豪雪:家庭用除雪機が買えない!在庫少なく、増産も困難

2011年2月4日 15時0分

民家でも大活躍の除雪機だが、豪雪で全国的に入手が困難に=秋田県大仙市協和境で、小林洋子撮影
民家でも大活躍の除雪機だが、豪雪で全国的に入手が困難に=秋田県大仙市協和境で、小林洋子撮影

 日本海側での記録的な豪雪に伴い、家庭用除雪機の注文が殺到し、品薄となっている。東日本だけでなく、北陸や山陰など西日本まで広い範囲で販売台数が増加。メーカーの在庫はほとんど底をついているが、生産ラインの関係から今後の増産は困難という。雪かきの重労働に疲れ切った高齢者からは「買いたくても買えない」と悲鳴が上がっている。【小林洋子】

 「1月は連日注文や問い合わせの電話が鳴りっぱなしだった。申し訳ないが、もう手配はできない」。秋田市内で除雪機を販売する会社の金(こん)毅社長(69)は、深刻な表情を浮かべた。

 家庭用除雪機の価格は50万~100万円程度が中心。メーカーや販売店によると、高齢者を中心に90年代半ばから普及が始まり、ここ10年ほどで購入者が急速に増えた。同社は例年10台ほど販売しているが、今年は「もはや自力では雪かきができない」「機械に頼りたい」と訪れる人が多く、正月明けには在庫がゼロになったという。

 4日午前9時現在の秋田県南内陸部(横手市)の積雪量は、平年の2倍以上の156センチ。県南部の大仙市の除雪機販売店では、すでに来冬入荷分の予約を5件受け付けた。金社長も「お客さんには『来年まで頑張ってください』と励ますしかない」とこぼす。

 除雪機を製造するホンダによると、今冬は長期予報などを基に平年並みの積雪と判断して生産計画を立てたが、年末の大雪で駆け込み需要が急増したため1月に増産。製造台数は例年より3割も増やしたが、それでもすでに在庫はほとんどないという。

 同社広報部は「今年は西日本まで広い範囲で大雪になっているため、販売台数が伸びた」と分析する。

 ヤマハ発動機も1月中にほぼ完売した。除雪機は、トラクターやコンバインなど農機具の委託生産ラインを使って5~11月に製造しており、担当者は「予想外の大雪に見舞われたが、これから増産するのは難しい」と話している。

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