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社説:愛知トリプル投票 菅政権への打撃大きい
名古屋市長選と愛知県知事選は6日に投開票が行われ、市長選は河村たかし氏が再選、知事選は河村氏と連携する前衆院議員の大村秀章氏が初当選を果たした。名古屋市議会解散の賛否を問う住民投票は賛成が過半数を占め、3月に出直し市議選が行われることが決まった。
市長選、知事選、住民投票の「トリプル投票」として全国的に注目されたが、河村氏の完勝に終わった。高い知名度を前面に出し、一貫して減税の必要性を訴え続けたことが功を奏した。景気低迷が続く中、掲げる「庶民革命」への期待は強かったといえる。
一方で民主、自民をはじめとする既存政党が推す候補は軒並み振るわなかった。中央政界に対する不信の表れだ。菅政権にとっては再改造内閣発足後、初の大型地方選であり、この敗北は大打撃だ。
河村氏は以前所属していた民主党とたもとを分かち、政治団体「減税日本」を設立、その公認候補として市長選に臨み圧倒的な支持を得た。河村氏と連携した大村氏は自民党に反旗を翻す形で出馬し、党の除名処分を受けたものの、こちらも圧勝。橋下徹大阪府知事率いる「ローカルパーティー大阪維新の会」も含め、「首長新党」が存在感を増しているのは確かだ。
共同通信社が実施した出口調査の結果に、傾向が顕著に表れている。民主、自民両党支持層の半数以上が、党が推薦や支持、支援した候補ではなく、市長選では河村氏に、知事選では大村氏に票を投じているのだ。
菅政権はこのことを深刻に受け止めるべきだ。マニフェスト(政権公約)に掲げた政策を、財政難などを理由に次々と修正する構えを見せているが、国民の失望は大きい。公約を果たすために執念を見せる河村氏が今回、大きな支持を集めたことは無視できない。
自民党をはじめとする野党も一層の危機意識を持たなくてはならない。ポピュリズム(大衆迎合)に陥ってはならないが、有権者が何を求めているのかは敏感にキャッチしたい。
再選した河村氏はいよいよ政策実行力を問われる。市議選には「減税日本」から候補者を多数擁立するとしている。大きな権力を持つ首長が議会を解散し、自身が率いる地域政党の議員を擁立して多数派形成を目指す手法には疑問が残る。議会のチェック機能が損なわれかねないからだ。
首長と議会には一定の緊張感が必要だ。お互いとことん話し合い、政策を一つ一つ実現していく真摯(しんし)な姿勢が求められる。
トリプル投票の結果を受け、各政党は4月の統一地方選に向けて戦略の見直しを迫られるだろう。本県では県議選のほか1市1村で首長選、2市2村で議員選が行われる。地域のリーダーを選ぶとともに、首長と議会の在り方、地方自治のあるべき姿についても真剣に考えたい。
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