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地方の声聞かぬ菅政権

公明新聞:2011年2月4日付

地方の声を聞かない菅政権を追及する遠山氏、子ども手当法案などについて質問する富田氏地方の声を聞かない菅政権を追及する遠山氏(左)、子ども手当法案などについて質問する富田氏=3日 衆院予算委

衆院予算委で富田、遠山衆院議員

衆院予算委員会は3日、菅直人首相と全閣僚が出席し基本的質疑を行った。公明党の富田茂之氏は高校無償化や子ども手当について、遠山清彦氏は諫早干拓問題などについて質問し、地方の声を聞かない菅内閣の政権運営を糾弾した。

子ども手当で反発招く
高校無償化に伴う負担増も。給付型奨学金の実現求める<富田氏>


富田氏は、高校無償化に伴う特定扶養控除の縮減で、定時制や通信制高校、特別支援学校の生徒などがいる世帯が負担増となることを指摘し、「民主党政権は困っている人に冷たい。特別支援学校の高校に子どもが通う家庭は本当に大変だ。なぜその世帯が負担増にならなければならないのか」と厳しく批判した。

その上で、民主党の政策集「インデックス2009」にも掲げられ、負担増世帯への支援策として11年度予算の概算要求段階では計上されていた給付型奨学金が、同予算案に反映されなかったことを糾弾し、予備費での実現を主張した。

野田佳彦財務相は、給付型奨学金について、「引き続き検討したい。メリットと公平性、厳しい財政状況の中で、どう公的支援を行うかを詰めていく」と述べた。

また、富田氏は、子ども手当に関して、地方負担を拒否する自治体が相次いでいることに言及。反発する自治体の主張について、政府の認識をただした。

細川律夫厚生労働相は、(1)地方に裁量のない全国一律の現金給付は国が負担すべき(2)当初は全額国費といいながら地方にも負担を求め、地方への十分な説明もなく勝手に方針を決めたこと―を挙げ、民主党政権の対応が地方の反発を招いた要因になっていることを認めた。

さらに、富田氏は、政府が10年度に続いて11年度も単年度限りの子ども手当法案を提出する方針であることに触れ、「恒久法をつくる気があるのか」と追及した。

細川厚労相は、恒久制度化に関して、扶養控除の見直しで12年度以降は地方の税収増が見込まれ、その使途を自治体と話し合う意向を表明。「12年度の法案はしっかりと地方と協議をして決めたい」と述べた。

諫早開門、頭越しに決定
「地方を大事にする」と言うが地元住民への説明が不十分<遠山氏>


一方、遠山氏は、沖縄県石垣市が1月14日に開催した「尖閣諸島開拓の日を定める条例」の制定記念式典について、同市が各党に招待状を送付したが、民主党からの出席や連絡がなかったことを指摘。「昨年、あれほど注目された尖閣諸島を持つ石垣市の公式行事だ。菅首相は『地方を大事にする』と言うが、空虚に響く」と批判したのに対し、枝野幸男官房長官は「党本部、沖縄県連ともに案内状の受領は確認されていない」と釈明した。

また遠山氏は「地方無視の最たること」として、菅内閣が、国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門を命じた福岡高裁判決への上告を断念したことに言及。「諫早市や長崎県の方々が、上告断念という重大な決断をする前に相談を受けていないことが一番の問題だ」と述べ、地元の意見を聞かずに上告断念を決めた菅政権の対応を厳しく批判した。

これに対し、菅首相は「最終的に上告期限の直前に長崎県知事らと直接会って意見を聞いた」と強弁した。

鹿野道彦農林水産相は、1月23日の地元住民との意見交換で、「(地元住民に)何の話もなく決断したことについて陳謝した」と述べ、地元への説明が不十分だったことを認めた。その上で、今後、地元関係者との話し合いや、環境アセスメント(評価)などを実施するとして、内閣の方針に従う姿勢を示した。

遠山氏は「あたかも開門前に地元住民の不安に対応できるかのように言うが、判決確定後に重大な変更をする余地があるのか」と、政府の対応に疑問を呈した。

さらに遠山氏は、開門後の農業用水の代替水源の問題を指摘したほか、首相自身が諫早市を訪問し、住民が納得する説明を行うよう求めた。

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