セブン&アイ・ホールディングスは23日、傘下の百貨店、そごう・西武の「そごう八王子店」(東京都八王子市)を来年1月末に閉店すると発表した。都心部の百貨店では売り上げが回復する傾向も見られるが、郊外や地方は苦戦が続いている。
そごう・西武は、西武池袋本店(東京都豊島区)など都心部の店舗を強化。八王子店はファッション中心に改装しテコ入れしたが、「周辺地域に客を奪われた」(萩原秀之経営企画部長)ため、11年2月期は4期連続の営業赤字になる見通し。改善のメドが立たないため、閉店を決断した。
今年1月の地区別百貨店売上高は、東京、横浜地区がプラスに転じたものの、四国地区は43カ月連続、九州地区(福岡を除く)は41カ月連続で前年実績を下回り、地方は冬の時代が続く。
昨年は、全国で11店舗が閉店し、今年も既に2店が閉店した。消費低迷に加えて大型ショッピングセンターなどとの競争も激化しており「今後も地方百貨店の店舗整理は続く」(大手百貨店幹部)との見方もある。
地方では百貨店が地元商店街の核になっているケースが多く、撤退後の後継テナントが決まらない場合、地域経済の地盤沈下に拍車をかける恐れもある。【井出晋平、谷多由】
毎日新聞 2011年2月23日 20時57分(最終更新 2月23日 22時11分)