混乱の根源は与謝野入閣だ 分裂か別居かで揺れる民主

2011.02.24

 政局の動きがめまぐるしい。鳩山由紀夫前首相の「抑止力は方便」発言、小沢系16人の会派離脱宣言に加え、原口一博前総務相の倒閣宣言などが出た。

 地方でも、河村たかし名古屋市長の「減税日本」が国政進出に意欲を見せたり、橋下徹大阪府知事の「大阪維新の会」など既存政党でない地域政党の勢いがいい。

 本コラムで、夕刊フジ2月10日付「愛知トリプル選の増税否定」、同17日付「日銀のあり方議連」、同22日付「予算関連法案の行方」と書いてきたが、それらは一連の流れだ。

 この流れの先には、民主党の分裂含みで大政局になる可能性がある。その場合には、自民や公明、みんなの党も含めた動きになるかもしれない。

 もう一方向の流れとしてあるのは、政権党というのは強力な接着剤であるが、今の菅政権では統一地方選を戦えないという意思表示というものだ。

 その場合には、統一地方選前には、民主党Aと民主党Bとなり、同じ店名にするが商売は別々にする。これは、地方選挙はほとんどが中選挙区制度なので、かつての自民党の派閥のように同じ党内で争っても当選できるからだ。

 その後、統一地方選が終われば、その選挙結果にもよるが民主党Aと民主党Bは元の鞘に収まることもできる。

 どちらになるかは、前者が日に日に高まりつつある。ただ、原口前総務相も倒閣宣言したかと思うと、すぐに首相退陣論を否定し、予算案と関連法案成立までは見届けるべきとの見解を示すなど、揺れ動いている。

 こうした混乱の根源は、菅政権の変節、特に内閣改造で与謝野馨氏を入閣させたことだ。本コラムの読者は菅直人首相が財務相になってから財務官僚の洗脳を受けて増税論者に変節していったことがわかるだろう。その集大成が与謝野入閣を含めて消費税増税に感化された歴代4人の財務相経験者をそろえた増税オールスターズ内閣だ。

 実は、消費税増税は今の自民党執行部の十八番でもある。かつては小泉構造改革路線で、増税を封印した「上げ潮派」が優勢であったが、自民党末期の麻生政権は小泉路線を否定し、増税路線の与謝野氏が経済運営の中心になった。

 それで、自民党は政権交代させられたのであるから、増税路線を引っ込めればいいものを、今の執行部は、財務省が敷いた増税路線をかたくなに守っている。そのため、河村氏の減税路線が、民主も自民もイヤだという人々の心をつかんだのが、「尾張の乱」だった。みんなの党も、民主と自民に飽き足りない人の受け皿で、小さな政府路線だ。

 増税は大きな政府、減税は小さな政府でもある。大政局になれば、経済政策の対立軸は「大きな政府」対「小さな政府」になるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

 

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