年金案、財源破綻は明白
首相、自覚足りず逃げに終始
山口代表が追及
菅政権初の党首討論
契約違反の責任重大
公明新聞:2011年2月10日付
公明党の山口那津男代表は9日午後、菅政権が昨年6月に発足して以来初めての党首討論で、菅直人首相(民主党代表)と論戦を行った。山口代表は民主党のマニフェスト(政権公約)の柱である年金改革案と財源案の破綻は明白として、「国民との契約違反の責任をどう取るのか」と追及。逃げの答弁に終始する首相の政治姿勢を厳しく問いただした。
討論要旨
政治とカネ
証人喚問決断を 山口代表
国会で議論して 菅首相
山口代表は、民主党の2009年衆院選マニフェストに盛り込まれた年金改革案の柱であった「年金制度の一元化」と月額7万円の「最低保障年金」について、具体的な内容が全く固まっていないことが国会論戦で露呈したと強調。首相が税と社会保障の一体改革に関する与野党協議を呼び掛けているが、「その前に与党・民主党が案を出すことが必要だ」と指摘した。
その上で、首相が4月に政府・与党として社会保障のあるべき姿を示すとしていることから、「民主党案ができないから、政府案を隠れ蓑にして逃げようとしているのではないか」と追及した。
菅首相は、最低保障年金について「どの範囲の人にどれだけ支給するかまでは、まだ組み立てていない」と中身のないことを認めたほか、4月に示す改革案は「党と内閣と両方が責任を持ち、最終的には内閣の立場で決定して示す」と述べた。
続いて山口代表は、民主党がマニフェストで示した財源について、11年度までに12.6兆円を生み出すとしたにもかかわらず、実際には3割弱の3.6兆円しか捻出できなかったことにも言及。「(マニフェストの)二つの柱である年金案と財源で破綻しており、国民との約束を破ったことになる」と指摘し、「国民との契約違反だから、国民の側からすれば契約解除する権利がある。菅首相は契約違反の責任をどう取るのか」と詰め寄った。
これに対し、菅首相は「マニフェストは4年間で実現する基本的構造だ。任期が終わるまでの実績の中で(国民が)判断するようなあり方が、望ましい議会制民主主義だ」などと責任について明確な答弁を避けた。
このため、山口代表は「国民の信頼がなければ大きな改革はできない。首相が深く責任を自覚しなければ、国民は到底付いていけない」と首相の姿勢を厳しく批判した。
一方、「政治とカネ」の問題に関して山口代表は、野党6党が求める民主党・小沢一郎元代表の証人喚問について、民主党代表としての決断を迫ったが、菅首相は「国会の中で議論して、いずれかの場で説明をするよう努力したい」と逃げの答弁に終始した。
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