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【下】 破産 私も苦しんだ2010年12月05日
◎体験語り「孤立」救う ・「法的解決 恥ずかしくない」 和歌山市毛見の会社員山崎康弘さん(46)に借金ができたのは、1997年ごろだった。消費者金融から3万円を借りた。職場や家庭でうまくいかず、うっぷんを晴らそうとパチンコにのめり込んだのがきっかけだった。 高金利の借金はすぐふくらみ、他から借りては返す状態に陥った。4年後には元金が約300万円になった。妻に打ち明けると、妻から自分の両親に伝わり、両親は退職金をはたいて全額返済してくれた。だが「自分に痛みのない返済」(山崎さん)では生活は変わらず、1年もたたないうちにまた借金してしまった。 2002年の秋、妻の勧めで簡易裁判所に相談。無料法律相談会の申し込みの電話で受け付けの担当者から「あざみの会」を紹介された。 多重債務に苦しんだ経験を持つ人たちが中心になって1984年に始めた「あざみの会」は約500人の会員がいる。問題の解決のために情報交換をしたり、相談を受け付けたりしている。 山崎さんの相談を受けた専従相談員の田中千鶴子さん(63)は、自己破産を勧めた。 アドバイスは具体的だった。家計簿をつけ、無駄な出費を洗い出す。そうして弁護士費用や自己破産手続きの手数料として三十数万円をためる。貸金業者からの取り立てには「ありません、すいません」と言うだけで通す。 「取り立て屋が乗り込んでくるのでは」と山崎さんは半信半疑だったが、ひと月もすると取り立て自体がなくなった。会が主催する研修でグレーゾーン金利の仕組みも学んだ。そして03年春に自己破産を申し立てた。現在は借金はすべて解決し、「親子3人笑って暮らせています」と言う。 山崎さんは自己破産後、自ら会のボランティア活動に参加するようになった。「誰かの役に立ちたい」というだけでなく、「この会とかかわっていればまた借金することもない」と考えたからだ。 08年6月、山崎さんは会員らの総会で推され、会長に就いた。8年間にわたって山崎さんを見てきた田中さんは「相談業務に積極的に参加し、講演会でも自らの経験を隠さず語る姿勢が、仲間からの信頼につながっている」と話す。 山崎さんは言う。相談者に自分の経験を話すことで「一人じゃない」ことに気づいてもらえる。「(返済よりも)先に『生活』していいんですよ」と言うと表情が変わる。涙を流す人もいる。あとは本人の意思さえあれば解決できるという。 「法的解決は決して恥ずかしいことではない。多重債務を抱える人は相談に来て、借金のない生活を取り戻してほしい」 あざみの会の連絡先は073・424・6300。=おわり (この連載は張守男が担当しました)
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