2011年2月4日 21時56分
住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)に接続していない東京都国立市の対応の違法性が争われた住民訴訟で、東京地裁は4日、「未接続は違法」とする判決を言い渡した。「司法が自治体の実情を全く理解していない判決で、大変残念。控訴します」。国立市役所で会見した関口博市長は、ぶぜんとした表情で切り出した。住民のプライバシー保護などの点で「住基ネットが安全だとは言い切れない」とこれまでの主張を繰り返し、改めて「今の段階では接続する選択はない」と強調した。
関口市長は02年に住基ネット離脱に踏み切った上原公子前市長の路線を継承し、計3度にわたる国、都の是正要求・勧告を拒み続けている。
判決は年間約56万円のシステムサポート委託料の支払いの差し止めを命じたが、関口市長は「再接続しなければならないような事態になった時に備え、必要なデータを蓄積するための支出。これを差し止めろというのは実情をあまりにも理解していない」と憤った。【浅野翔太郎】