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「飲酒強要で重大事態」退学や停学に 佐賀大が細則 | ||
佐賀大学は、学生が飲酒強要で死亡事故などを引き起こした場合、退学や停学処分を科すことなどを定めた懲戒細則を施行した。未成年の学生が飲酒後に死亡した問題を受け、あいまいだった懲戒基準を明文化した。昨年末から実施していた飲酒が伴うコンパの事前届け出制では、大学公認の部活やサークル101団体を対象に義務化した。
昨年3月、ラグビー部の1年生男子=当時19歳=が卒業生送別会で酒を飲んだ後に死亡した問題を受け、懲戒基準を協議してきた。
細則は2月9日に施行。一気飲みなどを強制して死亡や長期入院、後遺症など「重大な事態」を引き起こした場合、退学か停学処分を科す。未成年者と知りながら酒を勧めたり、未成年者自らが飲酒したりしたケースは、停学か訓告にする。さまざまな犯罪行為や飲酒運転による交通事故、試験の不正行為などに対する懲戒基準も併せて定めた。
12月から運用してきたコンパの事前届け出と飲酒事故防止の誓約書提出については1月中旬、学生団体に義務化を通知し、これまでに28件の届け出があった。新入生歓迎や送別会、試合後の打ち上げなど公的行事が対象で、同好会や少人数の飲み会は対象外という。
佐賀大によると、九州・沖縄の11国立大学法人で学生に対する懲戒規定があるのは5大学。そのうち鹿児島大と鹿屋体育大が飲酒に絡む懲戒を明文化している。
未成年者らの飲酒事故について学外には「そもそも刑事罰の対象」として関係者の厳しい対応を求める意見がある一方、「コンパ届け出制や厳罰化をしても事故の根絶にはつながらない」と形骸化を懸念する声もある。
佛淵孝夫学長は「必ずしも学生を罰するのが目的ではない」としながら、「事故が起きて『あの時やっておけば』では遅い。少しでも抑止効果が期待できるとすれば取り組むべき」と制度的対策の意図を説明。飲酒教育も進める考えを示した。 |
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2011年02月24日更新 |