じて施設の必要な点検や維持管理を行い、各種基準を順守するとともに、結果の提供▽一部で報道されたダイオキシンの数値と測定方法の公表−の2点を求めている。 また、県や市が、国、米軍に環境問題で問い合わせをした際、「米軍は日本環境管理基準(JEGS)に基づき安全かつ適切に環境管理を行っている」 との説明を受けるのが通例という。県と両市の担当者は、非公開のJEGSの内容を公表することも要望した。 これに対し、政府側の担当者は「日米地位協定に基づく日米合同委員会の環境分科委員会で協議する内容」と返答。同軍渉外部担当者は「上司に伝える」と述べるにとどまった。 一部の報道機関が、99年から01年までの間、同焼却炉から出る排煙から日本の環境基準(80ナノグラム)を最大で約4倍上回るダイオキシンが検出されていたと報じていた。 | |
22日 | (毎日5月23日) 大気から高濃度ダイオキシン類 川崎の公園施設付近 神奈川県川崎市は22日、同市麻生区の公園施設「健康とふれあいの広場」付近の大気中から、国の環境基準の5倍にあたる高濃度のダイオキシン類が検出されたと発表した。同広場は、今年3月の水質調査で基準値の200倍にあたるダイオキシン類が検出された廃棄物処理施設から約180bの場所にある。市は施設の焼却灰の保管方法などに問題があるとみて、施設を運営する建設会社に焼却炉の一時停止命令を出すことを決めた。市によると、今年4月の調査で1立方bあたり2.9〜3.0ピコグラム(環境基準は0.6ピコグラム)のダイオキシン類を検出した。 | |
22日 | (日経5月23日) 土壌汚染対策法が成立 浄化ビジネス本番 土壌汚染対策法が22日の参院で可決、成立した。来年1月1日の施行で、再開発する土地の汚染調査や安全対策を義務付ける。海外への生産移転で増加する工場跡地の宅地化などで健康被害を防ぐ。産業界では法施行をにらみ、大手企業が相次ぎ汚染対策ビジネスに乗り出している。工揚を持つ企業の間では、1997年に東芝の名古屋分工揚内で地下水汚染が発覚し大きな社会問題となったのを機に、すでに自主的な汚染調査の動きが広がっている。 栗田工業や新日本製鉄、三菱重工業、清水建設といった企業は調査や土壌浄化など安全対策を請け負うビジネスに参入した。浄化では化学品や微生物を使い、汚染物質を取り除く手法が一般的だ。土壌汚染関連の市場規模は昨年度で約500億円に達した。法施行により需要増が見込まれ、2005年度には2000億円にまで膨らむとされる。 | |
22日 | (毎日5月22日) カドミウム コメ安全基準 強化へ 厚労省方針 低濃度でも障害 厚生労働省は、富山県神通川流域で発生したイタイイタイ病をきっかけに設けられた米のカドミウム濃度の安全基準(1ppm未満)を強化する方針を固めた。同省は「現行基準でも問題はない」としているが、食品の国際規格を決める国際機関「コーデックス委員会」が初の基準を「0.2ppm」とする方向で検討しているため、改定は避けられないと判断した。見直しは70年10月の制定以来初めて。国内外で低濃度のカドミウムによる健康影響を示すデータが公表されており、研究者からは厳格な基準を求める声が上がっている。 現行基準は、食品衛生法に基づき、カドミ濃度が1ppm未満の米だけを安全としている。基準を超えるカドミ米は自治体が買い上げて焼却し、これとは別に0.4〜1ppmの米も「消費者感情に配慮する」として食糧庁が買い上げ、工業用原料に回している。 しかし、80年代以降、低濃度のカドミウムの健康影響を示す研究結果が国内外で相次いで出された。 千葉大医学部の能川浩二教授(衛生学)らが、富山、石川県の鉱山下流のカドミウム汚染地域で、60〜80年代に数千人規模で行われた三つの健康調査の結果を分析した結果、食べている米のカドミ濃度が0.1ppm付近を超えると、腎臓に障害が出る率が高くなっていた。67〜71年に神通川流域に住む50歳以上の女性598人を対象にした調査データを、能川教授が分析した結果、0.3〜0.49ppmの米を食べていた258人の7%がイタイイタイ病の認定患者で、22%は腎臓障害の症状がみられた。 能川教授らのデータを踏まえ、コーデックス委員会は「0.2ppm以下」を安全とする案をつくった。同委員会は国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の下部機関で、その基準は、世界貿易機関(WTO)が各国の安全基準が非関税障壁となっているかどうかを判断する際の指標になる。 | |
22日 | (朝日5月22日) 京都議定書承認 前向き企業も 日経連会長が歓迎 経団連は「遺憾だ」 地球環境の悪化を食い止めるための国際ルール「京都議定書」の批准が21日、衆院で承認された。議定書が日本に義務づける温室効果ガスの90年比6%削減には抵抗や困難な道のりが予想されるが、産業界、市民には新しい動きもみえる。 「温暖化防止は先進国が一致協力して取り組むべき課題で、衆院の承認は歓迎すべきだ。ただ、米国の参加に向けて努力してもらいたい」。日経連の奥田碩会長(トヨタ自動車会長)は21日、議定書を歓迎する談話を発表した。 奥田氏は28日、経団達と日経連が統合する日本経済団体連合会の初代会長に就任する。環境志向を売り物にするトヨタの経営者という特徴が早くも出た形だ。 とはいえ、経済界の総本山の経団連は依然、後ろ向きの感が強い。今井敬会長(新日本製鉄会長)は同日、「衆院外務委員会でのわずか3時間の審議のうえ、今後の国際交渉に関する決議もつけることなく採決したのは極めて遺憾だ」との談話を発表。「米国の参加と負担の公平が確保されるよう一段の外交努力を求めたい」と強調した。 日本のCO2排出の3割を占めるのが家庭、事務所の民生部門。政府は省エネ性能の高い家電製品や給湯器などの普及と、国民の自主的な努力に期待する。だが、「一つの部屋でだんらん、というような暮らし方の変更は簡単ではない」と、環境省幹部。 日本生協連合会の担当者は「生活スタイルを変えるのは正確な情報。どこを減らすかは個人の選択。だが、情報が足りない」と指摘する。同連合会はモニター世帯の家電製品ごとの電力消費とガス消費を調べている。今夏までの1年間の結果を公表し、それぞれにあった見直しを促す。 | |
21日 | (日経5月22日) ホウレン草 中国産から禁止農薬 厚労省、廃棄・積戻し指示 厚生労働省は21日、中国から輸入したホウレン草から国際的に製造や使用が禁止されている農薬「デイルドリン」を検出したと発表した。このホウレン草は加熱後に冷凍した食品で、同省は食品衛生法に基づき、同じ積み荷計6トン分の廃棄や積み戻しを指示した。同省は「今回検出した濃度では健康に影響はない」とみている。 中国産のホウレン草をめぐっては、4月下旬に民間団体が都内のファミリーレストランで調理されたホウレン草ソテーから同じ系統の禁止農薬「エンドリン」を検出したため、同省は検査態勢を強化していた。加熱後に冷凍した中国産のホウレン草は昨年計約5万トン輸入している。同省によると、デイルドリンなどは難分解性の農薬で、使用後10年しても土壌に残留するという。 | |
21日 | (毎日5月22日) 尾瀬の特別保護地区内 携帯アンテナ設置断念 ドコモ NTTドコモは21日、日光国立公園・尾瀬への携帯電話エリア拡大計画で、特別保護地区内の尾瀬ケ原と尾瀬沼への基地局(アンテナ)設置は断念したと明らかにした。だが凍結していた入山口の鳩待峠と大清水での計画は、地元の意向を受けて当初の設置方針に戻り、近く工事を再開する。エリア拡大をめぐっては群馬県が4月、「着信音などが自然景観、風致を損ねる懸念がある」と見直しを要望。これを受けてドコモは、既に始まっていた入山口ヘの光ファイバー架設工事などをいったん凍結していた。 | |
21日 | (毎日5月21日) 自動車リサイクル法案 料金受け皿なお不透明 巨大法人が必要に 所有者負担に異論も 廃車の再資源化を義務付ける「自動車リサイクル法案」が国会に提出され、近く審議が始まる見通しだ。不法投棄を防ぐために前払いで所有者からリサイクル料金を取る初の試み。総額1兆円以上が集まる巨大な仕組みが誕生するとみられるが、料金やその受け皿は法案には何も書かれておらず、不透明なまま。メーカー責任を打ち出すヨーロッパと対照的に、所有者に負担をさせる法案の考え方にも十分な議論が必要だ。 法案の最大の特徴は、所有者がリサイクル料金を前払いすることだ。料金は法成立後に自動車メーカーが車種ごとに独自に決めるが、2万円前後になる見込み。徴収した金は一つの法人に集められ、管理する。現在、国内には約7000万台の車があり、仮に1台2万円で計算すると、1兆4000億円が集まることになる。 昨年4月施行の家電リサイクル法で初めてリサイクル料金の負担を消費者に求めたが、後払い方式だったため、結果的に不法投棄を招くことになった。今回はその反省から考えられた。 リサイクル問題に詳しい富士常葉大学の松田美夜子助教授は「前払い方式は大きな前進。これで不法投棄はなくなるはずだ」と評価する一方、「徴収した料金を管理する法人が巨大になり、ガラス張りの運営ができるか気がかり」と指摘する。 | |
21日 | (毎日5月21日) 石綿被害 遺族が全面禁止陳情 厚労省担当者、鈍い反応 石綿(アスベスト)被害により家族を失った遺族ら26人が20日、石綿使用の全面禁止を求めて厚生労働省へ陳情に訪れたが、対応した労働基準局の係長が禁止の検討状況を「4月に担当になったので内容は分からない」などと述べたため、遺族側から「人の命をなんだと思っているのか」「バカにしている」と怒りの声が上がる一幕があった。 陳情は石綿対策全国連絡会議(事務局・東京)が主催し、造船工場などで勤務時に石綿を吸い、がんの一種の悪性胸膜中皮腫を発症して死亡した会社員の妻や娘らが参加した。 厚労省は3月、石綿使用の全面禁止について他省と実務者レベルで協議している。陳情では、遺族側から協議の内容や参加メンバーについて質問が相次いだ。しかし、対応した係長は「4月に担当になり、(協議を)行ったことは(前任者から)引き継ぎを受けたが、具体的な内容は分からない」などと回答。同席していた4人の職員も答えられず、急きょ別の係長が説明に訪れたが、明確な答えはなかった。 連絡会議の古谷杉郎事務局長は「こちらが聞きたいことは事前に伝えていたのに残念だ」と話している。 | |
21日 | (朝日5月21日) 消費者保護基本法 内部告発者保護へ 内閣府が改正方針 「団体訴権」検討も 食品の偽装表示などの悪質行為が多発していることを受けて、内閣府は消費者保護基本法を改正し、内部告発者を守る「公益通報者保護制度」の導入を盛り込む方針を固めた。個人に代わって消費者団体が裁判を起す「団体訴権」の制度化も目指す。ただ、産業界からは負担が大きくなるとして、反対意見が出そうだ。 6月半ばの国民生活審議会総会にはかり、来年5月に報告書をまとめ、04年の通常国会にも法律の改正案を提出する考えだ。68年の制定以来の大きな改革になる。 公益通報者保護制度は、企業の不正行為を内部告発した場合、告発者が企業から解雇や配転といった雇用上の不利益や、損害賠償請求を受けないよう保護する措置。米国や英国が導入しており、日本では原子炉等規制法で内部告発者を保護する規定を設けている。 自動車メーカーによるリコール隠しや食品の偽装表示問題の多くは内部告発で発覚しており、早期の制度化を消費者団体などが求めている。 国が認定した団体が個人に代わって裁判を起す団体訴権は、消費者団体が市場の監視役となり、企業の不正行為の抑止力とするねらいだ。 | |
20日 | (毎日5月20日) 環境・開発サミット あと3カ月 「実施文書」策定ヤマ場 先進国と途上国 資金援助で対立
今月27日からインドネシア・バリ島で開かれる最後の準備会合で、国連事務局は文書案の基本合意を目指しており、経済のグローバル化や途上国への資金援助、地球温暖化防止のための京都議定書の取り扱いなどをめぐり、各国の事前の綱引きがヤマ場を迎える。 | |
18日 | (日経5月19日) チップスなどに発がん物質含有 英食品基準局が警告 〔ロンドン-共同〕18日付けの英各紙によると、英食品基準局は17日、油で揚げたり焦がしたポテトやポテトチップス、ライ麦の硬いビスケットなどに、動物実験でがんや遺伝子変異、神経組織損傷などを引き起こす恐れがあるとされる物質アクリルアミドが、国際基準の最大1280倍という極めて高レベルで含まれている、と警告した。 スウェーデンの科学者が先月明らかにした研究結果を裏付けた。今後、欧州連合(EU)や世界保健機関(WHO)で詳しい検討が行われる。 アクリルアミドの研究はまだ緒に就いたばかりだが、オーブンやグリルで焼いた食品やバーベキューの肉などにも含まれているとみられる一方、生や煮込んだ食品にはないと考えられている。 同局の専門家は、こうした危険は今突然始まったものではないとし、さまざまな果物や野菜を含むバランスの取れた食事を呼び掛けた。 | |
17日 | (毎日5月19日) 温暖化ガス削減第2約束期間をめぐる 05年の交渉も米不参加 【ワシントン共同】米政府は、地球温暖化をもたらす温室効果ガス排出削減のための第2約束期間(2013年以降)の目標について話し合うため、05年から始まる国際交渉に、一切参加しない方針を決めた。政権に近い複数の関係者が17日、明らかにした。ブッシュ大統領が温暖化政策の見直し期限を12年に設定していることなどが理由で、米国の政策転換が望み薄であることが改めて明らかになった。 | |
17日 | (毎日5月18日) 県境越えごみ協力 佐野の2割、太田市が処理 12月から 栃木県佐野市の可燃ごみのほぼ2割を、群馬県太田市が12月から受け入れて処理することが、17日明らかになった。佐野市では清掃センターが老朽化し、同月から強化される国の新ダイオキシン類排出基準を達成できず、ごみ全量の外部委託を迫られていた。県境を越えて協力するのは異例で、環境省は「聞いたことがない」と話している。 両市は隣接していないが、県境をはさみ栃木県足利市や群馬県館林、桐生市などと合わせ「両毛」と呼ばれる地域。つながりが深く、合併構想も浮上している間柄だ。 | |
18日 | (毎日5月18日) ベトナム戦争で米軍が散布 枯れ葉剤被害の子供支援へ 市民団体が連携、基金設立 ベトナム戦争(1950年代末〜75年)で、米軍はダイオキシンを含む除草剤を森林地帯に大量に散布した。森林を枯らすことで、攻撃をしやすくするためだった。 愛媛大学や米国の研究者が、戦争後に生まれた人のダイオキシンの血中濃度を調査した結果、枯れ葉剤が散布された地域では、されなかった地域に比べ杓3倍高かったことが報告されている。また、米科学アカデミーの医学研究所は昨年、枯れ葉剤敷布に従事した軍人の子供に白血病を発症するケースが多いとの報告書を発表している。 市民グループ「止めよう!ダイオキシン汚染・関東ネットワーク」の石沢春美さんら4人は昨年7月、枯れ葉剤がまかれたホーチミン市周辺などを訪れ、退役軍人の子供らにも会った。 ベトナム赤十字社によると、両親が枯れ葉剤を浴びたために、15万人以上の子供が奇形や免疫疾患などに苦しんでいるという。しかし米政府は、枯れ葉剤が人体に与える影響について、因果関係が立証されていないという立場。救済措置は進んでおらず、十分な治療を受けられない子供も多い。 石沢さんらは帰国後、支援運動に向け準備を進め、約10の市民団体が中心になり「ベトナム枯れ葉剤被害児支援基金」(俗称こぶた基金)を今年4月に結成した。 最初の活動として、ベトナム赤十字社が昨年、制作した枯れ葉剤被害のドキュメンタリービデオ(30分)の日本語字幕版をつくった。このビデオを3000円で販売し、利益の約2000円を基金に回し、ベトナム赤十字社に支援金として送る。 ビデオの購入希望や寄付の送り先は〒202−0004東京都西東京市下保谷3の17の22 石沢春美さん(TEL 0424-22-5188ファクス兼用)。郵便振込口座は00140-9-158669、口座名はこぶた基金。 | |
17日 | (日経5月17日) 光触媒で土壌など浄化 用途拡大へ産学連携 東大・TOTO・クボタなど 2-3年で事業化 光が当たると周囲の汚れを分解する「光触媒」を工場跡地の汚染土壌の浄化など大規模な環境改善に役立てるため、産学の研究プロジェクトが動き出す。光触媒の市場は建材向けなど300億〜400億円だが、潜在的な市場規模が1兆円近くとされる環境浄化への用途拡大を目指す。 「太陽光を利用する環境改善プロジェクト」を始めるのは東京大学先端科学技術研究センターやTOTO、松下電工、クポタなど。東レ系やJR系の商社やテント材トップメーカーの太陽工業も参加する。 プロジェクトリーダーの橋本和仁東大教授らは、半導体工場の洗浄工程で使われていた有害な有機塩素を酸化チタン光触媒で完全に分解できることを実験で確認。光触媒を張り付けたシートを使って土壌中の有害物質を分解する実証試験を今夏、工場跡地で開始する。 プロジェクトでは光触媒による建物の冷却システムの試験にも取り組む。光触媒は光を当てると水を強く引きつける性質がある。屋根や窓ガラスに使うと水が薄く均一に張り巡り蒸発、熱を奪うので夏場の冷房エネルギーを大幅に節約できるという。今月、武蔵野美術大学彫刻棟の屋根に光触媒パネルを設置、省エネ効果などを検証する。 いずれの新用途についても二、三年以内に実用化のメドをつけ、参加企業や大学がベンチャー企業や非営利組織(NPO)を発足して事業化を進めるとしている。 | |
16日 | (日経5月17日) 杉並区 レジ袋削減協定 キャンペーンや目標設定 東京都杉並区で官民が連携してレジ袋削減に取り組む「杉並区レジ袋削減推進協議会」が16日発足した。広く区民を巻き込んでチラシ配布などのキャンペーンを展開するほか削減目標を決める。 協議会には区のほか都税事務所や区内の商工業、町会、女性・消費者団体、環境関連団体、学校など合わせて33団体・事業所が加盟し、区民にも参加を呼び掛ける。 区はレジ袋使用に課税するすぎなみ環境目的税(レジ袋税)条例を成立させたが、レジ袋削減が進めば実際の徴収は見送る方針で、協議会はそのための具体的な削減目標を定める。6月と12月の2回、区内100店舗以上の小売店・スーパー店内で買い物袋の持参率を調査して判断材料にする。区は区民生活部を窓口に協議会会員の公募を始めた。 | |
16日 | (朝日5月16日) 『百年の森』でCO2削減 「皆伐せず」所有者と協定 林野庁方針 地球温暖化対策として林野庁が03年度から始める森林整備の10カ年計画の骨格が固まった。温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)を吸収し続ける「百年の森」づくりが柱。また、多様な生物を確保するために針葉樹と広葉樹を交える針広混交林を育て、花粉症対策としてスギを間引きすることも盛り込む。森林整備の重点を単なる「木材の生産」から、環境、生活、雇用を巻き込んだ「多面的機能の発揮」へ抜本的に改める政策転換と位置づけている。 温暖化防止をうたった京都議定書では、森林のCO2吸収機能に着目し、森林整備もCO2の削減量に換算することが認められている。3月に決まった政府の地球温暖化対策推進大網で定められた森林分の目標(全体で90年比削減6%のうち3.9%)を実現するには、従来の1.3倍の森林整備を進めなくてはならない。 「百年の森」は、国が森林所有者と「一定期間内は樹木をすべて伐採しない」といった協定を結び、多様な樹齢の木が混在する「復層林」を育てる。伐採期を迎えた森林の皆伐・放置を防ぐため、循環的、持続的に利用できるよう補助金などで誘導する。 ただ、事業量が1.3倍になると、単純計算では1千億円程度の規模で予算が増えることを踏まえ、今月中に計画の詳細を詰める。 これまで林野事業については、非効率性や林道整備による自然破壊が批判されてきた。林野庁は森林整備の多面的な効用を訴え、林道の簡素化など効率化の姿勢を示して支持を得たい考えだ。 | |
15日 | (毎日5月16日) 地球環境温暖化で活動域減少、化学物質の悪影響・・・ホッキョクグマ 生存赤信号 WWFが報告書 地球温暖化に伴う活動域の減少と有害な化学物質の影響で、ホッキョクグマの生存が脅かされているとの報告書を世界自然保護基金(WWF)が15日、公表した。陸上で最大の肉食動物であるホッキョクグマは、現在2万頭以上生息している。北極圏の「生態系ビラミッド」の頂点にあり、その生存が脅かされていることは地域の生態系全体の悪化を示している。 北極圏の平均気温は100年間で5度も上昇した。地球全体の気温上昇の約10倍に当たり、海域によっては海氷面積が30%以上減った。ホッキョクグマは氷の上を移動してアザラシや魚を捕獲しており、報告書は「海氷が解けるのが1週間早くなると、ホッキョクグマはエサを食べる機会が奪われ、体重が約10`落ちる」と指摘した。 ノルウェーは約2000頭のホッキョクグマが生息するが、体内から高濃度のPCB(ポリ塩化ビフェニール)が検出されたり、ペニスのある奇形のメスが1.5%の割合で見つかり、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)の影響が疑われている。 | |
15日 | (毎日5月15日) 日弁連が原発中止の意見書 中国電力が建設を計画している上関原発(山口県上関町)について、日本弁護士連合会は15日、建設中止を求める意見書を発表した。建設地は01年の芸予地震のような過去の大地震の発生地域に近く、地震の被害に遭う危険性があることや、環境省のレッドデータブックで絶滅の恐れのある種に指定されているイワレンゲなど、貴重な動植物の保全の観点から問題だと主張している。 | |
日 | (朝日5月14日) トルエン・シンナー・弾頭・注射器・・・裁判所が「不法投棄」 26施設内の敷地内に 押収物埋める 全国の26の裁判所施設で刑事事件や少年事件の押収物を廃棄処分する際、一部を敷地内に埋めていたことが14日、最高裁経理局の調べでわかった。人体に有害なトルエン、シンナーのほか、発射後の弾頭、注射器、包丁、鉄パイプなどが含まれており、廃棄物処理法に違反する「不法投棄」のおそれもあるという。最高裁は、ずさんな処理を深刻に受け止め、「誠に遺憾だ。今後は法令に従った適切な処理を指導する」と説明している。 | |
13日 | (毎日5月13日) 生物多様性条約 初の森林保全作業計画 問われる違法伐採対策 木材輸出国が反発 世界の森林が減少を続けている。途上国での違法伐採や森林火災の多発などが原因だ。このため、4月にオランダ・ハーグで開かれた生物多様性集約第6回締約国会議では、森林保全の作業計画が初めて採択された。だが、一部の環境NGO(非政府組織)は「木材輸出国の反対で計画は骨抜きになった」と批判、8月に南アフリカ・ヨハネスブルクで開かれる「環境・開発サミット」で強力な森林保護対策を打ち出すべきだと主張している。 計画の策定作業で問題となったのが、違法伐採の取り扱いだ。途上国などでは、違法伐採が横行し、木材が低価格で先進国に輸出されている。日本は世界第2の木材輸入国で、国内の木材使用量の8割に当たる約8,000万立方bを東南アジアやカナダなどから輸入しているが、現地調査を行ったグリーンピース・ジャパンは「日本が輸入する合板の4割は違法伐採による」と見積もる。 違法伐採対策は森林保護の特効薬で、安い外材の輸入を抑えて国内の林業振興につなげたい日本や欧州連合(EU)、米国が違法伐採対策の重要性を作業計画に明記するよう主張した。しかし、木材の輸出国であるブラジルやマレーシアは「内政干渉だ」と反発した。重要な外貨の獲得手段を失いたくないという思惑が背景にあった。 | |
13日 | (日経5月13日) 廃棄物処分場 無許可なら禁止 環境省、政令明記へ 環境省は、廃棄物最終処分場のうち、市町村が都道府県に届け出ていないものや、民間事業者が都道府県の許可を得ていないものの使用を禁止する。廃棄物処理法の政令を改め、廃棄物の埋め立て処分は許可などを受けた最終処分場でのみ行うことを明記する。五月下旬まで改正政令案について国民から意見を募った上で詳細を詰め、早期の施行を目指す。 | |
13日 | (日経5月13日) 環境JISを研究 経産省 経済産業省は部品の再利用など環境に配慮した製品の基準や、大気汚染物質などの測定方法を日本工業規格(JIS)で定めるための研究開発に入る。まずビル取り壊しで出るコンクリート塊の再利用に必要な品質基準などを研究。建設リサイクル法の施行で再資源化の義務付けを控え、規格を導入してリサイクルを促すねらいだ。 建設廃棄物コンクリートは、2000年度の実績で約3,500万トン排出されている。1970年代に建築されたビルが取り壊されることが予想され、10年後には4倍以上の約1億5,000万トンに拡大する見込み。現在は道路舗装などに再利用しているが、今後は公共工事の拡大が期待できないため、安全で品質の高い再利用品にできるよう基準作りを急ぐ。 このほか、廃棄プラスチックのリサイクル方法について、再生材料やガス化、油化など手法別に環境への評価を調べる。 | |
13日 | (毎日5月13日) 火力発電所のCO2 排出削減を義務化 米ニューハンプシャー州 【ワシントン共同】米北東部、人口約123万人のニューハンプシャー州で、米国内の州としては初めて、州内の火力発電所からの二酸化炭素(CO2)排出の削減が義務付けられることになった。 州政府当局者によると、州内にある三つの発電所から排出されるCO2の排出量を2007年までに1990年レベルに削減、水銀など他の3種類の大気汚染物質についても07年までの削減目標を設ける法案を、このほど州議会の上院が賛成多数で可決した。既に、下院が同様の法律案を可決、米国の州レベルでは初めて、CO2の排出削減義務化が実現する。 新しい法律は、07年以降、温暖化防止のための京都議定書での米国の削減率と同じ、90年比マイナス7%を目指す。 また、削減義務が達成できなかった場合は州外の企業から、排出量取引によって削減分を買い取ることを認めるなど、ブッシュ政権が拒否した同議定書の規定を先取りしたものとして、成果が注目される。州政府当局者は「他の州や連邦政府も、後に続くことを期待したい」としている。 | |
10日 | (朝日5月11日) 「原発は環境に優しい」 仏環境相の発言に左右両派が猛反発 【パリ10日】フランスのラファラン新内閣で環境相に就任したばかりのロズリヌ・バシユロ氏が「最も環境に優しい産業は原子力だ」と発言し、左右両派からの猛反発を招いている。 同環境相は8日、ラジオのインタビューで原発の有用性を力説。「風力発電や太陽光発電は産業としてやっていけない」「放射性廃棄物は解決できない問題ではない」と述べた。 これに対し、緑の党のマメール前大統領候補は「環境保護派への宣戦布告に等しい。京都議定書の精神にも反する発言で、原発推進ロビーの言いなりだ」と反発。新環境相と同じ右派のルパージユ元環境相も「開いた口がふさがらない。知識レベルが疑われる」と批判した。 | |
10日 | (日経5月10日) 燃料電池使う熱電併給 CO2排出量2割削減 東京ガスが確認 東京ガスは、小型の燃料電池を使った家庭用コージェネレーション(熱電併給)システムの利用で、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を2割削減できることを確かめた。家庭での導入効果を初めて具体的に示せたとしている。 都市ガスから取り出した水素と空気中の酸素を反応させて発電、同時に発生する熱を給湯用に使う。3月から横浜市とさいたま市の各一世帯に試験装置を設置した。 各家庭のお湯の利用状況などに応じてガスの流量をきめ細かく制御する。ガスの消費量が増えても電力使用量が減るため、発電所でのCO2排出抑制につながるという。光熱費も約10%、年間で4万円相当が削減できると試算した。 2004年度中には100万円前後の価格を目標に商品化する。将来は現在の給湯機並みの30万−40万円を目指し、普及させたいという。 | |
10日 | (毎日5月10日) 環境・開発サミット 国連特使が協力要請 大木環境相と会談 今年8月から南アフリカ・ヨハネスブルクで開かれる持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境・開発サミット)で、国連事務総長持使に任命されたヤン・プロンク・オランダ環境相が9日、大木浩環境相、川口順子外相と会談し、サミットヘの積極的な協力と小泉純一郎首相の出席を要請した。 記者会見したプロンク氏は、温室効果ガス削減目標を定めた京都議定書から離脱した米国について、「日本とEUが協力して、ロシア、カナダに議定書の批准を働きかけていけば、米国を動かすことにつながる」と述べた。 | |
8日 | (日経5月8日) 水道水へのフッ素添加 「健康被害の危険性」 市民団体が意見書 虫歯予防のために水道水へのフッ素添加を検討する自治体がある中、市民団体「薬害オンブズパ−スン会議」(鈴木利広代表)は「歯の美容を損ねるだけでなく、がんの原因になる可能性もある」などと危険性を警告する意見書をまとめた。近く厚生労働省のほか、添加を検討している自治体などに送付する。 国内の水質基準では水道中のフッ素濃度の上限は1リットル当たり0.8ミリグラムだが現在、ほとんどの自治体では0.08ミリグラム以下。意見書では、虫歯予防のために基準の上限までフッ素を添加して、虫歯を一、二本減らそうとすると、「美容上問題になる程度の斑状歯を持つ子が出現する可能性がある」と指摘している。 虫歯予防を目的とした水道水へのフッ素添加の影響について、外部の研究機関に委託して国内外の文献を調査したところ、骨肉腫を増加させるほか、咽頭(いんとう)がんを増加させるという報告も一部にあり、意見書では「住民の健康権を侵害する」としている。 | |
8日 | (朝日5月8日) アレルギー性皮膚炎 犯人、洗濯機のカビ? 水1ミリリットル中 胞子4500個の例も 大阪市立環境化学研究所が調査 近年増え続けるアレルギ−性皮膚炎の原因の一つとして、洗濯機内で増殖するカビが疑われ始めている。皮膚科医の依頼で研究機関が調べたところ、洗濯機の中が大量のカビで汚染されていることがわかった。全自動式の場合、見つかったカビ胞子は洗濯水1ミリリットル中、最多で4千個を超える。洗濯すればするほどカビは増殖、きれい好きにとっては思わぬ落とし穴だ。専門家は「因果関係の詳細な調査が必要」としている。 大阪市立環境科学研究所の浜田信夫研究主任は数年前から、アレルギー性皮膚炎を調べる複数の皮膚科医らに、洗濯機内のカビ汚染について尋ねられるようになった。このため、家庭で使われている洗濯機153台の洗濯水やすすぎ水に含まれるカビ胞子を調べた。 その結果、胞子が見つからなかったのは1台だけで、洗濯水1ミリリットル中に最多で4566個の胞子が見つかった。平均値は、全自動式で同61個、2槽式で同24個。屋外で衣類に付いた胞子が洗濯機内で増殖する経路が浮かび上がった。 カビは洗濯槽の裏側で増え、水流に当たって胞子を放出、洗濯物に付着する。家族の人数や洗濯回数が多いはど胞子は多かった。浜田主任は「これらのカビは熱に弱く、45度程度の湯で死滅する。家庭でも対策は可能」と話す。 | |
7日 | (日経5月8日) 世界の平均気温 平年比0.4度上昇 昨年、気象庁まとめ 気象庁は7日、昨年1年間の世界と日本の気温変化や温室効果ガスの濃度などをまとめた「気候変動監視レポート2001」を発表した。2001年の世界の平均気温は、平年比プラス0.42度。昨年末に発表した速報値より0.03度低い値になり、1880年以降で3番目に高い値だった。日本の平均気温は平年より0.18度高く、1898年以降で12番目。3年連続で前年を下回ったが、長期的にみると依然、高温傾向にある。 | |
6日 | (朝日5月6日) 化学物質審査規制法 改正へ取り組み 生態系への影響も視野 改正案、来年にも提出へ ミジンコ・魚も判定材料 毎日便利に使っている洗剤、シャンプーなどに含まれる化学物質が、自然界の生き物に悪影響を与えていないだろうか? そんな視点で、化学物質の生態系への影響も考える法律改正が検討されている。 環境、経済産業、厚生労働の3省が化学物質を審査する化審法は、人に有害な物質を規制するのが目的だ。ポリ塩化ビフエニール(PCB)が混入した米ぬか油でひどい皮膚炎などを発症した68年のカネミ油症事件を契機として、73年に制定された。世界でも先進的な法律だが、当時は、人の健康だけに目が向き、他の生物への影響は考慮されなかった。その後欧米で作られた同様の法律では、人と生態系の両方を視野に入れている。 そこで環境省は生態系への影響も考慮する検討を始め、3月に報告書をまとめた。規制するかどうかの判定試験に、藻、ミジンコ、魚も加えることなどを提案している。今後3省で検討し、早ければ来年の通常国会に改正案を提出する。 化学物質で生態系への悪影響が懸念されるものは数多い。網の防汚剤や農薬、シロアリ駆除剤などのほか、家庭で日常的に使う洗剤、柔軟剤、シャンプーに含まれる物質にも問題が指摘されているものがある。 若林明子・淑徳大学教授の研究によると、東京都内の13河川の水にミジンコを入れて48時間おいたところ、6河川の水でミジンコが泳げなくなった。原因は有機リン系の農薬とみられる。人に直接影響しなくても生態系には害を及ぼす一例だ。 化審法の規定にはないが、環境省は生態系に影響する可能性があると判断したものを「フォロー物質」として記録している。97〜02年に審査された化学物質は約1200。「フォロー物質」は95あった。このうち、76は人の健康に有害性が疑われ化審法の制限対象になったが、残り19は、人に影響がなく、規制をかけられなかった。 加えて身の回りには化審法で審査されていない物質もたくさんある。化審法では新たに製造・輸入された物質は審査されるが、法律公布時、すでに国内にあった化学物質約2万種類の大半は審査されていない。順次点検するという付帯決議はあるものの、水中で早く分解するか、生物に蓄積するかなどを試験されたのは約1400物質、毒性検査されたのはわずか約170物質にすぎない。 環境省は13日まで、化審法の検討に関する意見を募集している。問い合わせはせ03-3581-3351(同省化学物質審査室)へ。 | |
6日 | (朝日5月6日) いい加減な処理業者に頼んだのは誰だ 産廃「捨て主」突き止めろ 岩手県 ごみ選別 徹底調査 不法投棄撤去に100億円 青森、岩手県境の原野に、瀬戸内海の香川県豊島をしのぐ、国内最大の産業廃棄物の不法投棄現場がある。ごみの量は堆定82万立方b。東京ドームが3分の2は埋まる。その現場で、ごみを一つひとつえり分けて、ごみを出した企業を割り出す作業が続いている。現場を元通りにする費用を、排出企業に負担させようとする岩手県の試みだ。これほど徹底した取り組みは例がなく、環境省も強い関心を示している。 99年までの数年間に、埼玉県の業者が首都圏の企業から処理を請け負い、青森県八戸市の業者が、所有する土地に捨て、埋め立てた。2業者は廃棄物処理法違反で一昨年、逮捕・起訴され、昨年有罪判決が出た。敷地内の井戸水からは環境基準の最高100倍のダイオキシンも検出された。 2業者はすでに倒産。行政が代わって撤去しなければならない状況だ。撤去費用は両県で少なく見積もっても100億円以上にのぼる。 廃棄物処理法は00年に改正され、適正な処理をしそうもない業者と知りながら、処理を頼んだ企業にも、不法投棄産廃の撤去を命じられるようになった。 企業の費用負担例では、豊島の産廃で、処理を頼んだ企業が住民に「解決金」約3億2500万円を支払った。徳島県では企業から「協力金」名目で約2千万円を集めた例もある。だが、環境省の姿勢は「道義的責任だけでなく、告発してでも責任を問うのが節」。排出者責任を追及する岩手の取り組みを注目する。 | |
6日 | (日経5月6日) 中国・長江の富栄養化進めば・・・東シナ海の魚 急減 日中共同調査 エサ減少・赤潮発生 中国・長江の富栄養化がこのまま進むと、東シナ海の漁業資源は激減する−。日中の共同調査団がこんな予測をまとめた。東シナ海の漁獲量はアジやサバなど年五十万トンを超え、日本にとって重要な漁場。両国政府は協力して海洋環境の保全策を検討する。 調査は国連が進める環境影響評価の一環で、日本から国立環境研究所が、中国から国家海洋局や中国科学院などが参加した。長江の水質を調べたところ、ほぼ全域で富栄養化の原因となる窒素とリンが増加していた。魚のエサになるケイ藻が食べるケイ素成分は、逆に減少していた。 流域の重慶や上海などの大都市からリンや窒素を含む生活排水が大量に流入する一方、砂に含まれるケイ素はダムでせき止められているという。中国の経済発展や大型ダムの建設などにより、今後もこの傾向が続くと予想している。 東シナ海の一部で窒素やリンが多くケイ素が少ない海域を作り、プランクトンに与える影響を調べると、ケイ藻が減る一方、魚のエサになりにくく赤潮の原因となるべん毛藻が急増した。 長江の水は九州付近にまで到達、東シナ海全域影響を及ぼす。調査団は香港の近海などでケイ藻の減少を確認。今後はえさ不足で魚の急減が考えられるとしている。 | |
6日 | (毎日5月6日) シベリア森林火災で大量CO2 日本の年間排出量の4倍も 科技信仰事業団グループが測定 ロシア・シベリアの森林火災に伴い、多い年には日本の年間排出量の4倍に達する二酸化炭素(CO2)が大気中に放出されている可能性のあることが、科学技術振興事業団の研究グループの測定で分かった。森林火災に伴うCO2排出量はこれまでほとんど把握されていなかった。地球温暖化防止のために、森林の防火対策を急ぐ必要がありそうだ。 研究グループは99年から毎年夏、シベリア西部に広がる北極圏の典型的な森林と、それに隣接する火災跡地の各10カ所で、樹木や土壌に含まれる炭素量などを測定した。炭素が燃えるとCO2になる。 測定によると、森林の下には、炭素分の豊富な植物の遺骸などを含む土壌が平均90センチ堆積していたのに対し、火災跡地では平均30センチに減少していた。失われた厚さ60センチ分の土壌には、1平方b当たり平均49.1`の炭素が含まれていた。 また、焼失した樹木の幹などには同平均2.4`の炭素が琴見られていた。森林1平方bの焼失では、合わせて最大51.5`(炭素換算)のCO2が大気中に放出される。 ロシア政府の国際森林研究所によると、シベリアでは、たばこの投げ捨てや雷が原因で、年間2000〜2万7000平方`の森林が焼失。分析結果をロシア全体にあてはめると、CO2の年間放出量は1億〜14億トンになり、日本のCO2排出量3億3400万トン(99年度)を上回る年もある。 研究グループの中野智子・東京都立大助手(気候学)は「土壌中の炭素は、元通りになるのは不可能に近い。日本は、人工衛星を使った火災の発生監視や防火体制の強化などに協力すべきだ」と話している。 | |
2日 | (日経5月3日) 海洋汚染が減少 廃船放置は増加 昨年、海保まとめ 海上保安庁が二日発表した二〇〇一年の海洋汚染状況によると、産業廃棄物などの不法投棄による汚染は前年より約二割減ったが、プレジャーボートなど投棄され、放置された廃船の数は増加した。 同庁が昨年一年間に確認した海洋汚染の発生件数は四百八十六件で、前年より百二十四件減った。汚染原因は油汚染が三百二十七件と前年より増加、廃棄物による汚染は百二十二件で、前年の半分以下に減少した。 廃船の投棄は昨年より二百三十一件少ない千四百六十二隻。このうち七百七十八隻は発見後に処理されたが、残る六百八十四隻は「持ち主不明」などの理由で処理されずに放置された船で、前年より百七十九隻増加。大半はプレジャーボートだった。同庁は「持ち主が分からないように登録番号を塗りつぶすなど、捨てる側の手口が巧妙化している」とみている。 | |
2日 | (朝日5月2日) 佐川急便 CO2減へ 外部監査制 運送業界大手の佐川急便(本社・京都市)は、集配トラックから出る二酸化炭素(CO2)を、社外の”監査”を受けながら6%削減する計画を発表した。環境への取り組みに関する報告書などの評価を第三者に依頼する企業は増えているが、CO2削減事業そのものを外からの目で検証してもらいながら進めるのは、国内では例がない。 同社がCO2削減の対象にするのは、市街地で宅配便などを運送するトラック2万台。12年までに排出量を6%減らすのが目標で、そのために、現在700台導入している天然ガス車を6千台に増やす。この取り組みを、環境コンサルタント会社の中央サステナピリティ研究所が会計監査の手法でチェック。使用した燃料の量から排出されたCO2量を割り出し、どの程度削減できているか検証する。 同社はまた、世界自然保護基金(WWF)が進めている、企業の自主的なCO2削減評価プログラムにも参加する方針を表明した。同プログラムにはこれまでに、IBMやナイキなど国際的な企業6社が参加している。日本企業が加わるのは初めてだ。 | |
1日 | (日経5月2日) ツベルクリン反応検査廃止へ 厚労省の作業委合意 結核対策の見直しを検討する厚生労働省の作業委員会は一日、中学一年時に実施していたツベルクリン反応検査を廃止することでほぼ合意した。乳幼児を対象とした検査についても廃止し、検査なしで直接BCG接種を実施する方向で調整を進め、月末に結論を出す考えだ。 ツベルクリン反応検査は現在、乳幼児と小学一年、中学一年の各時期に実施。同省の厚生科学審議会結核部会は三月、小中学生の患者が激減していることなどから小学一年時の検査は廃止とする報告書をまとめたが、乳幼児と中学一年については意見が割れていた。 | |
1日 | (毎日5月1日) NGOが「ごみ探偵団」 ファーストフード店など対象 メンバー募集 街に広がるコーヒーのチェーン店やファストフード店での、使い捨て容器の使用状況などをチェックする「ごみ探偵団」が、今月発足する。環境NGO 「FoE(フレンズ・オブ・ジ・アース)ジャパン」(東京都豊島区)の企画で現在、探偵団のメンバーを募集中。調査結果は報告書やインターネットで公開し、企業にごみ減量を求めていく計画だ。 調査では「飲み物はマグカップ(あるいはグラス)か使い捨てカップか」「食べ物は陶器の皿かプラスチックのトレーか」など、使い捨て容器の使用実態を調べる。「持ち帰りの際の包装はどうなっているか」「回収したごみはどう処理されているか」などもチェックする。 今月中に対象店舗などの詳細を決め、6月から調査をスタート。集まったデータは、企業にも提出して対応を求め、今秋にはそれらを含めた報告書を発表する予定だ。 同NGOは、環境活動家らにより80年に設立され、会員は約300人。地球温暖化防止やODA(政府開発援助)問題などについての調査や提言を行っている。「今回は私たちの身近な店のごみが、どうなっているのかを探るのが狙い。20〜30代の若い人たちに気軽に参加してもらえれば」(事務局)という。問い合わせは同NGO(TEL 03-3951-1081)。 |