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11年知事選:呉越同舟、下りた後は…県議選に向けて /山梨

 知事選は中央政界で敵対する民主、自民両党が呉越同舟で支持した現職、横内正明氏の圧勝で幕を閉じた。4月の統一地方選に向け、舟を下り両党は「さあ対決」と意気込むが思惑通りに事は進まない。【小林悠太、曹美河】

 ◇「過半数」へ態勢整わず--民主

 ◇4年前の分裂が続く--自民

 ■民主

 「各党が団結して支えた結果。暮らしやすさ日本一を目指し知事を支えることを誓う」

 30日夜にあった横内氏の当選報告会。民主党県連代表の後藤斎衆院議員がこう祝辞を述べると、客席の前列を占める自民党県議から拍手がわき起こった。知事選の期間中、横内選対では民主、自民両党の関係者が一堂に会する呉越同舟の光景が定着していた。

 政権与党として初の知事選に臨んだ民主党県連。にもかかわらず独自候補の擁立を見送った背景には「4月の県議選での党勢拡大に向け、知事と対立するのは得策でない」(県連幹部)との思惑があった。

 県議選で同党県連が掲げる目標は全16選挙区への公認・推薦候補の擁立。さらに、定数3以上の選挙区には複数人を擁立し「過半数の議席獲得を目指す」としている。しかし、知事選が終わっても、県議選に向けた態勢が整っているとは言い難い。

 「民主党の名前を前面に出して戦うのは難しい」。こう話すのは、同党党員で県議選甲府市選挙区への出馬を予定する飯島脩・甲府市議。県連からは公認を打診されたが、推薦にとどめ無所属で出馬する。

 菅直人内閣の支持率低迷で、擁立作業は難航している。出馬が決まっているのは、飯島氏を含め6選挙区に7人。公認にいたっては現職1人にとどまる。統一選で、政権与党としての存在感を示すのは難しい情勢だ。

 ■自民

 「久しぶりに党内が一致団結した知事選。自民・民主対決の統一選に向け大きなはずみがついた」

 横内氏の再選が決まった30日、自民党県連の皆川巌幹事長はこう総括した。07年の前回知事選では、当時の現職山本栄彦氏支持派と新人の横内氏支持派で県連は真っ二つに割れた。今回は表面上、党所属の県議全員が横内氏支持で団結したかに見えた。しかし内実は、横内選対内での主導権争いに終始していた。

 告示直前の1月12日、全県議の会合で、前回知事選時から横内氏を支持する県議会の会派「県民クラブ」の県議から「遊説総隊長」というポストを新設し、同会派の所属県議を就任させる動きがあった。だが、他会派の県議が「自分の名声を高めるためだ」と猛反対。「遊説総隊長」の肩書自体が選対名簿から消えた。横内氏の選対幹部は「自民党県議間の調整が一番大変な仕事だった」と苦笑する。

 県議選について、皆川幹事長は「挙党一致で政党対決に持ち込みたい」と話す。しかし、4年前から続く党内分裂が解消する気配はなく、ある県議は「県議選で党公認をもらわない可能性もある」という。統一選に向けた会合などの予定もなく、「挙党一致」は絵に書いた餅のままだ。

毎日新聞 2011年2月2日 地方版

 
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