菅直人首相は23日の党首討論で、自民党の谷垣禎一総裁を挑発する発言を連発した。来年度予算案の関連法案成立に向け自民党に協力を強要する攻撃的な物言いが目立ち、公明党の山口那津男代表が「居丈高だ」と批判する一幕もあった。半面、4月の統一地方選後の協力になお望みをつなぐ公明党には低姿勢だった。
「谷垣総裁に逆に聞きたい。今最も重要な問題は国民にとって何なのか」。首相はこう逆質問を繰り返し、谷垣氏が答えないと「なぜ答えないのか。必ず答えていただくことをまず要求して、私に対する質問にも答える」などと強気に出た。
首相は「歴史に対して責任が持てる行動をとってもらいたい」とも強調した。今国会の開会前、首相は与野党協議に応じないのは「歴史に対する反逆」と断じ、野党が反発するといったんは陳謝していた。再び「歴史」を持ち出し、強硬姿勢を前面に打ち出した。
首相が支えとするのは1998年の金融国会だ。
民主党代表だった首相は、参院で過半数割れしていた小渕恵三政権に、破綻した金融機関の一時国有化を柱とする金融再生法を「丸のみ」させた。党首討論では当時、谷垣氏は宮沢喜一蔵相の下で大蔵政務次官だったと指摘して「過去の例もみて、国民に責任を持った行動をとってもらいたい」と法案成立への協力こそ野党の責任と訴えた。
谷垣氏は「良い案を出してもらったから、我々はのんだ」と説明したうえで「来年度予算案の組み替え動議を出したい。きちんと検討してもらいたい」と切り返した。首相は「ぜひ、立派な動議を出してもらいたい。私たちより素晴らしい、と思って丸のみできる案を」と挑発した。
首相と谷垣氏の応酬後、討論に立った公明党の山口代表は「協議をしろ、しないのは自民党のせいだと言わんばかりの居丈高な姿勢。相手は身を固くするばかりだ」と諭すような口調で議論を始めた。
山口氏はすぐにニュージーランドの地震に話題を変えた。「耐震化協力外交を積極的にやっていくべきだ」と提案された首相は「山口代表のおっしゃる通りだ」と調子をあわせた。山口氏は「米国の海兵隊が沖縄にいなくても極東の安全は維持できる」との過去の首相発言を引き合いに首相批判を展開したが、首相は谷垣氏への応対とは打って変わった丁寧な答弁に終始した。
討論後、谷垣氏は記者団に「首相はだいぶハイテンションだった」と振り返り、山口氏は「理を尽くして説得する姿勢に欠けている」と不満を表明した。首相は「思いをしっかり伝えようとして、少し語気が強くなったかもしれない」と述べた。
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