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乱気流:’11統一地方選 民主、候補選び難航 自民に大きく出遅れ--道府県議選

 ◇[民]640人/[自]1308人

 4月の統一地方選で行われる道府県議選に向け、各党が候補者擁立作業を急いでいる。与野党は早期の衆院解散・総選挙をにらみ、対決色を強めており、統一選を通じ地方組織の強化に全力を挙げる構え。茨城、東京、沖縄を除き、44の道府県議選(定数2497)が4月1日に告示され、毎日新聞の23日現在のまとめでは計3476人が立候補の準備を進めている。政権獲得後初の統一選を迎える民主党の候補者が640人にとどまるのに対し、自民党は1308人で、大きく先行している。【野口武則、念佛明奈】

 民主党は道府県議選で前回(公認476人)を大きく上回る約1300人の擁立目標を掲げたが、23日現在、公認640人、推薦124人と目標の6割弱に低迷している。立候補予定者の辞退などによる公認・推薦の取り消しが今月14日時点で21人に上った。6日の名古屋市長選などでの推薦候補の大敗もダメージで、執行部はてこ入れに躍起だ。

 岡田克也幹事長は統一選で、空白区解消や定数3以上の選挙区での複数擁立という高い目標を掲げた。公認料の倍増など資金援助も充実させたが、菅内閣の支持率低迷で候補の擁立作業は難航。党所属の愛知県議が河村たかし名古屋市長系の新会派結成を届け出るなど、統一選での「民主離れ」を懸念させる動きも起きている。

 道府県議選と同じ4月10日に投開票される13の知事選でも、独自候補の擁立が決まったのは北海道、岩手の2道県のみ。組織強化のため「対立構図を示す」(岡田氏)はずだったが、擁立の遅れや他党との相乗りが目立っている。国民新党は、県議選の公認が秋田、愛媛の計2人で前回の4人を下回っている。

    ◇

 自民党の道府県議選候補は推薦を含めると現時点で1423人。最終的に07年の前回(1647人)並みを目指している。菅政権を衆院解散・総選挙に追い込みたい同党にとって、次期衆院選の実動部隊となる地方議員の確保は重要課題。候補者数では民主党をリードしているものの、みんなの党や地域政党の伸長が予想される中、河村建夫選対局長は「現有議席を少しでも超えたい」と語る。

 03年から3回連続の全員当選を目指す公明党は180人を擁立。高木陽介選対委員長は「地域と国の連携で政治全体を変えるための選挙」と位置付ける。共産党は228人を決定。県議空白県(福井、群馬、愛知、熊本)を解消し全体で現有100議席の確保を目指す。

 統一選初挑戦のみんなの党は25道府県議選(推薦の富山を含む)に候補者を立て、未定の19県議選でも擁立作業を急ぐ。渡辺喜美代表は「全国各地で期待が手に取るように分かる」と自信を示す。

 社民党はすでに55人を擁立。党の存亡がかかる統一選に危機感は強い。たちあがれ日本の公認は徳島県議選1人にとどまり、候補者発掘に苦戦している。

 ◇大阪維新の会59人

 首長が代表を務める主な地域政党では、橋下徹大阪府知事の「大阪維新の会」が同府議選に59人、「日本一愛知の会」が愛知県議選に5人、河村市長の「減税日本」が同県議選に1人を擁立する。

毎日新聞 2011年2月24日 東京朝刊

 

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