野党は17日、民主党の小沢一郎元代表に近い衆院議員16人の会派離脱届提出について「民主党崩壊の序曲が始まった」(谷垣禎一自民党総裁)と歓迎、菅政権への批判を強めた。
谷垣氏は記者会見で「党内のコントロールすらできない菅政権に日本のかじ取りを任せるわけにはいかない」と指摘。早期の衆院解散に追い込む決意をあらためて表明した。
公明党の高木陽介幹事長代理も「党をまとめられないリーダーが国を引っ張っていくのはかなり厳しい」と同調。「これで2011年度予算関連法案の成立は厳しくなった。菅内閣は本当に追い詰められた」との見通しを示した。共産党の志位和夫委員長は「衆院選マニフェスト(政権公約)で国民に約束したことを実行せずに放り投げたことの矛盾が出てきた。民主党が部分的に崩れ始めている」と述べた。
自民党内には、離脱届を提出した民主党議員と「菅内閣打倒で部分的に協力できる可能性もある」(逢沢一郎国対委員長)と期待する声も浮上。ただ、河村たかし名古屋市長と小沢氏が連携する構えを見せていることに「河村市長と連携して『減税』を掲げる新党を立ち上げるなら先が読めなくなる」(谷垣氏側近)と警戒する意見も出た。
一方、社民党は「予算関連法案などをめぐり協議を始めたばかりなのに、社民党の倍以上の議員が会派を出て行くのは話が違う」(重野安正幹事長)と民主党内の混乱に反発を隠せない。阿部知子政審会長は国会内で、民主党の城島光力政調会長代理に「社民党内では公債発行特例法案への反対論が強まっている」と伝えた。
政界再編を目指す無所属の鳩山邦夫元総務相は亀井静香国民新党代表と都内で会談。亀井氏が提唱する党派を超えた「救国内閣」について意見を交わした。
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