(38)時空警察ヴェッカーサイト

2011.02.22


本公演出演者たちによる集合写真【拡大】

 市川由衣、小倉優子、しほの涼、仲村みう、山口ひかりといった数々の人気アイドルたちが出演し、人気を博してきたSF特撮作品・時空警察ヴェッカーシリーズが、その10周年を記念して初の舞台化! 劇団紹介コーナー「ピンスポ」第37回は「時空警察ヴェッカーサイト」(http://www.wfoxx.com/wecker_sight/)を紹介します。

 今から10年前の2001年、オリジナルビデオ(全3巻)としてスタートした時空警察ヴェッカーシリーズ。主演少女たちによる主題歌CD、キャラクタショーをはじめとするイベントへの出演、漫画連載、フィギュア化、ファンブックといった様々なメディアミックス展開(この規模の実写映像作品としては初といってもいい幅広い展開だった)が行われ、その《美少女アイドル》+《SF世界観設定》+《魅力ある衣装》という組み合わせが一部ファンから絶大な支持を受けることとなった。そして翌2002年、多くの声に後押しされてテレビ朝日でドラマ化。まだ駆け出しであった市川由衣・小倉優子は、この作品をステップに活躍の場を広げていくこととなる! その後、東京MXでのテレビドラマ化を経て、一昨年2009年に映画化(『時空警察ハイペリオン』という後継作品名で)! まだ展開されていないのはゲームと舞台くらいという状況の中、10周年にあたる今年、ついに満を持してオリジナル舞台作品が作られることとなった。シリーズファンの人だけでなく、舞台をまだ観たことがないという人にも、この機会を逃さないでぜひ観てほしい!

 24日〜27日に計7公演、渋谷区文化総合センター大和田6F“伝承ホール”にて上演される時空警察ヴェッカー10周年記念公演『時空警察ヴェッカーサイト』の稽古場へ。原作・総監督・演出の畑澤和也、そしてディアナ役として出演するAKB48teamAの仲谷明香、ミク役で出演のAKB48teamK・田名部生来を直撃した!

■伝えたいものが何かが1番大事!

 10年続いている作品は、漫画やアニメ、ゲームでも本当に数えられる程度である。先に述べた通り、時空警察ヴェッカーはオリジナルビデオ・テレビドラマ・映画と、様々なアプローチで続いてきた。

 「私が言うのもなんですが“よくぞ続きました”という感じです(笑)。アプローチを変えてきたというのももちろんですが、ビデオメーカーを変え、テレビ局を変え…10年続いている作品でこのような作品はないんじゃないんですかね(笑)。思い返せば、この作品が自分にとっての映像監督デビュー作品でありました。そして今回、縁があって舞台演出を初めてやらせてもらうことになって…そういった意味でも、自分にとってもとても大事な作品になっています! 映像監督デビューの時もそうでしたが、初めてチャレンジするというのは精神的にもかなりの負担です。その世界一筋でやってきている人に申し訳ないという思いもあったりします。でも、自分の中では、例えメディアが変わったとしても、《伝えたいものが何かが1番大事》なことだと思っているんです。作品コンセプト・物語創作・芝居作りといったものが最優先されなければ、どのメディアであろうとファンはつかないと思っているんです。正直、技術的な部分やそのメディア独自の表現方法などはサポートしてもらうことが出来ます。が、柱の部分はサポートしてもらうことは出来ないし、ここがしっかりしていなくては、作品の方向性がブレてしまい、ファンだけでなくスタッフ・役者たちまでもが気持ちが入らないものとなってしまうんで。とにかく、今回の舞台作品でも、まずは柱をしっかりとと考えています」(畑澤)

■作品というものは同じ方向を見て作っていくもの

 一昨年の映画公開の際、映画館でちょっとした寸劇のイベントも行われた。出演者たちが殺陣などを観客の前で披露をした。

 「それまでのシリーズでは、イベントがあったとしても歌やトーク、そして握手会といったものしか出来ていませんでした。一昨年、映画館で寸劇をやった際、『あー、こういうのもいいなぁ。いつかはちゃんとした舞台公演もやってみたい』と思ったんです。で、今回、たまたま主催であるダブルフォックスさんから“会場を押さえたけれど、まだ演目が決まっていない”という話があって、『ちょうどヴェッカーシリーズが10周年にあたるし、これはタイミング的にも今がやる時かもしれない!』と思い込んだんです(笑)。初めての舞台演出で、改めて気付かされたことが1つあります。それは、演出家・役者・スタッフという立場に関係なく、作品というものは“一緒に同じ方向を見て作っていくもの”なんだなと。何を今更なんですが(笑)。ヴェッカーで映像監督デビューして以来の10年、数々の作品を撮ってきている内に、自分も役者もパーツの1つみたいな考えも持つようになっていたのが正直なところでした。そして、やったことない舞台に関しては、役者のものだと思い込んでいるところもありました(笑)。2ヶ月一緒に稽古をしてきて、そのへんが自分としては1番変化があったところですかね。…といいますか、こんなに長い期間、毎日のように役者と長時間一緒にいるのが初めてだから、また違った部分も見えてきたのかも(笑)。映像の現場に戻っても、新しい捉え方で作品作りをしていけそうだと楽しみです!」(畑澤)

■ヴェッカーシリーズ不変のテーマ

 時空警察ヴェッカー10周年記念公演『時空警察ヴェッカーサイト』のテーマは“正義と愛”だ。

 「“正義と愛”がテーマっていう作品、最近聞きませんね。確かに現代社会では絶対正義も絶対悪も、また無償の愛なんてのもないかもしれません……本作の登場人物たちは、それぞれ自分の“正義”を持ってそれぞれの“愛”を語ります。ご覧になった方にとっての“正義”とは何なのか? “愛”とは何なのか? 普段考えることもないでしょうから、この機会にちょっとでも考えてもらえたら嬉しいですね。そして、もうひとつの作品テーマは、このヴェッカーシリーズ不変のテーマである《時を超える想い》です! 時を越える力を持った者だけが背負わなければならない責任、その宿命です。シリーズファンはもちろん、初めてこの作品を観るという人にも、その心に登場人物たちの想いが届けばいいですね。…とはいえ、基本的には娯楽作品です。演劇というよりショーとして作っているつもりです。肩に力を入れず、大人のためのヒーローアクションショーという風に見ていただけるのが一番いいかもしれません。ただ殴る、蹴るだけではなく“ドラマのあるアクション”を、もはや自分と共同演出と言えるアクション演出の岩田栄慶氏ががんばってつけてくれています。そのへんもぜひ楽しみにしてほしいですね。それから本作ではシリーズ史上初めて男子チームが加わり、恋愛という色づけもされています。若い魅力的なキャストばかりです。ぜひぜひ劇場まで足をお運び下さい!」(畑澤)

■こんな私を観ることが出来るのはこの作品だけ

そして、本公演に出演する仲谷明香(AKB48teamA)&田名部生来(AKB48teamK)の2人に、本公演に向けての意気込みとコメントを頂いた!!

 「ディアナ役で出演させていただきます。ディアナちゃんは1番アイドルっぽいキャラで、きゃぴきゃぴした子です。正直、私とは真逆のタイプですね。AKB48での、のっぺりまったりしている私(笑)を知っている人たちなら《お〜、こんななかやん初めて見たぞ》って驚くことでしょう。怒るシーンがあって、そこで“プンプン”ってかわいくやるんですけれど……その最初の稽古で演技指導されて、『ここまで作り込んでやらなきゃいけないんだ』って自分自身が驚いたくらいですから(笑)。え〜、とにかく、こんな私を観ることが出来るのはここだけですってことで(笑)。登場シーンとラストシーンにダンスがあるんですけど、そっちも頑張りたいと思っています。しっかり覚えなきゃ! あと、私は人見知りする性格なんですけど、この作品の稽古を通じて、自分からも話しかけられるようになってきました(笑)。今までに出演させていただいたライブや舞台(AKB歌劇団など)は、知っているメンバーたちばかりだったので。そういった意味でも1つのキッカケになってくれている作品です。ぜひ観て下さい!」(仲谷) 

 「ミク役で出演させていただきます。主人公の1番の友達の役です。感情的で負けず嫌い、そしてツンデレ(笑)……とても自分に似ている子です。あ、でもツンの部分が私はもうちょっと強いですかね(笑)。もともと私は特撮が大好き(特に戦隊シリーズが好き)で、実は時空警察ヴェッカーのテレビシリーズもちょっと見たことがあったんです。そういうこともあって、雰囲気はすでに何となくイメージにあったので、『あの作品に出られるんだ!』って感じで稽古初日を緊張し過ぎることもなく迎えられましたね。今回私が出演するシーンは限られてはいるんですけど、とても重要な場面であり、物語における“大事なキーポイント”になっています。なので、今は本番に向けて気持ちを作っていっています。そのシーンに賭けてます! あ、それと、私はコスプレ好きでもあるので、今回のかわいい衣装がとても嬉しいです。きっと皆さんにも喜んでもらえるはず! ぜひ劇場に足をお運び下さい」(田名部)

時空警察ヴェッカー10周年記念公演「時空警察ヴェッカーサイト」

【日程】2月24日(木)〜27日(日)/計7ステージ

【会場】渋谷区文化総合センター大和田6F“伝承ホール”

【原作・総監督・演出】畑澤和也

【出演】山沖勇輝、磯貝龍虎、紅葉美緒、八戸亮/鮎川穂乃果、仲谷明香(AKB48)、南場映里、篠原杏里/中村太一、大山貴世、森川和真、高口幸子、岩田栄慶(キャスタッフ)、田名部生来(AKB48)/繭Co.、サミー=ネービル、田ヶ原章蔵/伊藤貴重、加藤慧、駒形美如、仙城聡、田代大一朗、田代拓、高岩明良、土田ひろ子、林美和、福島達朗、山本研二他/スペシャルゲスト:しほの涼、山口ひかり

【公演概要】愛と友情の名のもとに、時空を駆け、青春を賭けて戦う若者たち! 今度の舞台は中世のヨーロッパ?? 古代のエジプト? それとも戦国時代?

チームヴェッカーとチームペンデルの運命は? ジグラットは何を企むのか?

【サイト】http://www.wfoxx.com/wecker_sight/

■取材先劇団募集

『ピンスポ』は取材先劇団・ユニットを大募集中です。詳細は本コーナーをプロデュースするコンテンツプロダクション・株式会社ルートデザイン公式サイトまで!http://contents-pro.com

■チケットプレゼント

時空警察ヴェッカー10周年記念公演『時空警察ヴェッカーサイト』の2月25日(金)15:00〜&27日(日)12:00〜に各1組2名様の計2組4名様をご招待致します! お申込は演劇ライフ(http://engekilife.com/)のプレゼントコーナーより。 

次回(第39回)の掲載は3/1(火)です。お楽しみに。

 

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