2011年2月23日
風俗店への架空の投資話で知人らから現金をだまし取ったとして、大阪府警は23日、大阪市西成区津守2丁目の主婦小椋(おぐら)由起子容疑者(51)を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。府警によると、小椋容疑者は2006年以降、知人ら26人から計約2億5千万円を集めたが、返済したのは約1億円にとどまっているという。朝日新聞の逮捕前の取材には「投資話はうそだった」と話していた。
生活経済課によると、小椋容疑者の逮捕容疑は、09年3〜4月、知人に紹介された堺市内の母娘に「(滋賀県の)雄琴温泉のソープランド経営者を相手に金融業をやっている。出資すれば元本保証で配当は月3%」とうそをつき、ファミリーレストランなどで複数回にわたり現金計1042万円を受け取ったというもの。「最初からだますつもりで出資を持ちかけた」と容疑を認めているという。
捜査関係者によると、小椋容疑者はここ数年で韓国に50回ほど渡航。現地のカジノではホテルやビジネスクラスの航空券を用意してもらう「VIP」待遇だった。カジノに数千万円をつぎ込んだ形跡があるといい、府警は集めた金の使途の一部だったとみている。
大阪府の30代女性によると、女性は約5年前、小椋容疑者と家族ぐるみで付き合ううち「子どもも小さいしお金がいるやろ」と投資に誘われた。親族7人で計5300万円を預けた。07年には2回、女性に同行して韓国に旅行。「空港に高級車が迎えに来てソウル市内のカジノに送ってくれた。かばんに札束を入れている羽振りのいい姿を見て、うまいこと金もうけをしていると思い込んでしまった」と話す。しかし、その後、配当が滞り「風俗店の人が逮捕され、お金は返せない」と言われた。