映画「沈まぬ太陽」を数日前にテレビでやっていた。映画が劇場公開されたのはついこの間だったような気がする。もうテレビで?と思った
▼日本航空に題材を求め再構築した小説(山崎豊子作)を原作にしている。映画が公開されたころ日航再建問題が正念場を迎えていたのを思い出す。日航は会社更生法による出直しを選択し、現在は再建のさなかにある
▼昨年2月、関西財界から会長に迎えた稲盛和夫氏の下で再建は進行中。その辺りの流れは、ジャンボ機墜落事故後の経営立て直しのため関西財界からトップを迎えた日航の四半世紀前とダブる
▼四半世紀前に会長になった伊藤淳二氏は、社内の反乱に遭い、改革できずに1年余りで去った。稲盛氏の下でのこの1年は、巨額の債務免除などもあって経営の数字は好転した。その稲盛氏が先週の講演で口にしたのは-
▼民主党政権への失望だった。「体たらくには大変落胆している。こんなつもりで支援してきたわけではなかった」などと話した。野党時代から民主党を支援してきたことはよく知られる。その民主党が政権を取り、日航再生のかじ取りを任された
▼国のかじ取りを任された民主党は低空飛行が続く。前内閣に続いて菅直人内閣も支持率が20%を割った。稲盛氏は「いろいろ起こって再び新しい政治体制ができるのでしょう」とも話していた。落日の危機に直面した民主党に、再生の2文字が巡り来る。
=2011/02/15付 西日本新聞朝刊=