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30センチ離れると「青森」だ 中国、商標登録無効に

2011年2月25日21時44分

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写真:青森県の異議申し立てが認められ、登録されなかった中国での商標=中国商標局ホームページから拡大青森県の異議申し立てが認められ、登録されなかった中国での商標=中国商標局ホームページから

 中国で、青森と似た「青ミァオ(チンミァオ=ミァオは森の木がそれぞれ水)」の文字とリンゴのマークを組みあわせた商標が登録される寸前、青森県の異議申し立てで無効となった。県が25日明らかにした。中国の商標局は「『青ミャオ』の文字を30センチ離れて見ると『青森』に読める」との県の主張を受け入れ、「消費者が産地を誤認し、社会に良くない影響を与える」と認めた。

 新疆ウイグル自治区の果物商が2005年に出願した。「水」が三つの「ミァオ」は中国語で「広い水面」を意味し、「青ミァオ」は青く広い水面をイメージした造語という。08年3月になって東京都内の特許法律事務所が出願に気づいた。

 県側は「青森と勘違いされる」「青森は日本の著名なリンゴ産地」などと訴えた。中国商標局は昨年12月、商標を無効と裁定し、今月に入ってホームページで公表した。

 県によると、青森産リンゴは08年、中国に308トン(約1億2千万円分)が輸出され、1個2千円の「世界一」などがブランド品になっている。津島正春・総合販売戦略課長は「中国で青森の名はブランド。業者も似た名前でイメージを上げたかったのかもしれないが、異議が通ってよかった」と話している。

 中国の商標法では、広く知られている外国の地名は登録できないとされ、かつて広州市の企業が「青森」の商標登録を出願した際も、県の異議申し立てで認められなかった。今回は類似文字でも同じ判断になるかが焦点だった。

 日本貿易振興機構によると、昨年3月時点で日本の26府県と似た名称が中国国内で商標として出願されていたという。同機構は「気付かずに登録されてしまうと、日本の自治体が、いざ中国で地場産品を売ろうとするときに思わぬ障害になる。監視などの対策が必要」と注意を呼びかけている。(別宮潤一)

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