アメリカ東部で、中国の新疆ウイグル自治区の歴史や文化を紹介する大規模な展示会が始まり、在米ウイグル族の団体は、展示会はウイグルの歴史をねじ曲げ、中国政府による少数民族への弾圧を覆い隠そうとするものだと批判しています。
「シルクロードの秘密」と名付けられたこの展示会は、アメリカ東部のペンシルベニア大学の博物館が中国政府の協力で18日から始めたもので、新疆ウイグル自治区で見つかったおよそ4000年前のミイラをはじめ、民族衣装や絵画などウイグルの歴史や文化を紹介するおよそ130点が展示されています。式典で中国政府の担当者は、「異なる国どうしが互いに寛容の気持ちを持つようになるだろう」と展示会の意義を強調しました。新疆ウイグル自治区では、2年前、政府に不満を持つ住民による大規模な暴動が発生し、アメリカ政府は中国の治安当局がウイグル族に厳しい弾圧を加えていると非難していました。中国政府によるウイグル族への人権侵害を批判している在米ウイグル族の団体は、「今回の企画は中国政府がウイグルの歴史をねじ曲げ、少数民族への人権侵害の事実を覆い隠そうとするものだ」と抗議しています。また、アメリカの専門家の間でも、中国は展示会を通してウイグル族の文化を尊重する姿勢を示すことで人権問題への批判をかわそうとしているのではないかとの見方が出ています。