日銀:「財政再建不可欠」総裁が警告

2011年2月7日 20時45分 更新:2月7日 20時58分

日本外国特派員協会で講演する日銀の白川総裁=東京・有楽町で2011年2月7日午後、共同
日本外国特派員協会で講演する日銀の白川総裁=東京・有楽町で2011年2月7日午後、共同

 日銀の白川方明総裁は7日、日本外国特派員協会で記者会見し、日本の財政状態について「非常に悪い状況」と指摘した。会見前の講演でも「過去の歴史が示すように、どの国も永久に財政赤字を続けることはできない」と述べ、日本経済復活のためには財政再建が不可欠と警告した。

 白川総裁は、欧州諸国の財政危機を例に「財政の維持可能性に対する信認が低下すると、財政と金融システム、実体経済の3者の間で負の相乗効果が生じ、経済活動にも悪影響が及ぶ」と影響の深刻さを指摘。そのうえで、財政バランスの改善は「インフレによって達成される課題ではない。物価上昇が長期金利に織り込まれれば、国債の利払い負担が増える」と述べ、インフレ頼みの財政再建は困難との見方を強調した。

 白川総裁はまた、デフレ脱却に向けて「(日銀による)潤沢な資金供給は重要だが、これだけで解決するわけではない」と述べ、政府に規制緩和や税制改革、市場開放を急ぐよう求めた。一方、足元の景気は「踊り場から脱却する蓋然性(がいぜんせい)が高まってきた」として、景気が遠くないうちに回復軌道に乗るとの認識を改めて示した。【清水憲司】

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