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もんじゅ:現場課長自殺 “要”失い無念 「影響出ないように」 /福井

 高速増殖原型炉「もんじゅ」で、原子炉容器内に落下した燃料の炉内中継装置の担当だった燃料環境課長(57)が自殺したことが明らかになった。装置撤去に向けた準備作業は21日から始まり、撤去作業の妥当性を助言する検討委の第2回会合(24日)や、落下トラブルを審議する国のもんじゅ安全性確認検討会(25日)なども控える。これからという時に現場の要が不在となる異例の事態だが、日本原子力研究開発機構は「組織として対応し、影響が出ないようにしたい」としている。

 もんじゅの燃料取り扱いは、ナトリウムと空気が触れないようにするため、軽水炉よりも装置の構造や動作が複雑になる。このため今回落下した炉内中継装置のように、もんじゅ特有の機器も多い。課長は燃料の取扱設備についての特許もあり、この分野に長年一貫して携わってきた“スペシャリスト”だった。

 死去に伴い、課長職は上司のプラント保全部長が兼務している。燃料交換のノウハウを持つ他の職員を含めて、組織全体として課長の不在をカバーするという。機構敦賀本部の森将臣広報課長は「当面の作業に影響が出ることはない」としている。

 敦賀市原子力安全対策課の本多恒夫課長は「長い経験がある方だったので残念だが、機構には作業を着実に進めてほしい」。県原子力安全対策課の岩永幹夫課長は「長年の知人なので耳に入り、通夜に参列した。機構から正式な説明はない。それ以上コメントすることはない」と話した。【酒造唯、安藤大介】

毎日新聞 2011年2月23日 地方版

 
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