東大野球部:早大OB・谷沢さん熱血指導 赤門旋風目指し

2011年2月4日 12時24分 更新:2月4日 12時33分

打撃フォームを指導する谷沢さん(左)=東京都の東大球場で、岸本悠撮影
打撃フォームを指導する谷沢さん(左)=東京都の東大球場で、岸本悠撮影

 東京六大学の東大野球部で、プロ野球・中日で首位打者を2度獲得した早大OBの谷沢健一さん(63)が打撃コーチとして選手の指導にあたっている。谷沢さんは「出身大学は関係ない。勝ち点奪取、最下位脱出を狙いたい」と“赤門旋風”を巻き起こそうと奮闘中だ。【岸本悠】

 谷沢さんは早大時代、外野手としてベストナインに6度選ばれ、70年から中日でプレー。通算2062安打を放ち、名球会入りを果たした。現役引退後は西武で打撃コーチを務めた経験もある。

 東大は昨秋まで26季連続でリーグ最下位に低迷、勝ち点獲得も02年秋の立大戦以来遠ざかっている。特に昨年は春がチーム打率1割7分4厘、秋が1割6分9厘と貧打に苦しんだ。このため、OB会がテコ入れを図ることに。谷沢さんと付き合いのある元野球部マネジャーの提案を受け、谷沢さんに依頼した。早大出身者が同じリーグの大学で指導するのは異例だが、谷沢さんは「若い選手の指導に大学の壁はない」と快諾した。

 昨年11月から指導を始めた谷沢さんだが、当初は「スパイクではなくアップ用シューズのまま打撃練習する選手ばかりでびっくりした」などと戸惑うことも多かった。まず徹底的に基礎をたたきこむことが必要と考え、週5日は東大球場に通う。早朝から日没まで東大カラーの青いウインドブレーカー姿で選手相手に身ぶり手ぶりを交えながら打撃技術を伝授。時には打撃投手も引き受ける。

 選手たちも手応えを感じ始めている。岩崎脩平主将(3年)は「逆方向にも強い打球が打てるようになった。打球の質がチーム全体で変わってきた」と目を輝かす。御手洗健治監督も「ハイレベルな経験を伝えられることで、選手たちもいい刺激を受けている」と話す。

 谷沢さんも選手たちのひたむきな姿勢を高く評価する。「恐ろしく謙虚。アドバイスを独り占めせず、みんなで共有してレベルアップにつなげている」と感心する。

 2月はプロ野球評論家として、春季キャンプ取材に出向くことも多い。その間は指導できないが、「東大の選手にタイプの似た現役プロにもアドバイスをもらうつもり。とにかく選手層を厚くしたい」と、東大強化に努めている。

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