福岡、長崎両県警は25日、長崎大学(長崎市)発注の病院改修工事を受注した準大手ゼネコン(東京)に対し、関連業者を下請け参入させるよう迫ったとして、強要未遂容疑で、指定暴力団山口組弘道会系組幹部、武藤孝一容疑者(43)=福岡市=ら4人を逮捕した。福岡県警によると、4人は「正式な商取引だった」と容疑を否認している。
弘道会(名古屋市)は、山口組を実質支配する中核団体で、警察庁が全国の警察に取り締まり強化を指示している。
他に逮捕されたのは、福岡市の会社役員、押川吉男(71)▽同市の団体役員、猶崎正一(37)▽福岡県飯塚市の同、崔進一(53)の3容疑者。
4人の逮捕容疑は2009年4月、「長崎大学病院本館改修工事」を落札したゼネコン社員らに対し、長崎県佐世保市の業者を足場組み立て工事に下請け参入させるよう迫り、「応じなければ工事が止まるぞ」などと脅した疑い。
福岡県警によると、ゼネコンは足場組み立ての予算を4500万円と見積もっていたが、4人は地元対策費などとして1億4千万円での契約を要求。同社は応じなかった。改修工事は長崎大が08年12月に発注、同社が約27億円で落札した。
=2011/02/26付 西日本新聞朝刊=