鳩山由紀夫前首相は講演で、米軍普天間飛行場の「国外・県外」移設や日米地位協定改定を進める中の障壁に、政治主導ならぬ官僚主導があったと吐露した。最高司令官の首相ですら思うようにコントロールできなかった官僚制度。沖縄の「県外」要求を抹殺しながら県内移設の日米合意推進方針を変えようとしない菅直人首相は、官僚依存という呪縛も引き継いだように映る。
官僚主導への鳩山氏の不信は、現在国政で議論中の環太平洋経済協定(TPP)をめぐっても噴出。「菅首相がなぜTPPに傾いたか分からない。アジアより米国を重視する政策に舞い戻ったのか。背後に官僚の力があるのかなと感じている」と、対米追従の姿勢も含めて官僚への不信感を強くにじませた。
名護市辺野古への移設については、県民の反対が変わらなければ、普天間固定化を避けるためにも「ほかの方法を考えることも必要になる」と言及した。合意見直しの必要性とも言える発言で、合意締結者の前首相の言葉としては重い。
菅首相の官僚に対する姿勢も変化してきた。政権交代直後の2009年10月には官僚を「大ばか」と批判。だが10年6月に首相に就いてからは「言い過ぎだったかもしれない」と修正した。
内閣改造後の11年1月には各省事務次官らへの訓示で、脱官僚路線に関して「政権交代後、現実の政治運営では反省や行き過ぎ、不十分さがあったのも事実だ」と表明し、官僚との共存姿勢を前面に打ち出した。
地位協定改定を指示したとの鳩山氏の発言に外務省幹部は「どういう趣旨で言ったのか分からない。マニフェストや連立政権の3党合意で『改定を提起する』としていたことか」と真意を測りかねた様子。推測とした上で「秘密になっていたものを明らかにしたのではないだろう」と冷静な受け止めを示した。(滝本匠)
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