2010-11-03 16:55:26
大麻の合法化は非常識か?
テーマ:徒然記
カリフォルニアで大麻の合法化が話題になっているそうだ。
テレビのコメンテーターたちは信じられないというような対応だった。
ただ、私は国情の違いで片付けられないとは思っていない。
日本人は、医療用の痛みを和らげるための大麻は原則的に使えないし、がんなどの痛みを和らげるためのモルヒネだって、欧米の数分の1しか使っていない。
痛みをがまんしたほうが体にいいと思われているが、がんについては少なくとも、モルヒネなどを使って疼痛管理をしたほうが寿命が延びるというデータがいくつもでている。
また経口とか医療用で飲む限りは、依存性も少ないということで、あれだけ麻薬にうるさい(意外と思われるが、コカインについては国の敵というくらいの対応をしている)アメリカでも、麻薬を医療用に使うことは公然と認められていて、歯の痛みや腰の痛みくらいにでも平気で使う。
ということで、医療用については信じられないという反応のほうが信じられないくらいである(そんな不勉強でもコメンテーターができることが、だが)。
では、医療用でなくても、アルコールより依存性が弱いからという考え方はどうか?
これも医学的には間違いのない事実である。
アルコールで身の破滅になってしまう人間は想像以上に多い。日本でもアルコール依存症が200万人いる。おそらくアルコールがらみで会社を首になった、生活保護を受けている、仕事ができなくなった、うつ病になった、自殺した、犯罪を犯す、厳罰化されても飲酒運転をやめられないなど全部あわせたら、その10分の1くらいは軽くいるだろう。
G8の中で日本より自殺率が高いのはロシアだけだが、おそらくはアルコールがらみだろうと考えられている。そのくらいアルコールは自殺の決行まで促してしまう。
パチンコについても、アルコール並みか、それ以上に依存性が高い。
そのため、諸外国では、アルコールに関しては、WHOなどが先導して、広告の規制と安売りの規制を勧告しているし、それに従う国が多い。
ギャンブルに関しては、ほとんどの国で、フリーアクセスではなく、特定の場所でしかできなくされているし、堂々と広告は打てなくなっている。
アメリカが大麻を合法化するのが信じられないというなら、日本は、パチンコが堂々と換金できて、どこの駅前にでもあることや、アルコールの宣伝を一日打っていることのほうが信じられないだろう。
依存症の患者さんは、「量を減らす」という対応はできない。やめるしかない。タバコも、アルコールも、パチンコもだ。
みんなで食事にいったときに、車で来ている人がいて、その人が飲めないとわかっていたら(しかもお酒が好きなのに)、かわいそうだから、みんなもお酒を控えるのが大人のエチケットというものだ。
禁煙している人の前で、スパスパとタバコを吸ったり、糖尿病で食事を控えている人の前で、おいしそうにスイートを食べたりすれば、誰も優しい人とは思わない。大人としての感覚が疑われる。
しかし、日本中にアルコール依存が200万人いても、飲みたいのに真剣に我慢していなければいけない人が人口の2%もいるのに、テレビではいかにもおいしそうにビールやウィスキーを飲む広告がしつこいほど流される。
ギャンブル依存も同じく200万人もいるとされるが、都会だとどこの駅でおりても、駅前でパチンコ屋が賑やかなイルミネーションで人を呼び、さらにしつこいほどの広告がなされる。
やっと酒やギャンブルをやめた人にはあまりに残酷だ。
大麻については、アルコールやギャンブルほどの依存性はないと考えられているし、依存になったときの借金(大麻が高すぎれば別だが)や社会的能力の低下(ニコチンの場合、依存になってもそれほど社会的能力は落ちない)など、社会的な障害も少ない。
しかし、それを合法化するのは信じられないといいながら、同じ番組で、アルコールやパチンコの広告が流れる。
国際的に見れば(グローバル・スタンダードという考え方は私は嫌いなので、アルコール依存やギャンブル依存で社会的生命を断たれる人が100万人いても、それが日本の文化だと開き直れるならそれでもいいが)よほど、これらのコメンテーターのほうが信じられない。
でも、「医者の立場からすると、アルコールやギャンブルのほうがはるかに依存性も強いし、害も多い。その広告が堂々となされる国で、大麻の合法化を批判できるのかという気がしますが」などというコメントをしたら確実に来週から来なくていいといわれる(もういわれてテレビから放逐されているわけだが)。
ついでに言うと、カリフォルニアが大麻の合法化の住民投票をやるのは重税化で財政に寄与しようという目論見もあるらしい。
日本では、アルコール業者の圧力で酒税は下げられ続け、パチンコに関しては脱税業種の代表格のようにいわれる。唯一タバコだけが目の敵にされる。
依存性の強いものの重税化は世界の趨勢だ。
何をとっても、まともな変化の望めない日本は、大麻が非合法であっても、世界に冠たる依存症国家になるのは間違いなさそうだ。
テレビのコメンテーターたちは信じられないというような対応だった。
ただ、私は国情の違いで片付けられないとは思っていない。
日本人は、医療用の痛みを和らげるための大麻は原則的に使えないし、がんなどの痛みを和らげるためのモルヒネだって、欧米の数分の1しか使っていない。
痛みをがまんしたほうが体にいいと思われているが、がんについては少なくとも、モルヒネなどを使って疼痛管理をしたほうが寿命が延びるというデータがいくつもでている。
また経口とか医療用で飲む限りは、依存性も少ないということで、あれだけ麻薬にうるさい(意外と思われるが、コカインについては国の敵というくらいの対応をしている)アメリカでも、麻薬を医療用に使うことは公然と認められていて、歯の痛みや腰の痛みくらいにでも平気で使う。
ということで、医療用については信じられないという反応のほうが信じられないくらいである(そんな不勉強でもコメンテーターができることが、だが)。
では、医療用でなくても、アルコールより依存性が弱いからという考え方はどうか?
これも医学的には間違いのない事実である。
アルコールで身の破滅になってしまう人間は想像以上に多い。日本でもアルコール依存症が200万人いる。おそらくアルコールがらみで会社を首になった、生活保護を受けている、仕事ができなくなった、うつ病になった、自殺した、犯罪を犯す、厳罰化されても飲酒運転をやめられないなど全部あわせたら、その10分の1くらいは軽くいるだろう。
G8の中で日本より自殺率が高いのはロシアだけだが、おそらくはアルコールがらみだろうと考えられている。そのくらいアルコールは自殺の決行まで促してしまう。
パチンコについても、アルコール並みか、それ以上に依存性が高い。
そのため、諸外国では、アルコールに関しては、WHOなどが先導して、広告の規制と安売りの規制を勧告しているし、それに従う国が多い。
ギャンブルに関しては、ほとんどの国で、フリーアクセスではなく、特定の場所でしかできなくされているし、堂々と広告は打てなくなっている。
アメリカが大麻を合法化するのが信じられないというなら、日本は、パチンコが堂々と換金できて、どこの駅前にでもあることや、アルコールの宣伝を一日打っていることのほうが信じられないだろう。
依存症の患者さんは、「量を減らす」という対応はできない。やめるしかない。タバコも、アルコールも、パチンコもだ。
みんなで食事にいったときに、車で来ている人がいて、その人が飲めないとわかっていたら(しかもお酒が好きなのに)、かわいそうだから、みんなもお酒を控えるのが大人のエチケットというものだ。
禁煙している人の前で、スパスパとタバコを吸ったり、糖尿病で食事を控えている人の前で、おいしそうにスイートを食べたりすれば、誰も優しい人とは思わない。大人としての感覚が疑われる。
しかし、日本中にアルコール依存が200万人いても、飲みたいのに真剣に我慢していなければいけない人が人口の2%もいるのに、テレビではいかにもおいしそうにビールやウィスキーを飲む広告がしつこいほど流される。
ギャンブル依存も同じく200万人もいるとされるが、都会だとどこの駅でおりても、駅前でパチンコ屋が賑やかなイルミネーションで人を呼び、さらにしつこいほどの広告がなされる。
やっと酒やギャンブルをやめた人にはあまりに残酷だ。
大麻については、アルコールやギャンブルほどの依存性はないと考えられているし、依存になったときの借金(大麻が高すぎれば別だが)や社会的能力の低下(ニコチンの場合、依存になってもそれほど社会的能力は落ちない)など、社会的な障害も少ない。
しかし、それを合法化するのは信じられないといいながら、同じ番組で、アルコールやパチンコの広告が流れる。
国際的に見れば(グローバル・スタンダードという考え方は私は嫌いなので、アルコール依存やギャンブル依存で社会的生命を断たれる人が100万人いても、それが日本の文化だと開き直れるならそれでもいいが)よほど、これらのコメンテーターのほうが信じられない。
でも、「医者の立場からすると、アルコールやギャンブルのほうがはるかに依存性も強いし、害も多い。その広告が堂々となされる国で、大麻の合法化を批判できるのかという気がしますが」などというコメントをしたら確実に来週から来なくていいといわれる(もういわれてテレビから放逐されているわけだが)。
ついでに言うと、カリフォルニアが大麻の合法化の住民投票をやるのは重税化で財政に寄与しようという目論見もあるらしい。
日本では、アルコール業者の圧力で酒税は下げられ続け、パチンコに関しては脱税業種の代表格のようにいわれる。唯一タバコだけが目の敵にされる。
依存性の強いものの重税化は世界の趨勢だ。
何をとっても、まともな変化の望めない日本は、大麻が非合法であっても、世界に冠たる依存症国家になるのは間違いなさそうだ。