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憲法9条を守る運動

2011年2月7日

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 憲法9条をなくそうという改憲政策が、安倍内閣以来、国会の中にうごめいています。国民投票になった場合、日本の若者は、こぞって改憲阻止運動をすべきだと、私は2008年の5月にこの欄に書きました。その時までに日本人の選挙権を20歳から18歳に下げ、若者の力で改憲を阻止しようというのが私の主張でした。

 あのエッセーから、2年半が経ちました。米軍基地を県外へ移転せよとの沖縄住民の声が日に日に高まる中で、鳩山前内閣を継いだ菅内閣が米軍と約束した案には、失望させられました。どんなに大きな規模の国家予算を基地住民のために捻出することになったとしても、基地を移転させて、沖縄の人たちの生活環境を好転させなければいけないのが今日の情勢だと考えます。

 全国民が沖縄の住民と共に、基地をできるだけ早く国外に移す具体案を政府に確約させない限り、解決の道は考えられません。憲法9条を守る運動こそが、沖縄の問題を解決する唯一の方法であると、私は思います。

 この間私は、10歳の小学生への「いのちの授業」で平和の心を教えてきました。今までに150校以上を回り、最近では10歳より上の子どもたちも含まれるようになり、さらに、中学校や高校からの要請もありました。日程が空いていれば、いつでも予約を受け付けようと思っています。

 さらに、09年3月からは、「九条の会」の応援団となって、全国各地で講演をしてきました。昨年11月には東京都大田区の産業プラザで開かれた「東京9条まつり」と題した集会に出かけました。「生きいき憲法」の題で講演し、出席者から活発な意見や質問が出て、非常に熱気のある会合でした。

 このほか銀座ブロッサム(東京)や日本教育会館の大会議室(同)、横須賀芸術劇場(神奈川県横須賀市)などでの「九条の会」は、会場の大小はあっても、過去に訪れたところはいずれも満員の盛況でした。

 どの会でも、参加者の3分の2を女性が占めていました。80歳を超えた女性も熱心に出席する中、20〜50代の若い層が多いことに、私は心強くなりました。

筆者プロフィール

日野原重明(ひのはら・しげあき)

1911年山口県生まれ。医師。

聖路加国際病院理事長。同名誉院長。120万部を超えるベストセラーとなった「生き方上手」(91年)をはじめ、著書多数。診察の傍ら、小学校での「いのちの授業」ほか、各地で講演を行う。

ミュージカル「葉っぱのフレディ−いのちの旅」の原案執筆、企画し、2010年7月にはNYで自ら舞台にも立った。

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