インドネシア特使団機密窃盗:韓国軍関係者も現場に!?(下)

 今回の事件をめぐり「機務司所属の兵士たちがロッテホテルにいた」「機務司は午後6時ごろ情報を入手した」という声も上がっているが、国防部の関係者は「機務司は通常、外国の国防相などが来韓する際には関与せず、憲兵が要員の警護を担当する。機務司は今回の事件には一切介入していない」と語った。憲兵が機務司所属の兵士だと誤解されたということだ。国情院は事件発生直後、国防部や機務司に協力要請を行わなかったことも明らかになっている。

 国防部の関係者はムン大領が警察に通報した理由について「あの時点でムン大領は、国情院が関与していたかどうかは判断できなかったはずだ。もしムン大領が国情院を困らせるために警察に通報したのなら、自らの立場や連絡先が警察に知られるようになる」と指摘した。これらの状況を総合すると、国防部がこの事件を故意に警察に知らせた可能性は低いとみられる。ただし、今回の事件に国情院が関与していると見込んだ国防部が、ムン大領による警察への通報を黙認した理由は今もはっきりしていない。

 かつて国防長官を務めたある人物は「国防部や機務司がこれまで国情院に対して強い不満を抱いてきたのは事実だ。軍の事情をよく理解できていないにもかかわらず、非常に細かい情報を入手しようとするからだ」と語る。

 与党ハンナラ党の関係者は「李明博(イ・ミョンバク)大統領は今回の事件について報告を受け、非常に激怒している」と語った。韓国製の超音速高等練習機T50をインドネシアに輸出する計画について李大統領は、自らが直接指揮するほど大きな関心を示している。それが今回の事件で挫折するかもしれない状況に陥ったため、激怒するのも当然だろう。ただし、李大統領がいつ事件の報告を受けたのかは明らかになっていない。

朱庸中(チュ・ヨンジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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