「トリプル投票」として注目を集めた名古屋市長選と愛知県知事選が6日投開票され、市長選は政治団体「減税日本」公認の前職河村たかし氏(62)が再選、知事選は河村氏と連携する前衆院議員大村秀章氏(50)が初当選した。同市議会解散の賛否を問う住民投票は賛成が過半数を占め、出直し市議選が3月にも実施される。
菅再改造内閣発足後、初の大型地方選で、「民主党王国」と呼ばれる名古屋市と愛知県での推薦候補連敗は菅直人首相に大きな打撃。知事選で候補を擁立した自民党やみんなの党なども、河村氏の勢いを止められなかった。
4月の統一地方選を前に、河村氏の減税日本や、橋下徹大阪府知事が率いる「ローカルパーティー大阪維新の会」などの「首長新党」は、既成政党への不満の受け皿として存在感を増した。
市長選は、市民税10%減税の恒久化や市議報酬の半減を議会に否決された河村氏が「あらためて信を問う」として辞職したのに伴い実施。民主党は前衆院議員を担ぎ出し、県連レベルで支援した自民党と与野党相乗りで対抗したが、河村氏が知名度と高い人気で勝利した。公選法の規定により、河村氏の任期は1期目の残り2013年4月27日まで。
任期満了に伴う知事選は、民主、自民、共産、みんなの各党がそれぞれ擁立した候補と、自民党を除名処分となった大村氏の5新人による争い。県民税減税や「中京都」構想などを掲げ、河村氏と共闘した大村氏が全県に支持を広げた。
政令指定都市の議会で初の解散による出直し名古屋市議選(定数75)は3月13日投票が有力。河村氏は減税恒久化条例案などの可決を目指し、減税日本から公認候補40人以上を擁立して、過半数の確保を狙う。