7日は、日本では所謂「北方領土」の日だったが、今年は特に過激な雰囲気で、「領土返還」を求めるデモ参加者らは、ロシア国旗を侮辱した。又日本政府の対応も、やはり過激で、菅首相などはメドヴェージェフ大統領の南クリール訪問について「許しがたい暴挙」とまで呼んだ
こうした行動や発言に対するロシア側の反応は、当然厳しいものとなり、ラヴロフ外相はTVで次のように述べた―
「菅首相の発言は、明らかに外交的なものではない。おそらく日本指導部は、(東京のロシア大使館前で)絶対に受け入れられない形の行動を示した非政府組織に遅れを取るまいと決めたのだろう。」
また菅首相の発言についてロシア科学アカデミー極東研究所のヴィクトル・パヴリャテンコ主任研究員は、次のようにコメントしている―
「何よりも悲しく残念なのは、首相が一国の長として持つべき初歩的な外交的技量を持っておられないことだ。つい最近まで政権の座にあった自由民主党の指導者達は、そうした抗議をするためにもっと用意ができていた。日本は、前の指導部が持っていたようなロシアとの対話におけるテンポと立場を失ってしまった。それゆえ、現指導部にとって唯一の突破口は、強硬な態度を示すことだったのだろう。まして、国内政治上の諸問題があるからなおさらだ。今、内閣の足場は、かなりぐらついており、野党は国会解散を求め、至る所で『菅内閣はいつまで持つか』といった予測が囁かれている。」
今回、デモ隊が大使館前でしたロシア国旗を引きずるといった行為も、ロシアでは大きなショックを与えた。これについて、極東研究所のセルゲイ・ルズャーニン副所長は、以下のように述べた―
「大使館前でのああした行為は、一部の過激な人達による狼藉として冷たく笑って済ませるレベルを越えている。日本政府は、ああした事が起こるだろうという事について、間接的に、あるいは恐らく直接的に、よく分かっていただろう。反ロシア・ヒステリーを煽る日本の過激派グループに対する予算を日本政府は増やすつもりだとのデータもある。あのような行為については、残念としか言いようがなく、憤りを感じる。」
なおプリホチコ大統領補佐官は「クリールの島々はロシアの主権下にある我が領土であり、この問題が見直されることはあり得ない。ロシア大統領は、国内のあちこちを訪問し、国民にとって焦眉の課題解決にあたっている。その事について、何人の許しも得る必要など少しもない」と言明している。
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