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五十嵐 大介 (いがらし だいすけ)
東京報道局 経済グループ(現・社会グループ) 2003年入社
経済が世の中に、生活に、与える影響とは。
経済グループでは、各記者が様々な担当に分かれて日々ニュースを追いかけています。たとえばある人は官公庁を担当して経済政策を追いかけたり、またある人は担当業界の企業を追いかけたりしています。その中で私は電機・IT業界の企業を担当し、各社の新製品の発表や経営戦略などを追いかけています。私が日々の取材を通じて大切にしているのは、彼らの活動が世の中や生活にどんな影響を与えるのかをウォッチし、伝えていくこと。私たちは経済専門誌ではありませんし、読者の層も幅広いため、事実だけを伝えたり、専門的な情報を伝えるだけでは一般誌としての役割を果たせないと思うからです。また、私は他社で記者の仕事をした経験があるので感じることですが、朝日新聞の場合、自分が追求したいテーマを積極的に取り組ませてくれる風土があります。だからこそ、本当に読者にとって役立つ情報が提供でき、またそれが朝日新聞ならではの切り口につながっているのだと思います。
1つの視点だけでは、本質は見えてこない。
以前、経済グループで流通業界を担当していた時、ある大手スーパーのプライベートブランドで業者による食品偽装事件が起こりました。しかし、生産者名にはスーパーの名前があるだけで業者の名前はなく、これは一体どういうことなのだろうと取材をはじめました。すると、そこには生き残るためにより低価格な商品を仕入れるスーパーの苦悩や、利益圧迫に苦しむ下請け零細企業の悲痛な姿があり、売る側にとって勝者のいない価格競争の実像が見えてきたのです。世の中のあらゆるものごとは、見る視点によって様々な見方をすることができます。この価格競争も消費者として考えれば低価格はメリットでしかありませんが、生産者の視点で見ると別の側面が見えてくるのです。私は記者として、新聞社は事実だけを伝えるだけでなく、いろいろな視点で情報提供するべきだと感じています。私自身はこれからもそのスタンスを大切にして、世の中で起きていることを読者に正しく見極めてもらえるよう伝えていきたいですね。
入社動機 日本の大学を経て、アメリカの大学院でジャーナリズムを学び、大手通信社へ入社。約4年間、海外向けの記事を担当。その後、より多くの読者の反響を受ける環境に身を置き、記者として自分が気になるテーマを徹底的に追求して世の中に伝えたいと朝日新聞へ転職。
キャリア これまで宇都宮総局、小山支局、長野総局で記者経験を積む。2007年4月には東京本社の編集センターに異動し、硬面と呼ばれる政治、経済、外交面などの編集を担当。08年5月より経済グループへ。経済にはもともと興味があり、自ら志望して異動。10年10月から社会グループへ。