会派離脱を宣言した民主党議員16人、新事務所で今後について会合 あらためて離党否定
菅首相退陣論に火をつけた「16人の反乱」から4日。週明けも政界を揺らし、攻防は緊迫の度を増している。
会派離脱を宣言した16人が新たに構えた東京・赤坂の事務所に21日午前、半分の8人が集まり、今後も結束して行動していくことを確認した。
渡辺 浩一郎議員は「ぜひ皆さん、同じ気持ちで、結束して、これからいろんな場面に対応していきたいと思います」と語った。
一方、菅首相は21日朝、いつも以上に元気な声で、記者のあいさつに応じていた。
予算委員会で、菅首相は、身内民主党の村越祐民議員から「政権の維持が自己目的化してしまっている。そういう批判を受けてしまっても仕方がないと思う」と言われ、「社会保障と税の一体改革をやらなきゃいけない。この時期に政権を預かった。その歴史的使命を感じて頑張り抜きたい」と、社会保障改革に向けた政権維持に強い意欲を示した。
菅首相は18日、党の内外に広がる退陣論に対して、「(解散の選択肢は?)国民にとって何が一番重要か、必要か。それを考えて行動します」と述べ、衆議院の解散を否定しないことで、解散カードをちらつかせた。
内閣を支える江田五月法相も20日、「総理大臣の一番の武器は解散ですから。何も自ら手を縛る必要はない」と述べた。
こうした中、連立を組む国民新党の下地幹郎幹事長は、21日の委員会で、「自民党が『解散した方がいい』というときは、解散しないのが当たり前。絶対に解散しないで頑張る」と、今は解散すべき時期ではないと、菅首相に直接くぎを刺した。
これに対し、菅首相は「大変貴重なアドバイスいただきました。ありがとうございました」と述べた。
今回反乱を起こした16人は、いずれも先の衆院選で比例単独候補として当選していて、もし今、解散総選挙となれば、小選挙区などの地盤を持たない彼らが国会に戻ってくるのは困難とみられている。
16人のうちの1人、石井 章衆議院議員は19日、地元・茨城で、今回の行動について説明した。
石井議員は「われわれの議員の中でも、菅さんのもとでは、なかなか選挙を戦えないと」と述べた。
石井議員も、政権を奪取した2009年の総選挙で、北関東ブロック31位ながら、民主の風に乗って当選した。
地元後援会の会合では、新党結成も勧められていた。
石井議員は「約束守っていない菅さんとか、あの方々が民主党から出ていってもらいたい」と述べた。
菅首相が解散カードをちらつかせていることについて、渡辺委員は「僕らは比例区ですから、何ともわからないですから。地元があるわけではないので。ともかく民主党の中で頑張る」と、あらためて民主党離党を否定した。
(02/21 17:39)