2011年2月4日 20時49分
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4日、国際宇宙ステーション(ISS)に無人補給機HTV(愛称こうのとり)2号で運んだ日本の新しい実験装置「温度勾配(こうばい)炉」が正常に起動しない不具合が起き、同日から始める予定だった実験を延期したと発表した。約2週間かけて原因を調べる。
JAXAによると同日午前0時ごろ、炉を点検中に、実験材料の自動交換装置と運転制御装置との間で通信エラーが発生。地上から復旧を試みたが回復しなかった。
この炉は日本実験棟「きぼう」に設置。三つの真空加熱室を持ち、実験材料を最高1600度に加熱できる。無重力空間で材料を溶かして再び固め、地上ではできない結晶にするなど新素材の開発につなげるのが目的で、材料交換は自動交換装置を使うなど、ISS搭乗員の作業を減らすよう設計されていた。【山田大輔】