記事ツール
社説:党首討論 議論深める見直し必要
菅直人首相の就任後初の党首討論が行われた。政治生命を懸けるとした社会保障と税の一体改革について、菅首相が与野党協議への参加を強く求めたのに対し、自民党の谷垣禎一総裁はあくまで早期解散・総選挙を要求。議論はかみ合わないままだった。代表質問での応酬が繰り返されたにすぎず、期待外れとしか言いようがない。
目新しいのは、谷垣氏から一体改革を進める手順についてただされた菅首相が、来年3月末までに消費税率引き上げを含む改革についての法案提出を目指す考えを示したことぐらいだ。
首相は一体改革について「どの内閣でも避けて通れない課題だ」と、谷垣氏に協力要請したが、谷垣氏は「消費税率を上げるというマニフェスト(政権公約)に作り直して国民の意見を聞くのが必要だ」として衆院解散を要求。空振りに終わった。
言い分がかみ合わないとはいえ、両者の政策の方向性はあまり違いがない。ただ与野党協議が先か、解散・総選挙が先かという点では、歩み寄りの可能性が感じられない。むしろ対立は深まった。
公明党の山口那津男代表も「民主党マニフェストは実現の見通しがない。首相は責任を取るべきだ」と追及したが、10分という短時間では議論は深まりようがなかった。
谷垣、山口両氏が小沢一郎元民主党代表に対して国会での説明を求めるよう促したのに対して、菅首相は「近く小沢元代表と話し合って方向性を出したい」と述べるにとどまった。
2氏が攻勢に出たのは野党として当然だろう。気になったのは菅首相の姿勢に「ねじれ国会」を乗り切るための覚悟や誠意が感じられなかったことだ。質問に対して正面から答えているとは言い難い場面もあった。双方が強気一辺倒の言いっ放しに終始するのでは、「熟議」は遠のくばかりだ。2011年度予算案と関連法案の成立はますます見通せなくなった。
党首討論は首相と野党党首が見解を戦わせ、国会の議論を活性化する目的で導入された。今回の党首討論は首相就任から8カ月も行われなかった。いくらなんでも遅すぎる。これでは熟議の看板が泣こう。
党首討論について、民主党内に月2回程度開催すべきだとの意見がある。さらに超党派の中堅若手議員でつくる「国会改革勉強会」が、多くの国民が見られるように午後8時開催を提言。見直しの機は熟している。
討論時間の延長や変更、開催の回数増などは、すぐにでも見直しが可能だ。さらに少数野党の代表が参加できる仕組みをつくることも考えるべきだろう。
今回のように委員会などでもできる議論を繰り返しているのでは、党首討論の意味が薄れる。与野党の代表が国の針路や大計といったもっと大きなテーマについて論じ合うような場にしていくことを望みたい。
特集
県内公立高校入試2011
- 県内も受験シーズン到来。高校入試に関する話題や、公立高の志願状況などを掲載
秋田げんきプロジェクト
- 秋田の元気をどう創るか-。プロジェクトを立ち上げ、さまざまな連載企画を展開する
白瀬・南極探検100年
- 白瀬の南極探検出発から100年。第51次隊同行記者リポートのほか、話題などを紹介
自殺予防全国フォーラム
- 民間団体や行政、研究機関が自殺予防活動の在り方などを語り合った
第27回さきがけ文学賞
- 入選(最高賞)は、高妻秀樹さん=宮崎市=の「赦免花(しゃめんばな)」に決まった
スポーツ特集
ファイト!大館鳳鳴ナイン
- 学校創立113年目の悲願達成!! センバツ初出場を決めた大館鳳鳴を特集
あきた鹿角国体2011
- 鹿角市・花輪スキー場を舞台にした熱戦閉幕!! 関連ニュースや競技記録などを掲載
GO!GO!ハピネッツ
- 今シーズンbjリーグに初参戦! 頑張れ秋田ノーザンハピネッツ!!
連載企画
雪と闘う
- 大雪が続く中、地域で支え合いながら雪に立ち向かう人々の姿を追う(2/7更新)
復権 森のくに
- 伐期を迎えつつある本県の森林資源を生かす方策を考える(2/18更新)
クニマスがいた
- クニマスの生存が確認された。「幻の魚」発見の軌跡と反響を追った(12/19更新)
秋田教育考
- 全国学力テストで本県の小中学生がトップ級に。学力の秘密に迫る(10/12更新)
協力隊奮闘記
- 地域おこし協力隊として上小阿仁村に赴任した2人の奮闘ぶりを紹介(10/30更新)
ここに生きる
- 何げない日常を追い、秋田に暮らす幸せを考える(2/25更新)
見聞記
- 喜怒哀楽が交錯する街の人間ドラマ。記者が心に留めた出来事を記す。(2/20更新)
素顔のカンボジア
- フォトジャーナリスト高橋智史さんが、カンボジアの「今」を報告(2/19更新)
地方紙特集
- 雪ミク×どうしんウェブ(北海道新聞)
- 再生・口蹄疫(宮崎日日新聞)
- 坂本龍馬の部屋(高知新聞)
- 龍馬動く(長崎新聞)