栃木県日光市の古河電気工業日光事業所から、毒物のシアン化金カリウムが入った瓶11本(計1100グラム)が盗まれた事件があり、別の窃盗容疑で県警鹿沼署に逮捕された40代の無職の女が「県内の山に瓶を捨てた」と供述していることが11日、捜査関係者への取材で分かった。県警が山中を捜索したところ、空き瓶1本を発見、製造番号などから盗まれた瓶と一致したという。
捜査関係者によると女は1月上旬、同県鹿沼市のホテルでスロットゲーム機からメダルを盗んだとして、同事業所で過去に働いていた30代の男とともに窃盗容疑で逮捕された。毒物が盗まれたとみられる12月下旬、男の車が同事業所付近を行き来していたため追及したところ、女が供述したという。県警は2人が毒物の窃盗にも関与した疑いがあるとみている。
シアン化金カリウム1100グラムには、約280万円相当の金が含まれており、県警は金を取り出す目的だったとみて調べている。【吉村周平】
毎日新聞 2011年2月11日 19時43分