沖縄北方担当相を兼務する枝野幸男官房長官は19日上空から南クリル諸島(いわゆる北方領土)を視察した。今回の視察は菅内閣が史上最低の支持率を記録した中で行われている。
最近の世論調査の結果、すでに日本国民の60%が菅内閣の内政、外交政策に不服を示していることがわかっている。政治学者のヴァシーリー・ミヘーエフ氏は野党らの非難は、与党である民主党に愛国的姿勢が欠けている点に集中していると語る。
―日本にとって島の問題はまず内政的な意味を持つ。歴代の内閣の中で領土問題に攻撃的な反応を示さずにいられた首相は誰もいない。ましてロシアと激しく論争を戦わせているときはなおさらだ。最悪の事態となれば野党は与党を倒してしまいかねない。
日本側は昨年10年末の12月に前原外相が北方領土視察をしており、菅首相も視察の意向を表している。今回の日本の内閣ナンバー2の人間が北方領土を視察したということは、日本が示す絶望感と紙一重だといえる。
こうした一方ロシアは日本、中国、韓国をはじめとする諸国の実業界の代表らに共同で南クリル諸島の開発を行うよう提案し、道路、港、空港を作り、水産資源、地熱資源、観光資源の開発を持ちかけている。ロシアが複数の国に南クリル諸島地域への投資を呼びかけたことは、日本に非常に大きな動揺を与えた。政治学者のアレクセイ・ヴォスクレセンスキー氏は、日本は領土問題に対するアプローチを変えるべきだとして次のように語る。
―最も何の実りももたらさないやり方は、第2次世界大戦中に失われたものに対し「これは自分のものだ」と強行な主張を続けることだ。この意味では強硬な姿勢は受け入れられない。なぜなら第2次大戦の結果はあらゆる国際的な合意で認められており、論争の対象にならないからだ。
先日、ロシア政府は日本に対し、第2次大戦の結果を認め、この上で平和条約の締結へ歩みを進めるよう呼びかけた。領土問題はこの文書の枠内で解決されねばならない。なぜなら平和条約は政治、経済、文化方面での協力拡大のための基盤となるべきものだからだ。
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