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[国際]ニュース トピック:政変・反政府デモ
【リビア騒乱】腹心の公安相が辞任し反乱を呼びかけ 内戦の様相
【カイロ=大内清、ニューヨーク=松尾理也】リビアの最高指導者カダフィ大佐(68)を40年以上にわたり支えてきたオベイディ公安書記(公安相)が22日夜、反体制派に合流するとして辞任を表明、軍に対しカダフィ氏への反乱を呼びかけた。同国東部が反体制派の支配下に入り、離反者も相次ぐ中、リビア情勢は内戦の様相を呈しつつある。
イタリアのフラティニ外相は23日、一連の騒乱の死者は1千人に達したとみられると語った。リビアの公式発表では死者数は約300人にとどまっている。フランス通信(AFP)によると、仏石油大手トタルが同日、リビアでの石油生産の一部を停止する作業に入るなど、世界経済への影響も広がっている。
また、国連安全保障理事会は22日、緊急の非公式会合を開き、リビアでのデモ隊への攻撃を非難、暴力行使の即時停止を求める報道機関向け声明の発出を全会一致で決めた。
軍出身のオベイディ氏はカダフィ氏の腹心とされた人物。同国北東部の部族出身で、軍に影響力がある。現在は北東部の第2の都市ベンガジにいるという。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどによると、23日にはリビア艦艇2隻が反体制派への攻撃を拒否し地中海のマルタに到着した。ベンガジでは住民が自治組織を結成する動きが広がっているほか、首都トリポリに近い西部ミスラタも反体制派が占拠した。南部の反体制派の武装部族が、トリポリ市民の救援に向かっているとの情報もある。
一方、安保理の緊急会合は、カダフィ氏退陣を要求したリビアのダバシ国連次席大使の要請を受け開かれたが、出席したシャルガム首席大使はカダフィ氏を「友人」と呼ぶなど政府内の混乱と亀裂を印象づけた。
アラブ連盟(本部カイロ)も22日夜、リビア政府が反体制デモ隊の要求に応じるまで、同連盟のすべての会合への参加資格を停止すると決定した。
23日にはイランのアフマディネジャド大統領までが、自国民を無差別に殺害するカダフィ氏を「信じられない」と非難、同氏はさらに孤立を深めている。
カダフィ氏は22日夕、国営テレビで演説、反体制派が求める退陣を拒否した上で、「(1989年の)中国の天安門では、武装していない学生も力で鎮圧された」などと述べ、武装するなどした反体制派への弾圧を正当化した。
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