ブログ de 食品学 “2010”

■栄養士養成校の食品学
食品成分から個々の食品の特徴まで色々と学びます

閉鎖のご案内

この記事をクリップ!
2006年4月より5年間にわたり授業のブログを書いてきましたが、3月末には閉鎖の予定です。

統計を取り始めた2007年以降19万以上のアクセスがあり、とりあえず活用されていたことを嬉しく思います。

必要な箇所があれば早めに印刷等しておいてください。

過去問送信

この記事をクリップ!
共通テーマ:
栄養士・管理栄養士 テーマに参加中!
3月20日の管理栄養士国家試験に向け、2月19日(土)より1日2題の過去問を携帯へ送信します。
送信は16日までを予定しています。

問題送信の次の日には回答と解説、そして新たな問題送信となります。また、問題のキーワードを同時に送信しますので勉強に役立ててください。

希望者は授業の質問用メールアドレスへご連絡ください。管理4年生以外の方もかまいません。

食品学2/管14(36-39講義)

この記事をクリップ!
共通テーマ:
栄養士・管理栄養士 テーマに参加中!
■ 動物性食品/乳類
五訂増補日本食品標準成分表 13群 乳類(53食品)
 食品成分表に収載されているそのほとんどが牛乳およびその加工品である。但し、バターは油脂類に収載されている。
 牛乳は乳児から老人まで広く飲用されている食品である。乳及び乳製品の規格等に関する省令(厚生労働省)により乳や乳製品の定義、成分規格、保存法の基準が定められている。主なものは以下の通り

 酸度0.18%以下、比重1.028〜1.034(15℃)、細菌数50,000/g以下、
 大腸菌群 陰性
 乳固形分 11.0%以上、乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上など

牛乳(普通牛乳)の成分と人乳の比較
食学_牛乳成分
・水分と脂質は変わらない。
・たんぱく質と灰分は牛乳の方が多い。
・炭水化物は牛乳の方が少ない。

 成分値が異なるため、調製粉乳の製造では浸透圧を人乳に合わせる目的で灰分量の調製を行なう。また、人乳には牛乳に含まれないDHAなどの高度不飽和脂肪酸が含まれるためこれを添加する事もある。

牛乳の成分(三大栄養素)
たんぱく質
 アミノ酸価91(制限アミノ酸は含流アミノ酸)と良質である。
 カゼイン(80%)と乳清たんぱく質(ホエー)(20%)に大別され、さらにカゼインはαs、β、γ、κカゼインに分けられる。また、乳清たんぱく質にはβ-ラクトグロブリンやα-ラクトアルブミン、免疫グロブリンなどからなる。

 カゼインはそれぞれのカゼインが結合することでサブミセルを形成し、さらにサブミセル同士がリン酸カルシウムを介して結合し0.05〜0.3μmのカゼインミセルを形成している。

 カゼイン → サブミセル → カゼインミセル

 このとき、κ-カゼインはカゼインミセルの外側に偏在しておりカゼインミセル同士の結合が起こらないようにしている。

 カゼインミセルは熱には比較的安定であるため高温で短時間の加熱であれば凝固しないが、カゼインの等電点付近までpHを下げると電荷が失われカゼインミセル同士の結合が起こり凝固沈殿する。これを利用しているのがヨーグルトである。また、子牛の胃に存在するレンネット(レンニン、キモシン)をカゼインに作用させると、κ-カゼインに特異的に作用しこれをパラ-κ-カゼインに分解する。その結果カゼインミセル同士の結合が起こり凝固する。これを利用して作られるのがチーズである。

脂質
 トリグリセリドやレシチン、コレステロールを含む。構成脂肪酸はミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸が多い。また、酪酸やヘキサン酸などの短鎖脂肪酸も比較的多い。

炭水化物
 ほとんどが乳糖(ラクトース)である。ラクトースはラクターゼによりブドウ糖とガラクトースに分解され吸収されるが、ラクターゼの活性が弱いと分解できずに排泄される。このとき、水も一緒に排泄されるため下痢の症状となる。このような症状を乳糖不耐症という。


■ 動物性食品/卵類
五訂増補日本食品標準成分表 12群 卵類(20食品)
 主なものは鶏卵であるが、うこっけい卵、うずら卵なども収載されている。
 食糧需給表によると、消費量は300個/18kg/年/1人である。

鶏卵の構造
 卵白、卵黄、卵殻からなり、重量比はおよそ6:3:1である。
 重量比から60gの鶏卵の各重量を計算すると卵白は36g、卵黄は18g、卵殻は6gとなる。

・卵殻
 主体は炭酸カルシウムで表面には0.01〜0.05mmのクチクラ(層)と呼ばれる薄い膜があり微生物の進入などから卵を保護している。

・卵白
 濃厚卵白と水様卵白がある。水様卵白は卵黄に近い内水様卵白と卵殻に接している外水様卵白に分けられる。濃厚卵白は約50%を占めているが、卵の保存中に濃厚卵白の水様化が起こり濃厚卵白の比率は低下する。

・卵黄
 卵黄は卵黄膜に包まれており、内部はラテブラを中心に黄色卵黄と白色卵黄の層になっている。卵黄膜は卵が古くなると強度が小さくなり、卵黄が崩れやすくなる。

鶏卵の成分
一般成分(鶏卵類)
・全卵 生
  水分76.1%,たんぱく質12.3%,脂質10.3%,炭水化物0.3%,灰分1.0%
・卵黄 生
  水分48.2%,たんぱく質16.5%,脂質33.5%,炭水化物0.1%,灰分1.7%
・卵白 生 
  水分88.4%,たんぱく質10.5%,脂質Tr,炭水化物0.4 %,灰分0.7%
 
 全体を見ると良質なたんぱく質を含み炭水化物以外の栄養素をバランスよく含んでいるが、卵黄と卵白では栄養素に偏りがある。

卵白の成分
 90%近くの水分と約10%のたんぱく質をからなる。脂質と炭水化物はほとんど含まず、ビタミンは若干のリボフラビンを含むのみ。ミネラルはカリウム、ナトリウムが比較的多い。

卵白中のたんぱく質の種類
・オボアルブミン:これが主でたんぱく質全体の50-60%近くを占める。
・オボトランスフェリン(コンアルブミン):金属と結合するため、それを必要とする微生物の繁殖を阻止する。
・オボムコイド:トリプシンインヒビターとして働く。比較的熱に安定であるが、人のトリプシンを強く阻害しない。卵アレルギーの原因物質でもある。
・オボグロブリン
・リゾチーム:ある種の細菌の細胞壁(多糖)を分解するため溶菌作用がある。
・オボムチン
・アビジン:ビオチン(水溶性ビタミン/ビタミンB7)と結合してその働きを阻害する。

卵黄の成分
 たんぱく質と脂質を多く含み、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、ミネラルなども多い。但し、鉄はホスビチンのリン酸と結合しており利用率はよくない。

卵黄たんぱく質
 卵黄中のたんぱく質は脂質とともにリポたんぱく質を形成している。
・LDL:全体の60%以上を占める。
・HDL リポビテリン
・リベチン
・ホスビチン:リン酸化された糖たんぱく質で鉄と結合する。

卵黄脂質
 中性脂肪のほかリン脂質やコレステロールが多い。コレステロールは1,500mg(卵黄100g中)含まれかなり多い。

色素成分
 卵白:卵白の薄黄色はリボフラビンの色である。
 卵黄:卵黄の黄色はカロテノイド系のルティンとゼアキサンチンである。カロテノイド系の色素は植物性の色素のため、これを多く含む餌を与えれば卵黄の色は濃くなるが、あくまでも色の違いであり、栄養価や鮮度には直接関与しない。
 
鶏卵の利用(調理)特性
 熱凝固性:たんぱく質の熱変性によるゲル化。(卵黄の熱凝固が65〜67℃であるのに対して卵白は70℃である。)
 乳化性:卵黄中のリポたんぱく質やリン脂質の乳化作用。
 起泡性:卵白中のたんぱく質(アルブミンなど)の変性により泡ができる。変性は空気変性。

鶏卵の鮮度と保存
 鶏卵は栄養価が高いが、卵殻を割らなければ比較的日持ちのする食品である。これは、前述したクチクラの微生物の阻止や卵白中に含まれるたんぱく質による生育の阻止や溶菌作用のためである。
 鮮度の判定には、卵黄係数、ハウ単位、気室高、比重法などが用いられる。卵黄係数やハウ単位は卵黄や卵白の状態から鮮度を判定する方法である。

食品学実験2/管14(酵素の働きを知る実験2)

この記事をクリップ!
共通テーマ:
栄養士・管理栄養士 テーマに参加中!
■ 実験項目
1) パンクレアチンによるカゼインの分解実験:トリクロロ酢酸による分解の確認
2) ブロメラインによるゼラチンの分解実験:ゼラチンの冷却凝固による分解の確認
ご連絡
22年度全日程終了
補足説明&質問
閉鎖のご案内 (卒業生)
過去問送信 (foodatoz)
過去問送信 (foodatoz)
過去問送信 (foodatoz)
過去問送信 (山口裕子)
過去問送信 (foodatoz)
ブログconcept
アクセスカウンター
  • 累計:

since 070413

過去10日間

    QRコード
    QRコード
    • ライブドアブログ