絹旗「浜面浜面、今日暇ですか」1続き


739 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/12(月) 00:17:15.80 ID:FKj4Jbco

「……絹旗」

「ど、どうかしましたか」

「それ、やってて恥ずかしくねえ?」

浜面が宙を舞った。

「こ、このタイミングで言うとか超最低ですふざけんなバカヤロー!」

「ぐ、ご、死ぬ、超死ぬ」

「死ねっ! 超死んでしまえ!」

ソファに手を付きよろよろと体を起こした浜面は、けれど立ち上がらずに絹旗の顔をじっと見たままだった。

「……なんですか」

「……」

絹旗の問いに浜面は答えず顔をそらす。
そのまま頬を掻きながらあー、うー、と唸った後、

「その……なんだ。その顔が……」

「私の顔がどうかしましたか」

「……恥ずかしがってる顔が、めちゃくちゃ可愛い」

ぼっ、と火が点いたように赤くなり、なな何を超言ってやがりますか、と言い返しそうになるが、ぎゅっとワンピースの裾を握ったまま固まった。

「絹旗」

浜面は絹旗に右手を伸ばし、

「もっと、近くで見せてくれ」

「……」

恐る恐る近付いてきた絹旗の手を取り、浜面は優しく引き寄せそのまま抱き締める。

「……キス、するぞ」

返事を待たずにそのまま口付けた。

740 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/12(月) 00:32:31.60 ID:5sNU8wEo
とりあえずパンツ超脱ぎました

742 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/12(月) 00:51:57.21 ID:1/fDdNso
結局、パンツなんてとっくに脱いでる訳よ

743 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/12(月) 00:56:33.07 ID:FKj4Jbco

先ほどまでの優しく重ねるだけのものとは違い、今度は唇を啄ばまれ、軽く舌で舐められた。
絹旗はぎゅっと目を閉じ浜面の服を握り締める。
浜面の荒い鼻息が頬をくすぐる。顔が物凄く熱かった。

「ふ――」

お返しに浜面の唇を軽く食むと、頬にキスされた。
嬉しかったらしい。もう一度唇を挟むと、今度は頭の後ろに回された手に力が入った。

(もっと――やって欲しいんですか)

もう一度甘噛みしようとして軽く唇を開くと、ぞろりと舌を入れられた。

「ん――!」

驚いて目を開くと、浜面の顔がすぐそばにあった。

「――」

自分からしてきたというのに、浜面はどこか泣きそうな目をしていた。
抱き締める腕の力も心なしか弱くなっている気がした。

「――」

絹旗は目を閉じる。
体を数ミリ浜面の方に押し出す。
それから少しだけ躊躇って、舌で浜面に軽く触れた。

ぴくりと浜面の体が震える。
ゆっくりと両手に力が込められ、ちゅ、と口の中で音がした。

徐々に浜面の舌の動きが荒くなっていく。
貪るようなキスに絹旗は舌を絡めて応えた。

まるで、洋画のワンシーンのようだと思う。
決してロマンチックなものではない。粗野で乱暴なものだ。けれど。

そんな必死になって自分を求めてくる浜面が、絹旗には愛おしくて仕方がなかった。

だから絹旗は応える。舌を吸い、臼歯を舐め上げ、唇を噛んだ。キスが堪らなく心地よかった。
お互いの口の周りはきっとべとべとだろう。けれどそんな事はどうでもいい。
絹旗はただ、夢中になって浜面にキスをした。

744 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/12(月) 01:00:25.56 ID:SKw4Kuwo
読んでて若干息が荒くなってる俺キメェwwww

746 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/12(月) 01:31:28.14 ID:FKj4Jbco

どれだけキスしていただろうか。
ようやく後ろに回されていた手から力が抜け、唇を離すと絹旗は自然にほうと息を吐いた。

「……浜面、超エロいです……これはもう超犯罪です」

「お、オマエだって……」

「私だって、なんですか」

浜面は絹旗を――力が抜けたのか腰を落とし真っ赤になって上目遣いに浜面を見上げる絹旗を見て。

「……犯罪級に可愛いだろうが」

その答えに絹旗はびくうっ! と肩を震わせ、「かかかっかかわかわわわ」などとうろたえるが、浜面に抱き寄せられ大人しくなった。

「あーダメ。マジ俺ダメだわ。死ぬ。絹旗が可愛すぎて死ぬ」

「……」

「絹旗、悪い。嫌だったらぶん殴ってぶっ飛ばしてくれ――止まらねえ」

最後の良心か絹旗の肩を押して体を離そうとするが、

「……浜面」

絹旗は浜面の手を軽く退ける。
そのまま自分から抱きつき、浜面の頬にキスをすると、小さく耳元で囁いた。

「――超可愛がってください」

またキスされた。

748 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/12(月) 02:00:52.85 ID:FKj4Jbco

口付けしたまま、背中に回された手が背中を優しく撫でる。

絹旗はそれに耐えるように半ば必死に浜面の舌を舐めた。

ゆっくりと背を撫でていた手がすっと脇に回される。

ぴくりと体が震えるが、絹旗は無言でキスし続けた。

恐る恐る胸に触れらた手に絹旗は、ああ、心臓の音が超ばれちゃいます、などと若干的外れな事を考える。

少し体を離し腰を浮かせる。

まるで簡単に壊れてしまう超高級なガラス細工を扱うかのような指先を絹旗はもどかしく思う。

ニットの上から撫でる浜面に絹旗は手を重ね、唇を離す。

「……すみません」

「な、何が」

うろたえる浜面には絹旗が次に言うセリフが分かっているだろう。

「……超揉みしだけるほどなくて」

自分でも言っていて悲しくなってくる。

他のアイテムの二人はともかく、少なくとも麦野ほどスタイルはよくない。

今ほど自分の体を恨めしく思った事はなかった。

「……絹旗」

「なんですか。気休めなら超いらな――」

浜面は、小さい方がいいだとか、絹旗のがいいだとか、そんな事は言わずただ。

「可愛い」

そう言って覆い被さるようにしてキスをされ、絹旗の背はソファに押し付けられた。

749 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/12(月) 02:26:27.40 ID:FKj4Jbco

「んっ――」

思わず跳ね上がった右手は浜面の左手に止められ、そのまま握られた。

「はま――ふぁ、浜面――ちょっと」

やわやわと左胸を揉む手を握り、むりやり止めると浜面はようやく唇を離した。

「……浜面」

「な、なんでしょうか」

超ビビリ顔の浜面を絹旗は半眼で睨めつけ、

「背中、超痛いです」

「あ、う、……悪い」

「浜面って優しいんだか乱暴なんだか分かりません。女の子は超優しく扱うものだって先生に習いませんでしたか?
まあ浜面は超見た目通りのおサルさんですから? これくらい超教養のある私が大目に見てあげないといけないんでしょうけど」

だあああああこんな時に何言ってやがりますか私はー! と勝手に毒を吐いてしまう口に心の中で悶えてたりするのだが。

そんな絹旗を浜面はひょいと抱き上げる。

「ひゃわ!?」

そのまま場所を入れ替えるように体を回転させ、絹旗を横抱きに浜面はソファに倒れこんだ。

「これなら痛くないか?」

「……はい」

俯くように頷いた頬にキスされた。

「……続けるぞ」

さすがに今度は答えられなかった。

750 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/12(月) 02:53:00.49 ID:FKj4Jbco

くすぐるように触れる指がもどかしくて仕方ない。

いや、優しくと言ったのは絹旗自身なのだが、これはもう半ば嫌がらせだ。

ん、と身悶えして絹旗は浜面の顔を見る。

「……もう少し強くしても超大丈夫ですよ」

その言葉のどこに反応したのか浜面はびしいっ、と硬直し、次の瞬間絹旗の腰を抱き寄せて背中から抱くと胸に触れる手に力を入れた。

だからなんでそんな超両極端なんですか! と心の中でツッコミを入れるも、首筋にかかる浜面の息を感じ――凪いだ。

多分、浜面は物凄く真剣な表情でいるだろう。

余裕なんてこれっぽっちもなく、ただただ必死に。

絹旗の胸を揉んでいる。

……超ばっかじゃねーの、と絹旗は心中で毒付き、やり場のない両手は宙を掻いた。

766 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/13(火) 00:36:06.73 ID:Xgkhooso

「浜面」

「な、なんでせうか」

「……楽しいですか」

「うん」

至極真面目な声で返された。

強くしてもいいと言ったのに、それでもまだおっかなびっくりといった風に胸を弄られる。

絹旗は快感よりももっと別の――浜面の名誉のために補足するが、不本意なのか本位なのかはさておき多少は感じているけれど――得体の知れない喜びを感じていた。

少しだけ思案して、絹旗は思い当たる。

必死になって自分を求めてくる、少しでも気持ちよくさせようと躍起になる浜面が、絹旗には嬉しくて仕方がなかった。

「浜面――」

少し無理をして後ろを向き、キスした。

769 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/13(火) 05:42:05.90 ID:Xgkhooso

「は、まづら」

びくり、と絹旗は身を捩じらせる。

「それ、超くすぐったいです」

右手は相変わらず胸にご執心のようだが、そろそろと動いた左手がへその上あたりを円を描くように撫でた。

「嫌か?」

卑怯だ、と絹旗は思う。

そう訊かれれば首を縦に振れるはずがない。

「……ぴぃ!?」

横に振るのも癪なので黙っていると、首筋にキスされて驚いた絹旗は悲鳴を上げた。

浜面は何度か首にキスしてから服の首周りに顔を割り入れ、鎖骨のそばに吸い付いた。

ぴりぴりと痺れるような痛みを感じる。

文句を言おうとして息を吸い、ようやく気付く。

――やられた。

「はま、浜面!?」

真っ赤になっているのが自分でも分かる。もしかしたら少し涙目になっていたかもしれない。

けれど浜面も、どこか不安そうな顔で再び尋ねる。

「……嫌か?」

「それ、超卑怯です」

ぷい、とそっぽを向いた直後、耳を噛まれた。

また悲鳴を上げそうになるが済んでのところで堪え、出口を失った声が喉の奥でくつ、と鳴いた。

785 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/16(金) 22:26:38.31 ID:WPYZRuAo

「浜面って、超エロいですね」

「うるせえ」

脇の下から伸ばされた手が胸から離れ、絹旗の顎を軽く撫でた。

その意図を察し、目を瞑り横を向く。口を塞がれ舌を入れられた。

舌の裏を舐められる慣れない感覚に背筋がぞくぞくする。体中の産毛が立った気がした。

湿った音が静かな部屋に響く中、浜面の左手がゆっくりと伸ばされ――腿を撫でた。

……あれ? と、絹旗は酔ったように靄のかかった思考の中で疑問を感じる。

そのまま手がスカートの中に入れられ足の付け根あたりに触れた時になってようやく絹旗はびくぅっ、と体を震わせる。

(展開超早すぎてついていけませんっ!?)

これでも限界まで逸る気持ちを抑えているのだが、その辺の事情は絹旗には分からない。

抗議の代わりに浜面の舌を軽く噛んだが、前歯の裏を舐められた。ずるい。

下着の上から撫でられ、絹旗はその感覚よりも羞恥に眉をひそめる。

(うーわーあー)

触られて自覚する。きっとそれは浜面も同じだろう。

下着越しにも分かるくらいに、そこは結構いい感じに湿っていた。

788 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/16(金) 23:01:13.36 ID:WPYZRuAo

(ぎゃあああああ!?)

軽く擦るように撫でていた指に力が入れられ、思わず「んっ」、と身を捩る。

口を塞がれたまま、鼻から荒い息と共に声にならない声が漏れる。

(これ超恥ずかしいです……!?)

浜面の無自覚な羞恥プレイに辟易しながらも、体は着実に準備をする。

それがなおさら羞恥心を煽ってもはや泥沼状態になっていた。

下着の間から滑り込み直接触れた指に体を強張らせるが、ゆっくりと、自覚して力を抜いた。

少し力の入れられた指が軽く割り入れられる。その感触にまた声が漏れそうになった。

ゆっくりと、臆病なほど優しく触れる指に若干のもどかしさを感じながらも反応してしまう。

指がそこを掠める度に小さく震えるのはきっとばれているだろう。

その手に両手が添えられてようやく唇が離れる。

「ぁ――ちょっと、待って、下さい」

熱くなった息が漏れてしまうのを堪えきれずに一息吐いたあと。

「――――脱ぎます、から」

一言伝えるだけで猛烈に恥ずかしかった。

789 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/16(金) 23:31:15.25 ID:WPYZRuAo

服脱がなきゃできないんですよね、と今さらながら思い当たる。

こちらだけ脱ぐのは不公平だと言い捨てて、絹旗は背を向けてワンピースを脱ぐ。

ってかワンピースって脱ぐ時超かっこ悪いですよね、などと思いながら。限りなく自分のせいなのだが。

キャミソールの肩紐に手をかけようとした時、冷たい指に触れられた。

「ぅひゃあっ!?」

思わず声を上げる。振り返ると浜面が物凄いビビリ顔でこちらを見ていた。

「その……手が、超冷たかったもので」

言ってから気付く。

(う……ゎ……、……)

思わず息を呑み真っ赤になるが、それはきっと向こうも同じだろう。

意を決して一歩近付くと、肩を抱かれ、キスされた。

啄ばむような、軽く唇を食むような口付け。

なぜかそれだけで落ち着いた。

「浜面って、超キス魔ですね」

うるせーよ、と言われ、またキスされた。

790 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 00:50:47.78 ID:.WYI6IMo

ここでいいのかと尋ねられ、ここでいいですと答えた。

「ベッド使ったら超怒られそうですし」

そう苦笑するが、本当は、最初からここがよかった。

初めてキスしたのもソファの上だったし、それに。

(……ここは浜面のベッドですから)

などとは口が裂けても言えない。

キャミソールを落とし、少し逡巡したがショーツも脱いだ。

不思議とあまり恥ずかしくなかった。慣れたのだろうか、とも思うが、

(違います……)

何というか、上手く表現できないが――覚悟――のようなものができたのだろう。

自分でもよく分からないままに。

けれどきっと頭ではなく、体がそうなっている。という事はきっと。

(私は、この人に抱かれたいんですね)

超認めたくないですけど体は超正直ですね、とか思いつつ。

791 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 01:40:51.20 ID:.WYI6IMo

ソファの上に膝立ちになりながらも、ぎゅうと首に抱きつく。

ぬ、と指が肉の間に潜り込む感覚に顔をしかめた。

内側を擦る指の動きに、次第に足の筋肉に力が入らなくなっていく。

ふーっ、ふーっ、と荒くなった息が嫌に響く。

その上なんだか、湿った音が聞こえてきた。

喉が鳴るのを抑えきれず、しがみついた背に爪を立ててしまった。

しまったと思うが、けれどおあいこだろうと思い直す。

その矢先首筋を吸われ、ずるい、と肩に少し強く噛み付いてやる。

仕返しと言わんばかりに指の動きが大きくなる。墓穴を掘ったかもしれない。

小憎たらしいと思いつつ、それでもなお、圧倒的な愛おしさを感じる。

……多分、だけれど。

「――浜面」

なんだ、と問い返してきた口を塞ぎ、絹旗はどうしようもなく苦笑する。

「たぶんもう、超大丈夫ですから」

本当に、自分の体が嫌になる。

792 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 01:56:34.27 ID:.WYI6IMo

知識だけで具体的な事は何一つ知らないけれど、体はどこをどうすればいいのか分かっていた。

力の入れ方なんてものは誰も教えてくれないし、教わる事もできない。

ゆっくりと、腰を下ろす。一度、二度と失敗するが三度目は大丈夫だった。

本当に入るのだろうかと不安にもなるが、なんて事はない、以外にもすんなりと入った。

まあ当然のように予想通り以上の痛みがあるのだけれど、どこか他人事のようにそれを感じていた。

そんなものよりも圧倒的な感情が支配していた。

「……大丈夫か」

顔をしかめる絹旗に、不安そうに尋ねる。

けれど。

「浜面」

目尻に浮いた涙の理由はいくつもあったが、精一杯の笑顔を浮かべた。

「これ、超やばいです」

「え、あ、やっぱり――」

「そうじゃなくてですね」

絹旗は、額に口付けする。

「ダメですね――私、超幸せすぎてどうにかなっちゃいそうです」

794 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 02:11:37.60 ID:ldQ1EOQo
俺もどうにかなっちゃいそう

795 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 02:12:17.06 ID:.WYI6IMo

「だからそんな顔しないでください」

直後、顔が見えなくなった。

体を優しく締め付ける腕の暖かさが心地よい。

「超難しく考えないでいいんですよ。そんな事ができるほど器用でもないでしょう?」

なんて事を言いつつも絹旗の心中は今まで感じた事がないほどの感情の嵐がぐちゃぐちゃになって吹き荒れているのだが、

その中心部は何故だか綺麗に凪いでいた。

「浜面が私の事を好きだって言うなら」

絹旗は、耳に小さく囁く。

「浜面は浜面なりに、超愛してください」

こういうのを殺し文句というのだろうか、と思う。

同時に、これじゃまるで超自殺するようなものですね、と思った。

797 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 02:45:46.89 ID:.WYI6IMo

とは言うものの、結構痛いのだけど。

堪えるように肩にしがみつく。ずぐずぐとした痛みが苛んだ。

何せ内臓に直接触れられているのだ。だのに不思議なもので、体は着実に慣れつつあった。

(なんか、超悔しいです)

そう思ったからなのか、痛みとそれ以外の何かとに耐えるように、無自覚に肩に噛み付いていた。

ぷつ、という感触と共に舌先にぴりりと鉄の味がする。

(あ――)

一瞬浜面の体が震えるが、しかし彼は何も言わず、突き上げた。

ぐぬ、と一番奥に触れられて息が詰まる。

「――は」

ぐちぐちと、なんだか妙に生々しい水音と妙に空々しい肉の音が重なる。

「浜面――」

赤いものが滲むそこに舌を伸ばし、舐める。

「浜面――」

辛い錆の味を舌の上で転がし、嚥下した。

798 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 03:10:32.72 ID:.WYI6IMo

耳元でごうごうと荒い息が聞こえる。

気になった。一体どういう顔をしているのだろう。

少しだけ力を入れて体を起こしてみた。

「――」

ああ、なんて事はない。

目を瞑り、荒い息を吐く顔は、必死だった。

本当に他の事は考えていないのだろう。
           まっすぐ
脇目も振らず、ただ愚直に。

「――、――」

何故だろうかと自問しても答えは出ないけれど。

……うん、分かる。分かってしまう。

「――」

力の入らないはずの足は、言う事を聞いてくれた。

799 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 03:13:58.98 ID:.WYI6IMo

「ん――」

タイミングを合わせる。

「ふ――」

まるで最初からそうだったように。

「く――」

かちりと、歯車が噛みあった気がした。

「っ――」

もう、考えるのは止めた。

「好き――」

半ば機械的に、けれど衝動的に。

「好き――」

叫ぶように。

「浜面――」

吼えるように。

「好き――!」

動く。

800 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 03:31:32.26 ID:.WYI6IMo

他の余分な部分はいらない。

苦痛とか葛藤とか躊躇とか羞恥とか、何もかも全部どうでもいいとかなぐり捨てた。

貪るように口を吸う。

このまま溶けてしまいたいとさえ思う。

ぐちゃぐちゃになって混ざってしまいたいとさえ思ってしまう。

肉と心がどうしようもなく気持ちよかった。

けれど肺が苦しくなって、ようやく口を離す。

喘ぐように、喘ぎながら息を吸う。

名前を呼んだ。

名前を呼ばれた。

たったそれだけなのにどうしようもなく震えてしまって、このまま死んでしまうのではとさえ思う。

たとえそうだとしても構わない。

背に回した手で抱き締める。

他に何もない、絹旗最愛という非力な少女の全身全霊を込めて。

 

力を込めすぎて、自分の体が内から爆ぜてしまうかと思った。

801 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 04:11:02.61 ID:.WYI6IMo

「――――浜面」

首筋に抱きついたまま、熱い息を飲み込む。

それから精一杯の虚勢を込めて、顔を見ずに絹旗は言った。

「本っっっ当に何も考えずに超中で出しましたね」

背を撫でていた手がびしぃっ! と固まった。

「………………絹旗サン?」

「そんなに超慌てなくても大丈夫ですよ……多分」

本当はよく知らないけれど、なんとなくそう思った。

まったくコイツ、本当に超馬鹿ですねと心中で呟き、溜め息を吐く。

「ほんと、なんであなたみたいな考えなしを好きになっちゃったんでしょうね。超意味不明です」

そう言ってもう一度嘆息した。

「……なあ絹旗」

そんな絹旗に浜面は。

「俺、オマエのどこが好きか分からねえけど、それに理由とか要らない気がするんだ」

なんて事を妙に真面目な顔で言いやがった。

その言葉に絹旗は呆気に取られたような顔をして、それからばーかと吐き捨てた。

「本当に浜面は馬鹿ですね。人類に分類されるのかすら危ういほどの超馬鹿です。同じ霊長類として超恥ずかしいです」

ぐ、と顔をしかめる浜面に、しかし絹旗は続ける。

「でもその馬鹿なところ、超嫌いじゃないです」

そう薄く微笑んで、口付けした。

802 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 04:36:20.81 ID:.WYI6IMo

「ただいま――」

「おーい絹旗ー、帰ったわよ――」

「むぎの」

「何よ」

「しー……」

「……あらまあ」

「何よコイツら。結局上手くいっちゃったの?」

「面白くない?」

「んーん、べっつにー。結局、もう少し娯楽を提供してくれてもいいと思った訳」

「あーあ、仲良さそうに手繋いじゃってさー」

「なかよしが一番」

「無防備にも程があるわよ。ウチらの本業忘れてんじゃないの?」

「しっかし、結局二人とも馬鹿な寝顔並べちゃって」

「別に、いいと思う」

「へえ?」

「おにあい」

803 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 04:38:11.32 ID:.WYI6IMo

"Cowardly Heart to Your Offensively Arms"is over.

809 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 12:30:50.68 ID:3TEUMis0

帰ってきたらショートでデザートやるやも
まあ例によって糖分多めですが

2パターンくらい考えてるけど余裕あればもちょっと?
あんまり期待せずにどうぞ↓

811 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 21:07:39.01 ID:.WYI6IMo

「……浜面。ひとつ聞いていいですか」

「なんでせう」

「超珍しく浜面からデートに誘ってくれたので、私恥ずかしながら超テンション上がってたんですよ」

「はひ」

「デートコースもおバカな浜面にしてはよくできましたと褒めてあげます。ディナーまで取ってるのは超意外でしたけど」

「た、たまには俺もやればできるんですよ」

「でもその時に気付くべきでしたね……しっかり身分証明書準備しておいてワインとか超注文したあたりで」

「き、絹旗さん……」

「その後なんで私気付いたら超ナチュラルにラブホ連れ込まれてるんですか!?」

814 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 23:15:54.96 ID:yGK17vE0
超期待です

815 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 23:24:45.85 ID:.WYI6IMo

「これ未成年者略取ですよ! 超犯罪ですよ!?」

「犯罪とか今さら俺らが言っても仕方ないと思うんだが……」

「超うるせーです! それとこれとは話が別です!!」

「絹旗」

「なんですか、言い訳は――」

 

「」

 

「――駄目か?」

「……こんな不意打ちみたいな事しなくても普通に言えばいいんですよ」

「悪い――いいか?」

「ダメです。すとーっぷ」

「う」

「……」

「な、なんでございましょ」

「その……ですね」

「はひ」

「も……もう一度キスしてくれたらいいですよ」

「……絹旗」

「なんですかその顔はー!?」

「超可愛い」

「何をそんな超分かりきった事を――」

 

「」

816 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/17(土) 23:36:28.77 ID:.WYI6IMo


                ____
               /=======ァ^ト┐
               ト=======扣z<ヽ
               人二二二二式 |:.:',   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 /:/:{/-|/}/}/-ヾ:l|.:.:|  |  皆様大変お待たせしました
             |イ:i:代ナ 弋ナ ? .:|.:| <   ここで再び歌って踊れる電脳アイドル
         /}}}    Nリ  __   rjノ :|  |    ドラゴンちゃんことミサカ18413号ですよー
       f爪n |jノif}    }ゝ.└─┘イ:i.:|:i:.|  |     と、ミサカは出番を見つけては何度も登場します
    -={  j.{=|' ノ   /イ:.i:|`r斤ー'>、:|:|八  \__________
      ヽ ノ三 |     jィT∨ヘ/} /\{ \
      -= ヘ王│  _/V,' {」/ / {/ハ
        ',-ヘ! |∠、 V |  |/ 〈†〉 }ノ  '、
        ヽ 乂 } │ {│    │ イ   〉
            \__,xくl /} |     |   |   /
                ∨/ ,'     |  └rー|
              }./      |   l'| │
             /{」=ー   -|=彡〈.| │
             {>,、-==ニ 了   `| │
            /((゚v゚))   |   〈|  |
             〈r┬== 〒===r≧|  |
             /:::|::::::::: i|::::::::: |i::::|  |

やっぱりまたR-18のよい子はみちゃだめよーなルートなので注意勧告ついでに。

本編に移る前に>>1から伝言を与っております、とミサカは超めんどくせーのですが原稿を読み上げます。
「正直すまんかった。エロ分多めにするから勘弁な。エロくなくてもごめんな」
以上です。ちょっと反省しているようなので大目に見てあげてください、とミサカは辟易しつつも与えられた仕事をこなします。
本気出すとか言ってますけど所詮駄文書きなのであんまり期待しないでください。

らぶらぶえっちな方向で行くんでソフトSMとか鬼畜ルートとか期待した人は残念でした。
でも>>1が言葉攻めとか超ツボとか言ってるんで多分恐らく限りなくそんな感じになるかと、とミサカは予測を立てます。

地の文多すぎると疲れるからセリフ多めでお送りします。
それではどうぞー、とミサカは袖に引っ込みます。


ところでミサカと白兎のいちゃぬちゃはまだですか、といそいそと服を脱ぎだします。

 

817 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 00:11:29.57 ID:DoJcuigo

「……」

シャワーの音が止んでから随分と経つのに、一向に絹旗が姿を見せない。

お預けを食らった浜面はベッドに一人腰掛け、バスルームの方を凝視していた。

(……一緒に入るとかいう展開はなしですか)

正直ちょっぴり期待してはいたのだけれど、絹旗が真っ赤になって全力で拒否したので引き下がらざるを得なかった。

強引についていけばあるいは、とも思うが例の窒素パンチで吹っ飛ばされるのとよくて五分五分。

ラブホテルから病院送りになるのだけはさすがに勘弁願いたい。

「……」

しかし絹旗は未だ姿を現さない。

もしかして風呂場で上せてたりするんじゃないか、とか悪い予感がよぎるものの、がさごそと微妙に物音がするのでその線はなさそうだ。

「っつーかラブホで普通に風呂入るかって」

思わずセルフツッコミを入れる。

猛烈な虚しさに襲われた。死にたい。

818 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 00:21:21.78 ID:DoJcuigo

重苦しい無音に耐え切れず布団の上でごろごろと悶えていると、いつの間にかベッドの脇に絹旗が座り込んでいた。

「何やってるんですか浜面。超キショいですよ。小さい子が見たらホラー映画張りに超泣き叫んで一生PTSDに超苛まれるレベルで」

かく言う絹旗も実用性重視の特大サイズベッドの端からちょこんと顔を覗かせている姿は浜面の視線からは首だけが突き出しているようにも見えるのだが、
浜面にはそこには触れず――そこに触れる余裕もなく顔をびしぃっ!と硬直させた。

「き、絹旗さん」

「……なんですか」

「なんか凄く面白おかしいものが頭についてるんですがそれは一体どういう秘密兵器でしょうか」

その言葉に絹旗は若干顔を引きつらせるが、思いなおし半眼で流し目を作る。

「決まってるでしょう――浜面を超悩殺するための秘密兵器ですよ」

などと言ってはみるが、絹旗自身もわりと、結構、かなり恥ずかしかったりする諸刃の剣なのだが。

意を決して立ち上がる。

「…………絹旗」

「こ、こんなん出ましたけどー……」

いつかのゲーセンで取ったぬいぐるみをひょこひょこと動かして、

「今晩のご指名はどっちのバニーちゃんですか……?」

鼻血が出そうになるのを何とか気合いで堪えた。

819 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 01:01:33.77 ID:DoJcuigo

「カミサマありがとう、本当にありがとう……生きててよかったあああ!!」

「その喜び方に超ドン引きなんですが」

まあ想定はしてたけど、と絹旗ははぁ、と溜め息を吐く。

「遊びに行くってのにやけに大きな荷物だと思ったら……そんなもん入れてたのか」

「そんなもんとはなんですか」

顔をしかめる絹旗に、浜面はふと浮かんだ疑問を投げかける。

「あれ……? って事は最初からこのつもりだったのか……?」

直後、べごおっ!とベッドが立ててはいけない音で悲鳴を上げた。

「絹旗、毎度毎度思うんだが照れ隠しにしてもそれ軽く致命傷を飛び越えて即死クラスだから!
 頼むから彼女に殺されるとか嫌な感じの人生の幕引きはさせないでくれよ!?」

「だったら言動に気を使ったらどうですかっ! 浜面のは挑発してるようにしか超聞こえません!」

真っ赤になって叫ぶ絹旗に浜面は首を傾げ、

「じゃあどんな事を言って欲しいんだ?」

なんて事をニヤニヤしながら言ってきやがった。

「……浜面、あまり調子に乗らないでくださいよ。それくらい自分で超考えてください」

ぷい、と顔を背けるが、直後に抱き寄せられて顔を覗きこまれる。

すっと近付けられる顔にどきりとするが、目を瞑った。

けれど、期待していた感覚はない。

もしかして超フェイントですか、と思った矢先、耳に熱い息が掛かった。

「――可愛い」

そう囁かれて、絹旗はどうしようもなくなってしまう。

820 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 01:28:38.58 ID:DoJcuigo

「浜面って超おっぱい星人ですよね……もしかしてロリコンだったりしますか?」

伸縮性のいい合成繊維の上から触れる野暮ったい指がやわやわと刺激する。

微妙にコンプレックスだったりするささやかな膨らみを浜面は飽きもせず揉んでいた。

「男ってのは総じておっぱい星人なんです。つかおっぱい嫌いな男なんていねー」

そんな事をいいながら、きゅ、と摘み上げる。

ん、と思わず声が漏れた。

「気持ちいい?」

「…………ちみっと」

我ながらいい感じに開発されつつあるなー、と絹旗は思う。

体は確実に『女』として変化しているし、こういう問いにも恥ずかしがりつつも正直に答える。

(……あれ?)

少し違うかもしれない。

浜面は絹旗を気持ちよくしようとして、絹旗の体がそれに応えようとしている。

それはつまり。

(うーわーあー)

羞恥心が頂天に達するが、そこから一気に静かになる。

……要は素直に感じればいいのだ、と今さらながら当然の事に思い当たる。

「浜面」

頬に軽くキスする。

「もっと、超気持ちよくしてください」

自殺行為かもしれないと思いつつ、けれどそれはそれでいいかと思い直した。

822 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 02:04:02.15 ID:DoJcuigo

耳を澄ます時、目を瞑る。視覚というのは思う以上に脳に負担をかけている。

人の五感の中で最も占める割合が大きいのが視覚だ。

それを意図的にシャットアウトしてやれば、自然と他の感覚の領域は増す。

つまりどういう事かと言うと。

(うわ、うわー……うわー!)

目を瞑った瞬間、自分がいかに凄い事になっているか気付く。

ぐにぐにと布地の上から弄られるが、なにやら既に超やらしい音を立てているし。

触覚も鋭敏になり、まるで体中が性感帯になったようだった。

触れられている部分はもちろん、吐息どころか動いた時にかすかに起きる空気の流れにすら敏感に反応する。

ぐちゅぐちゅと粘液質な音を立てる口内からは自分のものとは違う、かすかに甘いようなものを感じる。

そして何より、今までまったく自覚していなかったが――浜面の汗の臭いと、それとは別のどうにも生臭いものに嗅覚が反応する。

(や、ば……)

瞬間、一杯になった体の奥からどろりと何かが溢れた。

「――――っ」

なんか明らかに粘っこい音が下の方から聞こえてきた。

ふつふつと荒い鼻息をしているのが嫌が応にも分かってしまう。

「――っは、じゅく、んむ」

口内の粘膜を擦られて、それだけで達してしまいそうになる。

もっと、とねだるように舌を吸ったところで、絹旗は今までと違う感覚に違和感を感じる。

ぷつ、と何かが切れるような――

そう思った瞬間、半ば強引に服と肌の間に滑り込んだ指が、ぬるりと入ってきた。

823 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 02:33:52.84 ID:DoJcuigo

ぬちぬちと、妙に響く水音が聞こえる。

指の動きに体は素直に反応してしまう。腰と足とが自分の意思とは関係なく悶える。

ぷは、と水面から顔を出したように息継ぎして、絹旗は声を上げた。

「超破りやがりましたねコイツは!? タイツって結構高いんですよ!?」

その言葉に浜面は普段なら気圧されるはずだったが、今日は違った。

「――絹旗」

「なんですか」

「脱がせるなんて、とんでもないッ!」

断言された。

「あえてバニーだけに限定しないが……コスプレえっちする時に脱がすとかありえねえ! なんのためのコスプレだよ!」

「は、浜面……?」

「最低でも半脱ぎ! タイツを破らずにヤれるかあああっ!!」

熱弁するが、絹旗はドン引きだった。

でもまあ持ちかけたのは自分なのだし、まあいっかと思ってしまう。

胸の部分もずり下ろされ、そこにキスされた。

「あ――やっ――!」

先端を舌で転がされ、甘く歯を立てられた。

喉がきゅうっと高い音を立て鳴る。堪らず浜面の頭に両手が伸びる。くしゃりと硬い髪が音を立てた。

「ん、はふ……っくぅ……」

分かりやすいところを二箇所同時に攻められ肺が言う事を聞かなくなった。

必死に留めようとするがどうしても口の端から吐息と共に声が漏れてしまう。

浜面の立てる音と、絹旗の立てる音が混ざり合ってもはやどちらのものなのか分からなくなってしまう。

そこでようやく、思い出したように親指にぐり、と抉られた。

「ゃ、ゎ、――――ぅ!」

歯を食いしばって、びくんと体が一度大きく跳ねるだけに押し留めた。

828 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 17:14:03.43 ID:DoJcuigo

「……絹旗」

恨みの篭った視線を向けられ浜面は少し驚く。

「もしかして……イっちゃった?」

ぺし、と頭に軽くチョップを入れられた。聞くなという事らしい。

指を引き抜かれ絹旗はまたぴくりと身悶える。

キスしようとする浜面の顔を押し止めて、絹旗はぽつりと零した。

「……私だけされて超ずるいです」

はい? と聞き返そうとした浜面は思い切り突き飛ばされてひっくり返った。

「……」

馬乗りになられ浜面は慌てるが――若干の期待は隠せないでいた。

く、と体を捻って絹旗は背を向ける。

「ちょちょ、絹旗さん?」

かちゃかちゃと金具の擦れる音がする。

「……超特別ですからね」

何が、と言い返そうとするが浜面は、期待通りの感覚に思わず息を呑んだ。

830 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 18:49:47.72 ID:DoJcuigo

改めて、よくもまあこんなものが体の中に入るものだと絹旗は思う。

元からそういう風にできているとはいえ、人体の神秘恐るべし。

ちゅ、と口付ける。

(えと……こんな感じでいいんですかね……)

口の中に唾を溜め、舌を充分に濡らしてから這わせる。

ぴちゃぴちゃと猫がミルクを舐めるような音が響く。

「ん……ちゅ、れる……」

「き、ぬはた」

呼ばれたが黙殺した。

ぺろ、と濡らし舌だけでなく唇も絡める。動きだけはなんとなく分かっていた。

(……超複雑ですけど)

気持ちよくなれる口の動きは散々してきた。ただそれをする対象が変わっただけだ。

「くちゅ、じゅ、んふ……あむ……」

グロテスクとは思うが、素直にぴくりと跳ねるそれを少し可愛らしくも思う。

その反応が嬉しくて夢中になっていた。

少し大きく息をすると、吐息に驚いたのか大きく痙攣した。

「……浜面」

「な、んでしょう」

「気持ちいいですか?」

熱に浮かされたように、何故こんな事を聞いているのかすらも考えもせずに絹旗は尋ねる。

「……ああ」

「ふふ、超素直でいいですよ……ごほーびにもっと気持ちよくしてあげますから」

「え――」

返事を待たず、ずる、と咥えた。

832 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 19:22:36.47 ID:lXVvxi2o
ふぅ・・・

834 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 19:50:09.50 ID:Si2Mdroo
ふぅ・・・

837 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 22:35:09.73 ID:oboecoDO
ふぅ・・・

833 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 19:49:14.50 ID:T5VKy2Yo
悟りの書ならぬ悟りのスレか

839 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 23:15:23.07 ID:DoJcuigo

歯を当てないように気をつけながら、舌で舐めた。

「ん、ぐ……んむ、じゅる……くちゅ、ぷ……」

口で気持ちよくさせるやり方はいやと言うほど分かっている。ただ、今回はその相手が違うだけで。

絡めるように舌をぐりぐりと動かしながら絹旗は音が立つのも構わずに吸い上げた。

ふーっ、ふーっ、と荒くなった鼻息と、ぐちゅぐちゅと口の中で生々しい音が響くがもはや絹旗の耳には入っていない。

「絹旗、それ、やばい」

などと少し間抜けな声で言われ、思わず嬉しくなってしまう。

ちゅぽ、と軽い音を立てて口から引き抜くと、唾液でぬめったそこを両手で握る。

「えへへ……浜面、超気持ちよさそうです……」

多分、浜面も同じような感じだったのだろう。少しの征服感と、相手に喜んでもらえた事による満足感。

ぬちぬちと嫌らしい音を立てている先端に軽くキスして、もう一度咥え込む。

喉の奥まで飲み込んでしまい咳き込みそうになるが、なんとか堪えた。

「ぐじゅ……ずぞ、ぞ……」

吸い上げるようにして飲み込み、そのままゆっくりと首の力だけで引き抜いていく。

ぎりぎりまで抜いて、また沈める。

「じゅちゅ、ぐ、ちゅぶ……ぷ、はぶ……ん、ふぁ」

頭の片隅で警告が鳴っている気がする。

ぐぽぐぽと下品な音がするが、それを理解するだけの余裕がなかった。

どうにかして神経がおかしな感じで繋がってしまっているような気さえする。

唇と舌と、それから頬を使って刮ぐように擦る。

ともすれば息をするのを忘れそうになるほどに絹旗は一心に舐め上げていた。

だからだろうか。浜面の声に反応できなかったのは。

「絹旗……っ、やば、い……」

けれど、声には反応しなかったが浜面が思わず動かした手が脇腹を掠めるように撫で、思わずびくんと身動ぎした。

それが引き金になったのか。びくりと浜面が一度大きく跳ね、絹旗の口の中に熱いものが吐き出された。

843 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/19(月) 02:21:14.43 ID:KsxnRBUo
>口で気持ちよくさせるやり方はいやと言うほど分かっている。ただ、今回はその相手が違うだけで。
ん?

844 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/19(月) 02:30:35.54 ID:YCJo4UY0
キスからチ○コにって意味だと思う

851 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/19(月) 03:03:00.21 ID:WkzCiqEo
>>843
>>844の通りですはい
指をしゃぶるのがよくフェラチオのオマージュだと言われますが、でもそれキスだよなーとかなんとか

840 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/18(日) 23:51:43.38 ID:DoJcuigo

「んぐ、っ――!?」

「す、すまん絹旗!」

急に正体を取り戻して絹旗は慌てるが、それ以上に慌てる浜面を見てなんだかなあ、と醒めてしまった。

「え、えと、ティッシュ! ティッシュに吐き出して……ってねえし!? 普通枕元にあるもんじゃねえの!? どこだどこだあああ!!」

どたんばたんと騒々しい浜面を見て絹旗は、ふ、と嘆息して――鼻の奥から入ってきた臭いに咽そうになった。

「お、おい、大丈夫か……?」

恐る恐る尋ねる浜面を無視して、少しだけ気合いを入れて、嚥下した。

「――うぇ、やっぱコレ超噂通りの味です」

「何も飲まなくたって……」

「浜面がどたばたしてるから超仕方なくですよ」

適当に理由を付けたけれど、本当のところは何故そうしようとしたのか絹旗にも分からない。

あえて言うのなら――何か、もったいない気がしたというか――

「ぶ、げほっ、!?」

平気でそんな事を思いつく自分の思考回路に思わず咳き込んだ。

「そんなに不味いのか……」

「あえて表現するなら超苦じょっぱい卵白ですかね? あと超臭い上に喉に引っかかるので息したくなくなります」

若干的外れな問いかけに、少しだけ誇張して脅かしてやる。別にそこまで酷いとは思わなかったけれど。

まだ口の中に味がする。唾液で濡らした舌で歯の裏と、ついでにべとべとになった手を舐めていると。

「……浜面」

絹旗は眉をひそめた

「本当に超節操なしですね」

「う、すみません」

と口で言うものの、それだけ自分に興奮してくれているという事でもあるので――

「はーまづらぁ」

ニヤリと猫のように笑う絹旗に浜面はびくっと怯えるように体を震わせた。

841 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/19(月) 01:16:55.16 ID:WkzCiqEo

「ふふ、ふふふふふ、超単純な力勝負で無能力者の浜面が私に勝てるわけないでしょう」

「これすっげえ屈辱的なんですけど! でもなんか新しい感覚に目覚めそう! 不思議!」

腹を能力で適当に押さえつけて馬乗りになった絹旗はそんな事を言う浜面に少し嫌そうな顔をした。

「脱がない方がいいんでしたっけ……?」

タイツの穴を広げ、結構凄い事になっている布地を横にずらし――うわー、なんか超音が聞こえた気がします。

ぬるぬるとそこを擦り付けると、浜面が震えた。

「もしかして浜面、超興奮してます? やっぱり浜面って超変態ですね」

「変態で結構! だって絹旗可愛いし!」

末期だなあ、と絹旗は目を逸らす。浜面も、自分も。

「素直だから特別に超サービスしてあげます……」

手を添えて、ゆっくりと腰を落とす。

「ん……く、ふぅ……」

ずるずると異物の挿入される感覚。最初のこれだけはいつまで経っても慣れない。

「……は、ぁ」

肺から押し出されるように息を吐いた後、く、と腰を引いた。

分かりやすい快感と、けれどどこか喪失感が苛む。

それを埋めようとするかのようにまた腰を落とした。

「絹旗……っ」

「駄目、ですよ……んっ、浜面は超大人しくしててください」

少しずつこなれてきたそこに意識して力を入れる。

「ぐ……」

小さく呻く浜面の顔がなんだか妙に可愛らしくて、絹旗はどうしようもなくなる。

ばづ、ぱつん、という肉が肉を叩く音が部屋に響く。

842 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/19(月) 02:03:45.58 ID:WkzCiqEo

必要以上に利くベッドのスプリングを利用して体を跳ねさせる。

ぐじゃぐじゃと激しい音を立てる粘液はその動きに泡まで立てていた。

けれどそれに対して絹旗は何か思考する余裕すらなかった。

「あ、ふ、……くっ、ん、きゅぁ、っは……」

もう自分の喉から漏れているのが息なのか嬌声なのかすら認識できない。

絹旗には、体の感覚と今自分が圧し掛かっている浜面の顔しか見えていなかった。

それが何を示すかと言えば。

無論、そんな状態で能力を維持できるはずもなく。

ずぐん、と下から突き上げられて絹旗は息を詰まらせる。

「っ――か、は――」

「絹旗……あんまり俺をナメてんじゃねえぞ」

ぱくぱくと丘に打ち上げられた魚のように口を開閉させる絹旗に浜面は続ける。

「いくら大能力者っつったって演算できなきゃ同じだろうが! むしろ素の筋力では俺の方が上っ、オマエに負けるはずがねえ!」

「な、浜面のクセに、超生意気でづぁっ」

ぎしっ、とベッドを軋ませ、また腰を打ちつけられる。

「わた、私が、浜面を、んくっ、気持ちよく、させてあげ、ひゃふっ」

「さすがにヤられっぱなしってのも男の沽券に関わるんだよっ! それにっ!」

ごり、と裏側を擦られて思わず腰が震えた。

「絹旗の弱点は熟知しているっ!!」

「ひ、卑怯ですんはぁっ!?」

と虚勢を張るが、なぜか猛烈に嬉しかった。

じゅ、と自分でも分かるほど、何かが溢れる感覚がある。

少したじろいだところを容赦なく攻められ、絹旗はバランスを崩した。

845 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/19(月) 02:33:40.16 ID:WkzCiqEo

倒れなかったのが一瞬何故か分からなかった。

(あ――)

絹旗が体を支えようと思わず前に突き出した手が、握られていた。

(――暖かい)

何の打ち合わせもしていないのに、二人は自然に指を絡ませる。

それを支えにして絹旗は体を浮かせた。

「は、まづら、浜面、浜面ぁっ……!」

他に何も考えられず、絹旗はぎしぎしとベッドを軋ませる。

もしかしたら泣いているかもしれない。みっともなく涙を流しているかもしれない。

けれどそんな事は、どうだっていい。

何か心の中の大事な部分が壊れた気がした。

「浜面――!」

他に感情を型取る言葉が見つからなくて、それでも絹旗は迷わず叫ぶようにして言う。

「好き、浜面、大好き、です、っふ、あぐ、ん、好き、好きぃ……っ!」

熱に浮かされたように、うわ言のように、他に形容する言葉が分からずにひたすらに。

陳腐なと思うけれど、他の言葉が分からなかった。

「っは、ぅやっ、は、はま、えふっ、好き、大好き、超好きです――!」

もしかすると言う度に達しているのかもしれない。少なくとも心は何度も何度も飽きることなく跳ね続けている。

「あ、あああ、す、き、っあ、ふううっ!」

びくんびくんと体が意思とは関係なく跳ねる。

そこに、何を思ったのか、浜面は強引に体を起こし、腕を引き寄せ――

手の甲にキスをした。

それと同時に、ごり、となんだか嫌な感じに抉られて、

「ぁ、ゎ、あああ、っくあああああ――!」

絹旗の目の前が真っ白になった。

847 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/19(月) 02:53:38.06 ID:WkzCiqEo

さすがにコスプレしたまま寝る趣味はないので脱ぎましたが。

「き……絹旗さん……?」

浜面は恐る恐る尋ね――いや、ぶっすー、と不機嫌さを隠そうともせず寝転がって枕を抱える絹旗にご機嫌を窺う必要などないのは明白なのだが。

「いくら超念願のバニーさんだからって容赦なさすぎです。浜面がああまで超鬼畜だとは思いませんでした」

「あ、あれはオマエが能力まで使うから……!」

「うるせーです。浜面はもちょっとそこで超猛省してなさい」

にべもなく切って捨て、絹旗は枕に顔を埋める。

……実際のところ、真っ赤になっているであろう顔を見せるのが超恥ずかしいだけなのだが。

さすがに自分があそこまでぶっ飛んでしまうとは思っていなかったのだが、まあたまにはありかなーとか思ってみたりもする。

そこまで考えて、また浜面の都合のいいように考えさせられているのだろうかと顔を赤くする。

「絹旗」

露になっている背を吸われ、絹旗は肩をぴくりと震わせる。マーキングされているようで腹も立つが、それはそれで少し嬉しくもある。

「ごめんな、可愛かった」

そう優しく覆い被さられ、絹旗はまた卑怯だと思う。そんな事をされたら是が非でも許さざるを得ないではないか。

「……浜面」

体を捩り、絹旗は胸元に仕返ししてやった。

「ぎゅってしててくださいね――寂しいと超死んじゃいますから」

多分これ、比喩じゃないだろうなあなどと心の中で一人ごちながら、絹旗は目を閉じた。

849 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/19(月) 02:56:49.12 ID:WkzCiqEo
しゅーうーりょーおー
オワタ……オタワ……
楽しいけど疲れるですはい
文才のなさと持病に苛まれあうあうあうとか言いながら書いてました
例に漏れずらぶらぶえっちでしたが、それなりにエロく感じてもらえればありがたいです

本当はもう1パターン考えてたんだけど断念。エロは反動が大きすぎる……
ちなみに絹旗のあのエロ可愛いスカートをぴらりーんして後ろからってのでした
各自脳内で超保管してください

850 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/04/19(月) 03:00:38.55 ID:KsVU2LUo
俺得乙