福島のニュース

元職場「金あるの分かってた」 二本松1億円強奪容疑2人逮捕

渡辺知幸容疑者の実家を家宅捜索した捜査員=18日午後7時35分ごろ、本宮市稲沢

 みちのく安達農協二本松支店(二本松市)の多額強盗事件で、福島県警が強盗容疑で逮捕した男2人のうち1人は同農協の元職員だった。「金があるのは分かっていた」。元職員は県警の調べに対し、こう話したとされる。かつての職場が計画的に狙われ、斎藤道雄組合長は「現時点では何とも言えない」と表情を硬くした。組織の危機管理が問われる事態に、関係者が受けた衝撃は大きい。

 逮捕されたのは、本籍本宮市、元みちのく安達農協職員の無職渡辺晃容疑者(30)と本宮市白岩、無職渡辺知幸容疑者(32)。県警によると、2人は本宮市東部の同じ集落で生まれ育ち、小学校時代からの友人だという。
 農協関係者や近所の住民によると、晃容疑者は高校卒業後、農協に就職し約2年前に退職した。同僚らと金銭トラブルがあったと語る職員もいる。退職後は人材派遣会社に登録し、住所を変えながら、さまざまな仕事をしていた。
 知幸容疑者は高校を中退し、職を転々としていた。晃容疑者が知幸容疑者の自宅に遊びに来ることも多かったという。
 2人を知る30代の男性は「やんちゃなところはあったが、そんな大それた事件を起こすとは思えない」と首をかしげる。
 みちのく安達農協の本店と、事件があった二本松支店は同じ建物の1階と2階。本店に勤務経験のある晃容疑者に関して説明を求める報道関係者が集まったが、2人の逮捕が発表されて間もなく、シャッターが下ろされた。
 支店の職員らは一様に「分からない」「本店に聞いてほしい」とうつむきがちに立ち去った。
 福島県農協中央会は「逮捕されてほっとしている。元職員の逮捕は残念だが、辞めた人までは管理できない」としている。


2011年02月19日土曜日


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