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「消費税増税をやるなら、マニフェスト違反だ。八百長相撲を一緒にとってくれという話には乗れない」
(NHKの党首討論中継番組)
谷垣禎一自民党総裁
2月9日、菅直人首相との初党首討論で、首相が社会保障と税の一体改革に関する与野党協議への参加を求めたのを谷垣氏が拒否、民主党との対決姿勢を一段と鮮明にさせた。
菅政権が昨年6月に発足して初めておこなわれた党首討論は、毎年1兆円ずつ増え続ける社会保障とその財源をどう賄うのか、が焦点になった。昨年7月の参院選直前に、突然「消費税10%」を政策に掲げたり、内閣改造では消費税増税論者として知られる与謝野馨氏を経済財政担当大臣として入閣させるなど、菅首相はすっかり消費税増税に積極的なイメージが定着しているが、改造時に「政治生命を懸ける」として掲げたのが「社会保障と税の一体改革」。つまり、社会保障を持続可能にするために、消費税増税をふくめた税制を見直す、ということだった。
9日におこなわれた党首討論では、この「社会保障・税の一体改革」は、「どの内閣でも、だれが首相でも避けて通れない課題」と強調し、与野党で話し合うことを執拗に求めた。成案は、今年6月に「社会保障・税の一体改革」を出す予定となっており、そのたたき台となる草稿を4月につくるから、野党も自らの案を提示してくれ、というのが首相の今回の討論における主張だった。
これに対し、谷垣禎一自民党総裁と山口那津男公明党代表は、(1)民主党はマニフェストでは消費税率を上げるとはいっておらず、国の総予算207兆円(一般会計+特別会計)を全面的に組み替えするとした民主党の公約は破綻している、(2)公的年金制度の一元化や最低保障年金について民主党から具体案が出てない、と指摘した。谷垣総裁は「公約違反の共犯にはなれない。解散・総選挙で国民に信を問うて、勝ったほうが取り組み、負けたほうも協力するのが常道だ」と主張。山口代表は「公約実現の見通しがないのがはっきりしている。責任をどうとるのか。国民の信頼がなければ大きな改革はできるわけがない。言い訳ばかりでなく、厳しく、深く責任を自覚しなければ国民はついていかない」(山口氏)と訴え、そろって協議への参加を拒絶し、即解散を求めた。
いっぽう菅首相は、「解散するということは積み残した課題を先送りすることになる。(自民党と公明党は)国民より党の利益を優先している」と食い下がり、あくまで与野党協議の実施を訴え続けた。また、消費税増税の引き上げに関しては、麻生政権時に成立した09年度税制改正法附則104条で、「消費税を含む税制の抜本的な改革をおこなうため、2011年度までに必要な法制上の措置を講じる」ことが規定されているため、(法改正をしなければ)現政権にも引き継がれることになる。菅首相は、この規定について、「2011年度末までに何らかの法案を提出する」とし、かりに法案が通ったとしても、共通番号の整備などについて議論する必要があり、「必ず国民の皆さんに判断を仰ぐ」と、消費税増税を実施する際には解散することを約束した。
もともと、消費税増税に関しては、自民党には積極的な意見が多く、公明党も社会保障の充実を党の理念としている手前、自公両党と民主党には共通点がある。じっさい、(将来的に消費税率を上げる旨の)09年度の税制改正法は、自公政権のときに成立したもので、菅首相は、こうした共通点をうまく利用し、「ねじれ国会」という苦境を脱しようというのが狙いだった。とりわけ3月にむかえる予算関連法案の成立には、参院で公明党から協力を得たいところだったが、「首相には決意もリーダーシップもないことがはっきりした」(山口氏)と厳しい反論にあった。この討論をみる限り、公明党の協力は得られそうにない。これによって、春先の予算案をめぐる与野党攻防が、菅内閣を追い詰めることになりそうだ。
予算関連法案は、参院で否決されても、衆院で3分の2以上の賛成(318議席)を得れば再可決できる。現在、与党の衆院の保有議席は311。社民党(衆議院6人)は、予算案に普天間飛行場が計上されていることなどを理由に民主党に協力する姿勢を見せておらず、318議席には届きそうもない。さらに党内の小沢グループから造反が起きれば状況は絶望的になる。
党首討論では、谷垣・山口両氏が足並みをそろえて、小沢一郎元民主党代表の証人喚問を要求したのも、背景には、小沢グループが小沢元代表の証人喚問に強く反対している現実を踏まえた読みがあるからだ。かりに首相が再可決を強行すれば党内分裂で首相がますます窮地に追い込まれる。
菅内閣初となった党首討論は、政策論をぶつけあう以前に、政局の駆け引きが前面に出て、「熟議の国会」にはほど遠い現実が浮き彫りになった。みんなの党の渡辺喜美代表は、今回の党首討論を次のように皮肉った。「一見ガチンコ相撲のように見えるが、(民主、自民の)どちらも増税一門だから、やっぱり八百長相撲だ。公明党もバラマキ型の政策なので、民主党と似たりよったりだ」(読売新聞2月10日付)。
関連論文
筆者の掲載許可が得られない論文はリンクしていません。
96年以前の論文については随時追加していきます。ご了承ください。
◆
私の
主張
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石 弘光(放送大学学長)
(2010年)国債発行にまだ余裕あり――消費税増税は景気が回復した四、五年後に
榊原英資(早稲田大学教授)
(2009年)構造改革の継続と加速――目指すは再チャレンジ可能な自己責任社会
菅 義偉(衆議院議員)
(2009年)社会保障を建て直し、あらゆる制度を生活者主権に変えるのが本当の構造改革だ
長妻 昭(衆議院議員)
(2009年)構造改革の方向性は正しい。これからは教育や社会保障に力を入れる仕組みを
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(2009年)社民主義こそ構造改革の本家。システム改革の前に発想転換を
辻元清美(衆議院議員)
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小池 晃(参議院議員)
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(2009年)消費税を上げ老後の安心を保障したほうが長期的には景気浮揚につながる
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(2007年)これ以上の歳出削減は困難。消費税率は最終的に13%が妥当な水準
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(2007年)「増税は歳出削減が前提」の欺瞞。強行すれば格差社会がもっと深刻化する
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(2006年)大増税より、まずは歳出削減が先――税の不公平解消も急務
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(2005年)高齢者に厳しく、巨大輸出企業に甘い消費税の引き上げは許せない
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(2004年)消費税の個人積立年金を導入せよ。消費喚起と老後保障の一石二鳥になる
大和田滝惠(上智大学法学部教授)
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(2003年)不当に低い国債の格付け――無理な発行額の抑制は財政運営を誤らせる
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議論に勝つ
常識
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