インドネシア特使団機密窃盗:韓国軍関係者も現場に!?(中)
午前9時27分ごろ、国情院の職員3人が、ホテルの従業員の協力を得て、アクマト補佐官が宿泊する1961号室に侵入した。アクマト補佐官は特使団のラジャサ団長(副首相クラス)の部下だ。当時、国情院の職員らは「侵入した」というよりも、「公務を執行する」という軽い考えで部屋に入ったという。職員らは6分間で、室内にあった2台のノートパソコンのうち1台の内容を把握した。ところが直後にアクマト補佐官と鉢合わせになったため、残り1台のノートパソコンを持って部屋から逃げ出した。その後、ホテルの従業員が国情院職員らを探し出し「インドネシア側が抗議している」と伝えると、2人の職員は再び1961号室に戻り、アクマト補佐官にノートパソコンを返した後にその場を立ち去った。
その後、国情院はこの事件を外交的にもみ消すための行動に出た。国情院はインドネシア側に対し「下の者が知らずにやったこと」として謝罪し、外交通商部も同じように説明した。国情院は「スパイ工作」には失敗したものの、発覚した工作のもみ消しには成功したかのように見えた。しかし、後に想定外の問題が発生した。
ムン大領とインドネシア国防武官は、プルノモ国防相による板門店訪問に同行した後、特使団の帰国予定日よりも1日早く帰国することになったプルノモ国防相を、その日夜8時ごろに空港で見送った後、夜9時ごろホテルに戻った。そこでインドネシア国防武官は、特使団から同日朝に起きた「事件」について報告を受けた。これに激怒したインドネシア国防武官は、パートナーであるムン大領に「ホテル側の謝罪」「セキュリティーの強化」「警察への通報」の3点を要求した。ムン大領は夜11時ごろ、現場の状況を国防部の実務担当者に電話で数回に分けて報告し、直後に国防部の幹部を通じて李庸傑(イ・ヨンゴル)次官にも伝えられた。その後、国防部は「この事件に国防部や軍が介入してはならない。犯人が単なる窃盗犯なのか、産業スパイなのかまだ分からないため、インドネシア武官の指示通り、警察に通報した方が良い」と判断したという。指示を受けたムン大領は夜11時15分ごろ警察に通報し、それから5分後に南大門警察署太平路地区隊(日本の交番に相当)がホテルに到着した。さらに、国防部が支援のために派遣した調査本部所属の憲兵らも、夜11時58分ごろホテルに到着した。金国防長官は翌17日朝、事件について報告を受けた。一方、国情院の担当者は17日午前3時45分ごろ南大門警察署を訪れ、機密の保持を求めたという。
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