林原:前社長一族に違法配当? 刑事責任追及も視野

2011年2月4日 2時33分 更新:2月4日 2時35分

林原健前社長=石井尚撮影
林原健前社長=石井尚撮影

 会社更生法適用を申請したバイオ関連企業「林原(はやしばら)」(岡山市北区)が、債権者の金融機関の一部から、林原健・前社長=引責辞任=などオーナー一族への違法配当の疑いを指摘されていたことが3日、関係者への取材でわかった。長年続けた粉飾決算で利益を大きく見せかけた上での配当は、資産を社外に流出させることになり、刑事責任も視野に経営者一族の責任を追及する動きが加速化しそうだ。5日には岡山市で一般債権者向けの説明会が開かれる。

 関係者によると「違法配当」の指摘が出たのは、東京都内で2日開かれた債権者集会。金融機関側から「粉飾の中での配当は、違法性が極めて高い」などとして、オーナー一族の責任を問う質問が出た。

 これに対し、会社側は「必要な処置をとる」と答えたという。同社は外部調査委員会で事実関係を調査した上で、前経営陣らの責任も追及する方針。

 登記によると、法的整理に入る「林原」など中核企業3社で計212万株を発行。林原前社長らは、同族の近親者だけで株を持ち合っていると説明しているが、内訳などは一切公表していない。

 林原側は毎日新聞の取材に対し「株主配当についてはコメントできない」としている。

 また林原が長年、3種類のバランスシート(貸借対照表)を作って金融機関ごとに使い分け、借入金を少なく見せかけて融資を引き出していたことも分かった。

 同社は、バランスシート上と実際の借入金額の差は最高260億円だったとしており、多額の借入金隠しが常態化していた。【石戸諭、椋田佳代】

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