四国運輸局は21日、せと観光ボート(広島県呉市、森忠幸社長)が高速船で運航している今治―呉航路の事業廃止届を受理した。燃料費高騰と利用者低迷が理由で、呉港から広島側島しょ部の大崎下島(大長)までを3月23日に、今治―大長を8月21日にそれぞれ廃止。今治港と本州を直接結ぶ航路が姿を消すことになる。
同航路は2006年12月、今治―大長で営業開始。07年7月には本州に航路を延ばし、10年12月から呉港が終点になっていた。現在は1日2往復で、大崎下島と豊島の計3港に寄港している。
同社は07年7月から約1年4カ月、大長―呉市仁方の離島航路運航補助金(計2666万円)を呉市から受けていたが、08年11月の安芸灘とびしま海道全通で補助金が廃止に。終点変更などで利便性向上を図ったが、最近の利用客は1日10~15人程度にとどまっていた。